魔界建築家 井原 ”はじまお外伝”

第24章 ドラゴニックエスタ トライアル

第１１５０話 検証と数値化は具体的事実を表示する。

流石にユリアも…。
「あんたも聞きたいのか？」
「いえ、検証したと聞いてつい…。気になる物ですから。」
　いつの間にか、近くにミナがいた。
「あんたらも検証しているのだろう？」
「いえ、原理は知りませんでした。確かに、吸収効率…ですか、経験値とは物質なのですか？」
「そうだ、それだよ！引っかかったのは！」
「私の検証上だと生命が死んだ直後に発生している。魂ではないとコアには聞いているがどうも経験値は死んだ後に全身から瞬間的に発生しているとの事だ。」
　私の結論に…二人の顔も身命だ。
「って事は、何だ？」
「例えば私の知る大型モンスターの代表であるバイラードがいる。あいつは大体全高２ｍで長さも４ｍの上に筋肉だるまみたいな筋力を誇っている。で、こいつで実験した事がある。方法は…」
　ここからははしょらないと一話分全部埋まるから簡略化するが、

勇者でない一人（身長が小さい）がバイラードを超接近戦で一撃で倒す＝１
勇者でない１名から４０人（身長が小さい）がバイラードを遠距離でで一撃で倒す＝０．００３
勇者でない一人（身長２０ｍ）が遠目から射撃でバイラードを倒す＝０．００２
勇者でない一人（身長２０ｍ）が近距離で、締め技でバイラードを倒す＝２２３
勇者一人がバイラードを近距離でとどめを刺す＝１００００
勇者一人がバイラードを遠距離で射殺する＝１００００
勇者達５人がバイラードを遠距離で射殺する＝２５００
勇者達５人がバイラードを囲んで打撃武器で倒す＝２５００

「これが、大体の数値の目安だ。その為普通人のレベルアップは勇者が絡むときに比べ凄い遅い上に大抵は遠距離で倒すからもっと遅い。」
「…よく調べたなこれ。」
「確かに法則性があります。」
「こうなると経験値というのは、経験ではないのだが、殺し方と試験回数、苦戦度などここで色々ファクターが混ざるからこれは平均値的な物だとみていい。」
「身長も関係ないんですか？」
「勇者でないなら、経験値には距離の因果関係が生まれる。そして、体格も関係するが当然。」
　説明するに黒板とかホワイドボードがないから、木の棒で地面に書いて説明してる。
「体格？」
「そうだ。放射した経験値を受け止めるための面積だ。だからこことここの効率に差が生まれる。」
　数値を指して説明する。
「そうなると、勇者はあらゆる面で優遇されてますね。」
「ああ、されてる。」　
 勇者の優遇も数値が課すると恐ろしい事になる。成長スピードも恐ろしいのだろう。
「だからレベル上限というのはその経験値を蓄えることができるキャパシティーではないかと思っている。
　だからこそ…モンスターは人間よりはレベルアップが早くても上限という意味では弱い事になるという調整なんだ。