魔界建築家 井原 ”はじまお外伝”

第２３章 それでもやっぱり領地開発したい

第１１１１話 情報は価値が高いが、それがいい事とは限りない。

　ただ交渉の中でいくつかのダンジョンのトラップなどの簡素化理が無いと…というより今のシステムだとダンジョンの制作にハードルが高すぎるのだ。と感じている。そして、フェルミィに頼んで、公開されているダンジョンバトルのデータからトラップの使用率を計算してもらう事になった。こういう時に公開されているデータはありがたい。そしてドランに連絡も…。
『こっちの交渉が終わり。どうにか、段取りが決着したのじゃ。そして勇者への偽装もある、が問題は…リンベルトが魔王バトルに出る勇者として指定されたのじゃ。どうも大陸内にいる勇者から一人をギルドが選定する必要がある。それが大陸毎のギルドマスターの権限じゃ。そしてフォレスタのギルドマスターは柳田になっておった。なお、ザガートンはイツキ。勇者大陸が南…ではなく教授が選定するようじゃ。』
　これは厄介な。というより…。まずは…。
「そっちに向かう。そこで会合を開くぞ。」
『分かった。』
　やばい事になってきた。マッチポンプもいい所だぞ！？結果として。

　ダンジョンに来るとドランが改装を指示していた。前回の視察で、こっちが手を入れるべく安全性などの配慮を兼ねてミラージェが階層案を出していた。
「ふむ…それでか…というかお主も苦手が多いのぉ。」
「仕方ない、本気でいえば電気技師が欲しいんだが、その人材まではないからな。」
「人材でいればレア中のレアじゃぞ。」
　俗にいう家で建築を行う程度の簡易的な回路なら。実は建築に欲しいので書けるんだがどこのパーツがどれになるとかの知識が無くて、しかも原理もわからないパーツも多くて苦手だ。
「確かに。」
「まあ、それでも中学生程度の回路なら組むがいいかのぉ。」
「それでお願いする。」
「電光ネオンか…。確かに厄介じゃ。」
　今回の依頼は二つある、黒木から聞いたのはダンジョン鉱山都市として使う”現代風雑居ビル”と”電光ネオン付きメイズ”の制作だ。どっちもその道の人っぽいが、問題は多々あった。その一つがどっちにもほしいという”電光ネオン”だ。魔法自体は持続光などがあり、それを使った魔術回路による看板の作成を依頼しに来ている。
「ふむ、それは分かったのじゃ。後、このダンジョンをどう思うのじゃ？」
　ドランからしたら…。
「どこを手直ししたんだ？」
　いや、自慢だろうが、実際着工しているところを一度ミラージェと統合している以上覚えているからな。
「斜面とかのぉ。」
　入り口から延びる…緩やかな斜面を指さす。
「明後日ぐらいだっけ？」
「そうじゃ、リンベルトが密約書を持ってこっちに来ることになっておる。ただし、なんか３聖女がいるらしいと聞いておる。」
「は？」
　３聖女…嫌な思い出もあるが…ゲームの中だけの存在じゃあ？
「ルナマリア嬢じゃったかな。その姿そっくりの御仁がいるとか何とか。」
「確か２番目ではＮＰＣだった彼女だよな。」
「そうじゃ。だが居るって事は第一回の時の誰かじゃろう。よっぽどのファンがおるんじゃな。」
　３聖女、一時的とはいえドランもやったことがある。かなりの大金を使ったが、取りあえず黒字にはなった。がファン？
「この時期にそれに変身させた…怪しくないか？」
「わしもそう思っておる。が分からん。」
　流石にゲームだけの存在に似せてリンベルトのお目付け役か。意味が分からん。
「とりあえず…引き離して、煽ってみるつもりじゃ。おった場合はのぉ。といっても実はわしの部下たちは第一回で行かせたからのぉ。そう言う意味で真偽鑑定できるはずじゃ。」
　偽物なら、こっちがあぶればいい。ダンジョンバトルでは大きさ的に不利だがそうじゃないなら上空を舞うドラゴンは厄介極まりない。が…。
「酔狂な奴だな。」
　なんか起きそうな展開だ。何か起きなければいいが。