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第23章 それでもやっぱり領地開発したい
第1104話 興味がないなら学ぼうとしない方が普通
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そして、久々に自分のダンジョンで快適な睡眠をとった次の日からは魔王バトルに使うダンジョンの…骨子を固めるためにダンジョンのギミックの為にまずは俊三さんの所に行くことにした。今現在の彼の立場はわがダンジョンのモンスター進化や配合の開拓を行う研究主任だ。
「お久しぶりです。」
但し本人は行商人として首都に向かい情報収集を頼んでいるので、助手のエルフ青年の
「そう言えば名前は?」
「私はアルパと申します。」
「・・・今回の件は聞いているか?』
「一応魔王バトル用のですよね。」
「そこで使うモンスターの厳選に入りたい、今回は勇者が相手だ。それなりに強く、そして卑怯に見える癖のあるモンスターを使いたい。」
「そんなものはありますか?マスターに連絡後に。」
「それは構わない。その間に私はめったにここに来れないから、研究がどうなっているのか確認させてほしい。」
俊三さんはここに来る前は生物学者だ。が当然大学の研究室にいた学者で”研究方法”を熟知しているスペシャリストだ。モンスターの進化の検証のためにこっちから予算を貰ってまずやったのが”サブダンジョン研究所の建築”だ。というのもこの世界のモンスターの生態まで考えると一体のモンスターでさえ相当広い研究エリアが欲しくて庁が付くほど広大なダンジョン面積でさえ足りない恐れがあったそうで、
その為にサブダンジョンを最大面積まで買ってモンスターを生産しまくった。レベリングは魔素の付与のみで行いそれ以上の検証は”すべての研究が終わった後”でやるとしてまずは通常進化の検証から行った。そして研究所の多くは大森林奥地に建設した。誰にも見つからない…死の森奥地だ。
「そんな事になっていたのか?」
「環境構築などを行い、その観察一種類ごとにダミーコアを作成して観察させていますが、ここでよく愚痴を言っていました。スキルでも学術的”興味”までは作れない。と。」
「ん?」
そう言えば思い当たる節はある。それは建築学をシルキー達に生産時に付与する形で与えたが…その後に”建築”を積極的にする様子はなかった。むしろ本分のメイドや仕事や恋愛を好み建築関連に進んだシルキーはいなかった。
「そう言えば、それをスポナーで書いてスカウトすればいいのでは?」
「それが、三つほど障害がありまして困難を極めています。」
どうも三つの困難…なんだが、この挙動はおかしい事になってきた。まず俊三さんのダンジョン限定で”エルフ”のスポナーの作成ができなくなっていた。また、ダンジョンでも作成禁止になっていた。いつの間にかなっていたらしくて、どうもルール改変に引っかかったらしい。今回の件で旅行を決めたのはこれが理由らしい。スポナー作成のルールが分からない。そこでその手掛かりがギルドの図書館
にあるかもしれない。という事だ。
そして、たとえそれでスポナーを作る事が出来ても次にスポナーで性格を変えて”探求心溢れる”学者エルフを作ったとして、それが”新しい”ことに目がいかないのだという。興味を引いて自分で動く事はしないらしい。で、なんでこれが困難かというと例えばデータが揃ったとしてもその違和感や特徴、法則性に”気が付かない”とそれに体系づけたデータをまとめることができないという。単純に言うと
論文が書ける存在は知力やスキルを上げただけではできなかったらしい。となると、データをそろえさせても意味はない。
三つめは二つ目に絡むのだが…気が付けないという事はデータを精査できる人間が欲しくてそうなると”データを検証できる知的な人間”をそろえる必要がある。しかも人間はそれぞれ思考の方向性も違うためにこのデータを公開する必要がある。がそんな人間がこの今の世界には落ちているわけがない。どうも俊三さんに言わせればこの部分こそ…ダンマスに人間や勇者が勝てるという部分らしい。モンスター側は思考が進化しない。その為に進化した人間側にいずれ負ける。この話に似た話をドルカスもしていた。ダンマスは今は無敵だが文明の進化が進めばいずれ負ける。ダンマスが必死になっても負ける日が来る。文明だけではない。新しい手法の開発次第では…勇者に簡単に今の状態からでも圧勝されかねないバランスの上に私たちが立っているのだ。
「対策は考えているのか?」
