1,121 / 1,319
第23章 それでもやっぱり領地開発したい
第1113話 TRPGにおける勇者ハラスメントは結構ウザい
しおりを挟む
といっても最初は当然自分のダンジョン領域にいるジャンからだ。
「これ…いいのか?」
ジャンが見ているのはイベント用のキャラクターシートと私達の今までのスキルについて書かれた、特別編制した”スキル辞典”だ。今回レベル三つ分を割り振ってスキル名を書いてその上で職業も選択出来る物から指定する事になっている。
「ああ、今回今まで働いてもらった分から報酬という事で、ほら異世界人とか…冒険者っぽい事…。」
「そう言うの苦手でさ、オッサンだから。」
忘れている人も多いが、ジャンは元は飛行機事故での”副機長”で完全巻き込まれた異世界人だ。しかも異世界”転生”した人間で元は50代のおっさんだ。しかも結構ヤサぐれている。
「分かってる。だからこそだ。今回のイベントはドラゴニックエスタの3だから。有名作でな。」
「確かにオッサンでも知ってるゲームタイトルだが、これは関係ないだろ?」
「いやむしろ重要だぞ。大方スキルの使用感をこっちにフィールドバックさせてスキルオーブ堀をさせたいんだろ?」
「あ、そう言う意味ね。」
こっちの考え的にダンジョン運営はギルドと同じだ。だからこそ、ダンマス向けにこういう活性化策を仕掛けてくることが多い。今回もそれだろう。
「で、せっかくだからスキル三つ選んで書けばいい。元は資料もないからな。これはこっちにある物を書いておいた。」
「なんかすげーな。すまないな。」
と言って私は…辞書の暑さの本を手渡す。
「というか分厚くねーか?」
「分かっているだけでスキルは学術系276種、戦闘系亜種含み25種。魔法系17種、異世界人専用(特異系)92種、勇者専用227種。だそうだ。」
これはギルドとの取引の際に
「多くねぇか?」
「多い。この中から絞って三つだ。」
「悩むな。」
「魔法系は抑えておくとして、これに他に質問した所職業に寄るレベルアップ加算を加えたのが手札だそうだ。」
「その辺はゲーム再現か。」
「そう言う事らしい。だから悩んでくれていい。」
ジャンもシートとにらめっこしている。
「後気を付けることがあるか?」
「この設定の部分だ。」
「どういう事だ?」
指さしたのは名前、職業、スキルの三つの他にある妙に大きな”空白”の部分だ。
「大方…ここに書いてあることの方が重要だ。あのイベントを起こせる神様っぽいのがやるんだぞ。当然再現してくる。とみている。」
「じゃあ、事実上白紙委任か?」
「無理っぽいのには嫌がらせしてくるだろうが、それ以外には全通しだろう。」
「あと聞いていいか?」
「なんだ?」
「職業って、ここにあるのって戦士、魔法使い、僧侶、盗賊の4つだけだろ?あのゲームって基本勇者が主人公じゃないのか?」
「だな。普通だな。」
「何でだろ?」
確かにそう見える。そうだな。本来ドラゴニックエスタは主人公は必ず勇者だ。これは揺るがない。
「それこそそれ許したら何人参加するか知らんが全員勇者になるだろ?特別職業扱いだと思うぞ。」
「まあ、あ、そうだな。」
「特別職業許すと、普通職業の奴を見下すんだ。それが2年続いてみる。イラっと来るから。」
TRPGのえこひいき理論と呼ばれるもので身内会ならいいが、コンベンションなどの不特定多数とやる場合には特殊な何かを一人に許すとそれと同量を全員に許す必要が出てくる。その為に難易度がグダグダになる場合が多い。なのでしない方がいいという話がある。だから私は当然と考えていたが普通の人的には違和感があるのか…そこには。
「これ…いいのか?」
ジャンが見ているのはイベント用のキャラクターシートと私達の今までのスキルについて書かれた、特別編制した”スキル辞典”だ。今回レベル三つ分を割り振ってスキル名を書いてその上で職業も選択出来る物から指定する事になっている。
「ああ、今回今まで働いてもらった分から報酬という事で、ほら異世界人とか…冒険者っぽい事…。」
「そう言うの苦手でさ、オッサンだから。」
忘れている人も多いが、ジャンは元は飛行機事故での”副機長”で完全巻き込まれた異世界人だ。しかも異世界”転生”した人間で元は50代のおっさんだ。しかも結構ヤサぐれている。
「分かってる。だからこそだ。今回のイベントはドラゴニックエスタの3だから。有名作でな。」
「確かにオッサンでも知ってるゲームタイトルだが、これは関係ないだろ?」
「いやむしろ重要だぞ。大方スキルの使用感をこっちにフィールドバックさせてスキルオーブ堀をさせたいんだろ?」
「あ、そう言う意味ね。」
こっちの考え的にダンジョン運営はギルドと同じだ。だからこそ、ダンマス向けにこういう活性化策を仕掛けてくることが多い。今回もそれだろう。
「で、せっかくだからスキル三つ選んで書けばいい。元は資料もないからな。これはこっちにある物を書いておいた。」
「なんかすげーな。すまないな。」
と言って私は…辞書の暑さの本を手渡す。
「というか分厚くねーか?」
「分かっているだけでスキルは学術系276種、戦闘系亜種含み25種。魔法系17種、異世界人専用(特異系)92種、勇者専用227種。だそうだ。」
これはギルドとの取引の際に
「多くねぇか?」
「多い。この中から絞って三つだ。」
「悩むな。」
「魔法系は抑えておくとして、これに他に質問した所職業に寄るレベルアップ加算を加えたのが手札だそうだ。」
「その辺はゲーム再現か。」
「そう言う事らしい。だから悩んでくれていい。」
ジャンもシートとにらめっこしている。
「後気を付けることがあるか?」
「この設定の部分だ。」
「どういう事だ?」
指さしたのは名前、職業、スキルの三つの他にある妙に大きな”空白”の部分だ。
「大方…ここに書いてあることの方が重要だ。あのイベントを起こせる神様っぽいのがやるんだぞ。当然再現してくる。とみている。」
「じゃあ、事実上白紙委任か?」
「無理っぽいのには嫌がらせしてくるだろうが、それ以外には全通しだろう。」
「あと聞いていいか?」
「なんだ?」
「職業って、ここにあるのって戦士、魔法使い、僧侶、盗賊の4つだけだろ?あのゲームって基本勇者が主人公じゃないのか?」
「だな。普通だな。」
「何でだろ?」
確かにそう見える。そうだな。本来ドラゴニックエスタは主人公は必ず勇者だ。これは揺るがない。
「それこそそれ許したら何人参加するか知らんが全員勇者になるだろ?特別職業扱いだと思うぞ。」
「まあ、あ、そうだな。」
「特別職業許すと、普通職業の奴を見下すんだ。それが2年続いてみる。イラっと来るから。」
TRPGのえこひいき理論と呼ばれるもので身内会ならいいが、コンベンションなどの不特定多数とやる場合には特殊な何かを一人に許すとそれと同量を全員に許す必要が出てくる。その為に難易度がグダグダになる場合が多い。なのでしない方がいいという話がある。だから私は当然と考えていたが普通の人的には違和感があるのか…そこには。
0
お気に入りに追加
48
あなたにおすすめの小説


