1,101 / 1,270
第23章 それでもやっぱり領地開発したい
第1093話 平和でも馬車旅はきつい
しおりを挟む
そのまましばらく…私は店の前の馬車で待っていることになった。分かる、込み入ってるのがだ。まさかこんなアプローチで来ると思わなかったんだろう、2階の窓(ガラスはないので開け放ってある)からこっちを睨むのが見えた。がちらっと見た後にそのまま無視した。私としてもダンジョンの設計など時間もないあと2週間。…そんなに時間が無いんだ。急がないと。
「すいません。しばらくお時間いただけますか?」
エルドア氏が一回に降りてきた。少年たちも考えているようだ。
「秋口ですので…できればすぐに首都に帰り…買い付けをしないと今後が間に合わないでしょう。」
秋の収穫の季節は商売的には忙しい、各地の秋野菜の仕入れ…この地方だと果物系と山菜があるそうだがその仕入れが絡む。
「分かっています。」
領主にとって忙しいのが実は秋だ。秋に各村を回り税収の為の農作物の徴収を行う。ここは地味に通行料で賄っているので、市民の税金が低い。そう言う箇所では村々を回っていらない農作物を商人が買うのだ。特にここは街道沿いの商人の補給などで食料の需要が高い。まあ、いずれは交通のスピード次第では廃れる街だが今はそうではないし、そんな未来の話をしても意味はない。
「分かりました。明日まで待ちましょう。それが限界です。」
私は馬車を…これからの宿屋に向けた。…その時にエルドア氏を私は見なかった。決断は当事者同士でしてほしい。しかも代理(分裂体)を建てる予定とはいえその辺に絡ませたくないのだ。後は…待つだけだ。といっても普通の旅人は、こんなに早くは出ない、基本宿屋も”一週間”がベースとなる。というのもいくら馬車でもお尻が痛くて一日では…乗員が動けなくなることも多く、いくらモンスターが
世界にいないとはいえ…そうだったとしても一日二日では動けない。なお私は…一人なので当然動けない。なのでこの日程で帰るというのはかなりの速足で引き上げたことになる。とはいえ…悩む。色々な。こういう恋沙汰は私は苦手だ。恋愛の薄い人生…妻がいたけど恋愛上手とは…思ったことが無いな。
次の日、宿屋で待っているとエルドア氏がやってきた。しかも昼頃だ。
「まことに…身勝手で悪いのですが…私の付き添いとしてあの女性と子供を一緒に連れて行きたい。いいかな?」
「…構わない。ただし、君が彼女を保証する事。いいかな?」
これはフェルミィの記憶によるものだ。時々あるんだ。一緒に連れて行くのに途中で逃げる奴。そういう時に限って物を持ち逃げする。本当は仕入れの意味でもしたくもないんだが旅はせざる負えない。
「分かりました。」
その顔は厳しい。わかる。
「でも旅に彼女が耐えられるのか?」
「…耐えると言ってくれました。そしてついて来てくれると。」
その目は真剣だ。
「分かった。了承した。色々手伝ってもらうからな。」
こうして、私が望まぬ遅延旅が始まることになった。
「すいません。しばらくお時間いただけますか?」
エルドア氏が一回に降りてきた。少年たちも考えているようだ。
「秋口ですので…できればすぐに首都に帰り…買い付けをしないと今後が間に合わないでしょう。」
秋の収穫の季節は商売的には忙しい、各地の秋野菜の仕入れ…この地方だと果物系と山菜があるそうだがその仕入れが絡む。
「分かっています。」
領主にとって忙しいのが実は秋だ。秋に各村を回り税収の為の農作物の徴収を行う。ここは地味に通行料で賄っているので、市民の税金が低い。そう言う箇所では村々を回っていらない農作物を商人が買うのだ。特にここは街道沿いの商人の補給などで食料の需要が高い。まあ、いずれは交通のスピード次第では廃れる街だが今はそうではないし、そんな未来の話をしても意味はない。
「分かりました。明日まで待ちましょう。それが限界です。」
私は馬車を…これからの宿屋に向けた。…その時にエルドア氏を私は見なかった。決断は当事者同士でしてほしい。しかも代理(分裂体)を建てる予定とはいえその辺に絡ませたくないのだ。後は…待つだけだ。といっても普通の旅人は、こんなに早くは出ない、基本宿屋も”一週間”がベースとなる。というのもいくら馬車でもお尻が痛くて一日では…乗員が動けなくなることも多く、いくらモンスターが
世界にいないとはいえ…そうだったとしても一日二日では動けない。なお私は…一人なので当然動けない。なのでこの日程で帰るというのはかなりの速足で引き上げたことになる。とはいえ…悩む。色々な。こういう恋沙汰は私は苦手だ。恋愛の薄い人生…妻がいたけど恋愛上手とは…思ったことが無いな。
次の日、宿屋で待っているとエルドア氏がやってきた。しかも昼頃だ。
「まことに…身勝手で悪いのですが…私の付き添いとしてあの女性と子供を一緒に連れて行きたい。いいかな?」
「…構わない。ただし、君が彼女を保証する事。いいかな?」