「現在基礎データの収集を命じられています。そのいずれで引っかかろうが、基礎データの収集だけは人海戦術でのみ達成されうると。リストはもうダンジョンに登録されて今までのモンスターの分は全部飼育しております。」
流石というか…学者だな。でも、いずれ負けうる…負けると分かっている…か。抵抗はするが…難して、頭が混乱する内容だな。
「お久しぶりです。」
但し本人は行商人として首都に向かい情報収集を頼んでいるので、助手のエルフ青年の
「そう言えば名前は?」
「私はアルパと申します。」
「・・・今回の件は聞いているか?』
「一応魔王バトル用のですよね。」
「そこで使うモンスターの厳選に入りたい、今回は勇者が相手だ。それなりに強く、そして卑怯に見える癖のあるモンスターを使いたい。」
「そんなものはありますか?マスターに連絡後に。」
「それは構わない。その間に私はめったにここに来れないから、研究がどうなっているのか確認させてほしい。」
俊三さんはここに来る前は生物学者だ。が当然大学の研究室にいた学者で”研究方法”を熟知しているスペシャリストだ。モンスターの進化の検証のためにこっちから予算を貰ってまずやったのが”サブダンジョン研究所の建築”だ。というのもこの世界のモンスターの生態まで考えると一体のモンスターでさえ相当広い研究エリアが欲しくて庁が付くほど広大なダンジョン面積でさえ足りない恐れがあったそうで、
その為にサブダンジョンを最大面積まで買ってモンスターを生産しまくった。レベリングは魔素の付与のみで行いそれ以上の検証は”すべての研究が終わった後”でやるとしてまずは通常進化の検証から行った。そして研究所の多くは大森林奥地に建設した。誰にも見つからない…死の森奥地だ。
「そんな事になっていたのか?」
「環境構築などを行い、その観察一種類ごとにダミーコアを作成して観察させていますが、ここでよく愚痴を言っていました。スキルでも学術的”興味”までは作れない。と。」
「ん?」
そう言えば思い当たる節はある。それは建築学をシルキー達に生産時に付与する形で与えたが…その後に”建築”を積極的にする様子はなかった。むしろ本分のメイドや仕事や恋愛を好み建築関連に進んだシルキーはいなかった。
「そう言えば、それをスポナーで書いてスカウトすればいいのでは?」
「それが、三つほど障害がありまして困難を極めています。」
どうも三つの困難…なんだが、この挙動はおかしい事になってきた。まず俊三さんのダンジョン限定で”エルフ”のスポナーの作成ができなくなっていた。また、ダンジョンでも作成禁止になっていた。いつの間にかなっていたらしくて、どうもルール改変に引っかかったらしい。今回の件で旅行を決めたのはこれが理由らしい。スポナー作成のルールが分からない。そこでその手掛かりがギルドの図書館
にあるかもしれない。という事だ。
そして、たとえそれでスポナーを作る事が出来ても次にスポナーで性格を変えて”探求心溢れる”学者エルフを作ったとして、それが”新しい”ことに目がいかないのだという。興味を引いて自分で動く事はしないらしい。で、なんでこれが困難かというと例えばデータが揃ったとしてもその違和感や特徴、法則性に”気が付かない”とそれに体系づけたデータをまとめることができないという。単純に言うと
論文が書ける存在は知力やスキルを上げただけではできなかったらしい。となると、データをそろえさせても意味はない。
三つめは二つ目に絡むのだが…気が付けないという事はデータを精査できる人間が欲しくてそうなると”データを検証できる知的な人間”をそろえる必要がある。しかも人間はそれぞれ思考の方向性も違うためにこのデータを公開する必要がある。がそんな人間がこの今の世界には落ちているわけがない。どうも俊三さんに言わせればこの部分こそ…ダンマスに人間や勇者が勝てるという部分らしい。モンスター側は思考が進化しない。その為に進化した人間側にいずれ負ける。この話に似た話をドルカスもしていた。ダンマスは今は無敵だが文明の進化が進めばいずれ負ける。ダンマスが必死になっても負ける日が来る。文明だけではない。新しい手法の開発次第では…勇者に簡単に今の状態からでも圧勝されかねないバランスの上に私たちが立っているのだ。
「対策は考えているのか?」
「現在基礎データの収集を命じられています。そのいずれで引っかかろうが、基礎データの収集だけは人海戦術でのみ達成されうると。リストはもうダンジョンに登録されて今までのモンスターの分は全部飼育しております。」
流石というか…学者だな。でも、いずれ負けうる…負けると分かっている…か。抵抗はするが…難して、頭が混乱する内容だな。
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