もしかして寝てる間にざまぁしました?
ぴぴみ
ファンタジー
令嬢アリアは気が弱く、何をされても言い返せない。
内気な性格が邪魔をして本来の能力を活かせていなかった。
しかし、ある時から状況は一変する。彼女を馬鹿にし嘲笑っていた人間が怯えたように見てくるのだ。
私、寝てる間に何かしました?

初夜に「君を愛するつもりはない」と夫から言われた妻のその後
澤谷弥(さわたに わたる)
ファンタジー
結婚式の日の夜。夫のイアンは妻のケイトに向かって「お前を愛するつもりはない」と言い放つ。
ケイトは知っていた。イアンには他に好きな女性がいるのだ。この結婚は家のため。そうわかっていたはずなのに――。
※短いお話です。
※恋愛要素が薄いのでファンタジーです。おまけ程度です。

【完結】精霊に選ばれなかった私は…
まりぃべる
ファンタジー
ここダロックフェイ国では、5歳になると精霊の森へ行く。精霊に選んでもらえれば、将来有望だ。
しかし、キャロル=マフェソン辺境伯爵令嬢は、精霊に選んでもらえなかった。
選ばれた者は、王立学院で将来国の為になるべく通う。
選ばれなかった者は、教会の学校で一般教養を学ぶ。
貴族なら、より高い地位を狙うのがステータスであるが…?
☆世界観は、緩いですのでそこのところご理解のうえ、お読み下さるとありがたいです。

愛していました。待っていました。でもさようなら。
彩柚月
ファンタジー
魔の森を挟んだ先の大きい街に出稼ぎに行った夫。待てども待てども帰らない夫を探しに妻は魔の森に脚を踏み入れた。
やっと辿り着いた先で見たあなたは、幸せそうでした。

婚約破棄の後始末 ~息子よ、貴様何をしてくれってんだ!
タヌキ汁
ファンタジー
国一番の権勢を誇る公爵家の令嬢と政略結婚が決められていた王子。だが政略結婚を嫌がり、自分の好き相手と結婚する為に取り巻き達と共に、公爵令嬢に冤罪をかけ婚約破棄をしてしまう、それが国を揺るがすことになるとも思わずに。
これは馬鹿なことをやらかした息子を持つ父親達の嘆きの物語である。


主人公の恋敵として夫に処刑される王妃として転生した私は夫になる男との結婚を阻止します
白雪の雫
ファンタジー
突然ですが質問です。
あなたは【真実の愛】を信じますか?
そう聞かれたら私は『いいえ!』『No!』と答える。
だって・・・そうでしょ?
ジュリアーノ王太子の(名目上の)父親である若かりし頃の陛下曰く「私と彼女は真実の愛で結ばれている」という何が何だか訳の分からない理屈で、婚約者だった大臣の姫ではなく平民の女を妃にしたのよ!?
それだけではない。
何と平民から王妃になった女は庭師と不倫して不義の子を儲け、その不義の子ことジュリアーノは陛下が側室にも成れない身分の低い女が産んだ息子のユーリアを後宮に入れて妃のように扱っているのよーーーっ!!!
私とジュリアーノの結婚は王太子の後見になって欲しいと陛下から土下座をされてまで請われたもの。
それなのに・・・ジュリアーノは私を後宮の片隅に追いやりユーリアと毎晩「アッー!」をしている。
しかも!
ジュリアーノはユーリアと「アッー!」をするにしてもベルフィーネという存在が邪魔という理由だけで、正式な王太子妃である私を車裂きの刑にしやがるのよ!!!
マジかーーーっ!!!
前世は腐女子であるが会社では働く女性向けの商品開発に携わっていた私は【夢色の恋人達】というBLゲームの、悪役と位置づけられている王太子妃のベルフィーネに転生していたのよーーーっ!!!
思い付きで書いたので、ガバガバ設定+矛盾がある+ご都合主義。
世界観、建築物や衣装等は古代ギリシャ・ローマ神話、古代バビロニアをベースにしたファンタジー、ベルフィーネの一人称は『私』と書いて『わたくし』です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる