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第23章 それでもやっぱり領地開発したい

第1130話 いきなり来た旅行するとか、拉致された感がある。

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 せっかくの観光だ、宿はこっちでも警備も私がやろう。
「何を待っているんですか?」
「ここは乗り合いゴーレム車の市内向けのゴーレム乗り場だ。」
「ゴーレム車の乗合…ですか?」
 周囲を見るとここで市内向けには乗る人がいない。反対の市外向けの方には10名ほどが待っている。
「ここは普通の一般人の格好をして…普通に観光に行くぞ。」
「そう言えば…朝早い?」
「ああ、そうだ。時差が6時間ほどある。だから向こうで昼でもこっちでは朝だ。少し寒いだろうが…。」
「え?え?ここが…ゴールディ。あの山の向こうですか・・。」 
「そうだな。大声は迷惑だからな。最悪…君たちを拘束するかもしれん、私の正躰は秘密だぞ。」
「「あ、はい。」」
 ここだけは守らせないといけない。
「本当にテレポートみたいなことができるんですね。」
「一応大ダンジョンマスターでもある。」
「これが…でも乾燥していませんか?」
「ザガートン国は基本全部荒野だ。一部森林があるが、黄金街道のザガートン側は全て荒野だ。」
「ここが荒野なら水がないでしょ。」
「ここはここの南…サンディーンから北上したキャラバンと黄金街道がぶつかる接点でな。そこからは大量の衣類を買い、水や食料を売るんだ。得に日持ちのいい小麦が売れ筋だ。この南…ザガートン南部は今小国分裂の戦争状態で、分かっているだけで160もの領主たちがいる。そこの連中が兵糧として…そしてここの北部にある都市からの鋼鉄の加工品を買うんだ。」
 これはサンディーン南の領主を抑え、帳簿を調べてもらったところ判明した。キャラバン隊の目的は武器だったのだ。麻の衣類を武器と交換して…軍備を整えており…それが商売として成り立っているのだ。これはもう一つの砂河都市(リラシルト、サンディーン間の交易路)でも行われている。ただし向こうは奴隷を買い付ける。兵士になる人間はザガートン南部では貴重な人材でもあるからだ。それがリラシルトでは金を出せば買えるのだ。
「じゃ、じゃあこっちに流れるのは本当に…。」
「ごく一部だ。いや、密輸品が相当高く買ってもらえるから流しているだけで、実際はこっちのキャラバン相手の商売の方がずっと時間が短く商いも大きい。」
 実際あそこに密輸してでも運ぶ商人が少ないのはそう言う理由だ。
「治安はあまりよくないからな。私の傍は離れないでくれ。」
「わ、分かりました。」
 そのまま二人は周囲を見渡しつつ、無言になった。見て学べる範囲は見て学ぶのだろう。そして死爆、少し暇かと思った時には、向こうから乗合馬車が現れた。
「おおー。」
 当然ながら運転手は気が付いている。なので私はあえてコインを渡しゴーレム車に乗り込んだ。
「これが、乗り合いゴーレム車・・・と言っても前のと変わりないですね。」
「まあ、私の設計だからな。さて行こうか…ザガートン観光に。」
 と言っても見たい箇所は少ないがな。
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