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第24章 ドラゴニックエスタ トライアル

第1186話 ダンジョン内の法整備への可能性はあるのか

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 戦闘は短くても相手もこっちも殺しに来る。レベル差があり戦闘に熟練があろうが軽く息を整える程度には疲れていた。
「でもよ、ゴブリン、意外と強いな。」
「結構熟練度はダンジョンによってまちまちだ。装備もな。」
「それもさっきのダンジョン犯罪の話と被るんだ。」
「どういう事だよ。」
「ここから非常に難しいからな。ちょっとそこら辺に座って、息を整えながら聞いてくれ。」
 全員が通路に座り…休息を取っていた、私も…あるな。昆布茶ボトルをショップ機能で買い付けて飲んでいた。
「…そんなにか?」
「まずダンジョンの原点でさえダンジョンモンスターと戦利品狙いの人間の割合は5分・・・後半なら7分だ。」
「え!?」
「乱数も関わるが、戦闘回数統計的にそっちの方が多いくらいだ。でだ…ここで出てくる問題は、さっき倒したゴブリンが分かりやすい。」
「何でしょう?」
「ゴブリンは人型であるが…彼らを殺したらだれの責任だ?殺人罪に問われる可能性もある。」
「へ?」
 意味不明という顔で全員がこっちを見る。
「法律上は人間の定義は人型であり内臓器官が似たり寄ったりであれば全部人間だ。ゴブリンは耳に差異があるだけでほぼ人型だ。」
「え?いや、それは…。」
「そう、ゴブリンは敵だ…それは連中が襲ってくるからだ。だが、そうでないなら…法的根拠なしには人間を襲撃しているのと変わらん。」
 ダンマスだから…ではなく法律上殺人の定義がこうなっている。
「でもさ…。」
「これに類する非常に難しいケースは例えばゴブリンと戦闘中、荷物持ちの少年が通路の端で隠れていたが、間違えて殺してしまった場合…誰が悪い?当然暗がりならありうる。」
「え…あ…。」
「またダンジョン内で…生成された人型に近いモンスターは?これらも含め…。」
「いや、無理じゃない?細かく定義するのは」
「そうだな。当然そうなる。」
 ニャオの意見もわかる。
「難しすぎるだろ。」
「まあ、当然そんな事考えて戦闘すればこっちの脳が破裂しそうだ。そこで、ある形式をとることが多い。それが”冒険者ギルド”だ。ここら辺ではワークスギルド
などだ。あれが商会でないと困る理由がここにある。公的機関じゃ困るんだ。」
「いや、全然意味不明だけど?」
「国がダンジョンを持つ場合、法律改正をしないといけない。さっきの殺人や、ダンジョン内のおたからの分配などだ。がこんなもの一々決めていたらダンジョンは
危険地帯という厄介事の種でしかない。」
「そうなの?」
「お宝も、細かく言えば日本では地権者に帰属する。私有地なら当然だ。ダンジョンでいくら戦っておたから持って来ても法律上は全部地権者の物だ。こっちはそう言う基本法さえないので、基本盗人と同義になる。無いなら、ほら、秘境の観光地程度だ。誰も気にしなければ、何にもないな。」
「フーム。」
「そこで、管理人を決めて全部責任をそいつの押し付けるんだよ。何かあったらお前が悪い。国じゃないから責任はない。納税義務がある場合は国が法律を作った
上でギルドが集約して払う。って事だな。でギルドはそう言う講習をして破ったら…そっちが何とかって感じだな。」
「んなことあほらしくないか?」
「第一これを言い出せば鉱山で働く労働者と事故って話と一緒になる。鉱山もダンジョンもほら、整備のの差があれど、洞穴入って物を持ち出すだろ。鉱山労働者に
・・・。」
「あれって出入口を厳しく管理してなかったっけ?」
「そうだ、それが必須になるんだ。ダンジョンの入り口に建物を建てるのは…ダンジョンからのモンスターへの抑えよりダンジョンに入った人間が殺人を犯して
逃げることを阻止するための方が多い。そうでないなら…そんなモンスターの発生する穴なんて危険地帯傍で暮らしたいと思わんだろ?」
「そんな事にねぇ…。」
「実際カードでの依頼をするときに…そうされないものを選んでる。よく言うじゃないか実際の収穫物を集めるより集めた人間を襲った方が早い…とかな。」
「ふざけてないか!?」
 ユリアが興奮して怒鳴る。
「そういうふうに考える奴もいるんだよ。また、追い詰められた人間はその程度はする。」
「…なんか頭痛くなってきたよ。」
 実はこの辺、私のダンジョンで起きたことがない。ダンジョンの誘因効果に混ざってそう言うのを抑制する何かがある気がしてならない。そう言う意味では…凶悪な悪意に何度もさらされてきた私達はおかしいのかもしれない。
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