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第23章 それでもやっぱり領地開発したい

第1102話 それでも私は旅立つ(逃げる)

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とりあえずここの事は後は任せて明日帰還する事になった。視察も終わった。こっちの具合もまあ…よしとする。断りは入れておいた。店に戻ると、商会長とエルドア氏と島原さんがいた。
「…私がこっちを受けて。…でこの子だけここで働かせてほしい。」
 シルキーが付いた子供一人を島原さんが、頭をなでる。
「私の方は商会長から家を一軒紹介してもらう。紹介されてから王城に向かう。感謝だ。」
 …私がここから一度逃げたことは言われなかった。元々のこの世界は旅に簡単に出るだけで、数週間は簡単に経過する。なお仕入れに向かうザガートン行きだと往復で3か月は余裕で掛る為にこの辺は追及されなかった。
「出来れば…。」
「私の商会の支店が、この黄金街道に…分かっているだけで4件以上ある。リラシルトにもな。そこにもいかないといけない関係上、ここだけにいるわけにいかない。そこは我慢して欲しい。」
「貿易キャラバンですか…。そうなると。すいませんでした。」
 言っている意味が理解できたようだ。商人の格的な問題でキャラバンを率いる商人は基本、国を超える場合が多い。だからこそ、国の評議員程度の地位では…とどまらせることも抱え込むことさえ難しいのだ。まあ、諦めて念の為だろう。
「分かってくれればいい、もう出立する。向こうに小隊を待たせているからな。」
 そのまま簡単な挨拶をして…こんなにタイトなスケジュールじゃなければじっくり話したものの。高印象さえ植え付けておけばいい。ジャン程の…重要人物ではないからな。
 私は一応行商人なので、本当ならダンジョンから帰りたい。が、今のままだと…相手にばれる。途中で消える位置次第では…偽物になりかねないからだ。この世界は暇なうえに情報一つで凶悪にマウントがれる。その観点ですっごい噂話が広がりやすい。情報をたくさん持ってくる奴はそれこそ…有能になれる。そして、私が途中で消えた”偽物”扱いになれば店の存続さえ危うい。その為に…わざと半日程度ゴーレム車で移動しないと不味い。念のためにミヨちゃんと合流し、そこにダンジョンを設置してもらい、接続をしてもらってこっちは本拠地に変える予定だ。半日なら…
・・・・。
「やはり…そう来たか。」
 妙にしっつこい商会長のセリフ。そして私一人しかいない商売や向け宿屋。おかしい事が多すぎた。ふつうこの”収穫直後の食糧市”は儲けの原資たる食料が売っているはずだ。その為にいくら最貧国でも商人の一人や二人はいるはずだ。それなのに…宿屋で0人…ではなく大方…誰かが手を回したんだ。大体…シードルが宿屋の名物なら…当然その仕入れ先を”他の商人”が独占できればうまい商売だ。しかも鉄器の輸入ルートが分かれば…今の国境の国が独占している”密輸鉄器”の市場の崩壊を阻止できる。私がいる事は南の川向かいの家にとっては邪魔化、新ルート開拓か二つに一つだ。
 …どうも後ろから追跡する人の気配がする。胸騒ぎがするので、体から分裂で狼を一体取り出し…戦闘能力を付与させて、後続の護衛兼監視で追走してもらう事にした。そうした所…手勢50名の商人一派を確認したという。商会長のおっさんは浮かない顔をしていたが。
「どうするか・・・。」
 よく主人公とか異世界物の定番ならここで返り討ちだ。とか言う。がそう言うのは好きじゃない。というより後々が怖い。大抵こういうのは…商人本人がいないで、手勢で行う。がそれが全滅した場合当然この情報を…上に売る。そして、大抵からめ手で国からは商会が出て行かざる負えないとなりうるからだ。そうなるとこれか…。分裂した自分の分身にある命令を送った。
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