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第23章 それでもやっぱり領地開発したい

第1131話 選挙の賄賂が腐らせるのは、政治ではなく…

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ある意味このザガートン国は観光都市だ。しかもそれが毎日で、人があわただしい。そう、現在三つめが建設された闘技場のどこかでは闘士たちが戦っている。
「…人が多いですが…すごい乾いてますね。」
 エルドア氏は木になっていたようだが…。
「ここは乾燥した土地でほぼ、木々の定着が無いと言われている。得に南からは砂漠の熱砂。北からは荒れた山と…植物が育つ素地がない。そんな中でもここは黄金街道と砂漠の接合点でキャラバン商人とリラシルトの食料が金を生む。」
「でもその砂漠ってどんなに大きいのよ。」
「地図を見せただろ?君たちのいた草原諸国9か国の全てよりも…大体2倍は大きい巨大な砂の海。」
「そんなに大きいんですか?」
 エレドア氏の声が裏返ってきた。そして乗り合い車が止まると市街地の当たりから乗る人間が増えてきて…護衛も一緒に乗ってきた。これも冒険者のれっきとした仕事だ。麻のゴーレム車に乗り、巡回する。
「だからこそ…ここは金の匂いのする街道交易都市となった。」
「そんなに…。」
「後、乗合…聞いてみろ」
 島原も黙る中…乗合馬車の中では乗ったお客の会話が聞こえて着る。
「今日はよ、応援してた”ダンジョン帰りのスーク”の奴が出るんだ。今回こそ勝ってくれよ。」
「そう言えば黄泉の大穴だっけあそこで冒険者を大量にかき集めてるけど、闘技場とは関係ないんじゃないか?」
「ほら、勇者が言っていたレベルアップって奴。あれがあるから、結構行くんじゃねえか?」
「今日は第3だよな。」
「あそこは議会選挙の為にパンをばらまくんだと。」
「…誰が?」
「ああ、南のパスカヴィルの評議員だ。」
「あそこが出すパンはまずいんだ。けち臭さが分かる。せめてワインか葡萄酒を付けて欲しいな。」
「そこが連中か嫌われる原因だよな。」
 なんというか世知辛いがこの国は皇帝の下は評議員と呼ばれる会議制となっている。隣のリラシルトの政治体制を真似ているが違うのは…評議員の選出方法だ。それが…全国での記名投票トップ20の町長だ。…訳が分からないだろ?私も最初聞いておかしいと思った。まず町長選挙というのがある、街で各市民が一人一人投票した直接投票で町長を決定する。そして4年ごとにそれとは別に評議員選出選挙が行われる。この時昔は名前だけで、今ではギルドが似顔絵を描いて全員の顔を見せたうえで…全国民が一人、評議員になって欲しい人物を選ぶ。ついでに街の数は47街。だから半分は落ちる。そしてそのアピールに使われるのが…闘技場とかの人が良く見る場所だ。その戦略で評議員にのし上がった田舎村の評議員もいる。国を守るに腕力だと、そう言う連中だ。そしてそれもあって今のこの国は空前の闘士ブームだ。ここから町長…そして評議員が出るかもしれないのだ。そして評議員と国王は同等の地位があるとされ法律改正と刑罰は国王と、評議員の半数の票が欲しい。その為に非常に評議員は国王に比肩しうる存在として人気があるのだ。ついでに国王は前国王が死亡後に評議員選ばれた辺境公4人からから投票で決定される。なお、この時に子供がいても引き継ぐことはできない。
 で、そんな夢がある闘技場だが当然評議員になりたい地方領主は…自分の町以外に出て知名度を上げる作業を行う。で問題なのが…ここで票を買う買収とかを規制していない点だ。むしろそれが経済を好循環にさせている。自分の町はもちろん商売で街と自身の名声の地位を上げたり、こうしてバラマキを他の町で行う事で・・・評議員になれるのだ。その為に…市民に金が回りそれが福祉の代わりとなり…市民の生活は下手すれば勇者大陸の連中よりも裕福だ。で、その楽しみの中に…闘技場がある。武闘大会も世界最強決定戦がここで行われるとあって、闘技場の熱がかなりある。
「何か…私の所とは違い過ぎるな。」
「何か…。」
「観光だというのと…後ザガートンの国を見る縮図なのが、闘技場だ。行ってみればわかる。」
 しばらく耳を傾け…私達は沈黙しつつ…ゴーレム車は第3闘技場についた。ここが…主戦場だな。
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