これはフェルミィの記憶によるものだ。時々あるんだ。一緒に連れて行くのに途中で逃げる奴。そういう時に限って物を持ち逃げする。本当は仕入れの意味でもしたくもないんだが旅はせざる負えない。
「分かりました。」
その顔は厳しい。わかる。
「でも旅に彼女が耐えられるのか?」
「…耐えると言ってくれました。そしてついて来てくれると。」
その目は真剣だ。
「分かった。了承した。色々手伝ってもらうからな。」
こうして、私が望まぬ遅延旅が始まることになった。
0
お気に入りに追加
45
あなたにおすすめの小説
ユーヤのお気楽異世界転移
暇野無学
ファンタジー
死因は神様の当て逃げです! 地震による事故で死亡したのだが、原因は神社の扁額が当たっての即死。問題の神様は気まずさから俺を輪廻の輪から外し、異世界の神に俺をゆだねた。異世界への移住を渋る俺に、神様特典付きで異世界へ招待されたが・・・ この神様が超適当な健忘症タイプときた。
のほほん異世界暮らし
みなと劉
ファンタジー
異世界に転生するなんて、夢の中の話だと思っていた。
それが、目を覚ましたら見知らぬ森の中、しかも手元にはなぜかしっかりとした地図と、ちょっとした冒険に必要な道具が揃っていたのだ。
あなたがそう望んだから
まる
ファンタジー
「ちょっとアンタ!アンタよ!!アデライス・オールテア!」
思わず不快さに顔が歪みそうになり、慌てて扇で顔を隠す。
確か彼女は…最近編入してきたという男爵家の庶子の娘だったかしら。
喚き散らす娘が望んだのでその通りにしてあげましたわ。
○○○○○○○○○○
誤字脱字ご容赦下さい。もし電波な転生者に貴族の令嬢が絡まれたら。攻略対象と思われてる男性もガッチリ貴族思考だったらと考えて書いてみました。ゆっくりペースになりそうですがよろしければ是非。
閲覧、しおり、お気に入りの登録ありがとうございました(*´ω`*)
何となくねっとりじわじわな感じになっていたらいいのにと思ったのですがどうなんでしょうね?
絶対に間違えないから
mahiro
恋愛
あれは事故だった。
けれど、その場には彼女と仲の悪かった私がおり、日頃の行いの悪さのせいで彼女を階段から突き落とした犯人は私だと誰もが思ったーーー私の初恋であった貴方さえも。
だから、貴方は彼女を失うことになった私を許さず、私を死へ追いやった………はずだった。
何故か私はあのときの記憶を持ったまま6歳の頃の私に戻ってきたのだ。
どうして戻ってこれたのか分からないが、このチャンスを逃すわけにはいかない。
私はもう彼らとは出会わず、日頃の行いの悪さを見直し、平穏な生活を目指す!そう決めたはずなのに...……。
称号は神を土下座させた男。
春志乃
ファンタジー
「真尋くん! その人、そんなんだけど一応神様だよ! 偉い人なんだよ!」
「知るか。俺は常識を持ち合わせないクズにかける慈悲を持ち合わせてない。それにどうやら俺は死んだらしいのだから、刑務所も警察も法も無い。今ここでこいつを殺そうが生かそうが俺の自由だ。あいつが居ないなら地獄に落ちても同じだ。なあ、そうだろう? ティーンクトゥス」
「す、す、す、す、す、すみませんでしたあぁあああああああ!」
これは、馬鹿だけど憎み切れない神様ティーンクトゥスの為に剣と魔法、そして魔獣たちの息づくアーテル王国でチートが過ぎる男子高校生・水無月真尋が無自覚チートの親友・鈴木一路と共に神様の為と言いながら好き勝手に生きていく物語。
主人公は一途に幼馴染(女性)を想い続けます。話はゆっくり進んでいきます。
※教会、神父、などが出てきますが実在するものとは一切関係ありません。
※対応できない可能性がありますので、誤字脱字報告は不要です。
※無断転載は厳に禁じます
かつて最弱だった魔獣4匹は、最強の頂きまで上り詰めたので同窓会をするようです。
カモミール
ファンタジー
「最強になったらまた会おう」
かつて親友だったスライム、蜘蛛、鳥、ドラゴン、
4匹は最弱ランクのモンスターは、
強さを求めて別々に旅に出る。
そして13年後、
最強になり、魔獣四王と恐れられるようになった彼女ら
は再び集う。
しかし、それは世界中の人々にとって脅威だった。
世間は4匹が好き勝手楽しむ度に
世界の危機と勘違いをしてしまうようで・・・?
*不定期更新です。
*スピンオフ(完結済み)
ヴァイロン家の少女が探す夢の続き~名家から追放された天才女騎士が最強の冒険者を目指すまでの物語~
掲載中です。
『異世界庭付き一戸建て』を相続した仲良し兄妹は今までの不幸にサヨナラしてスローライフを満喫できる、はず?
釈 余白(しやく)
ファンタジー
HOT 1位!ファンタジー 3位! ありがとうございます!
父親が不慮の事故で死亡したことで最後の肉親を失い残された高校生の小村雷人(こむら らいと)と小学生の真琴(まこと)の兄妹が聞かされたのは、父が家を担保に金を借りていたという絶望の事実だった。慣れ親しんだ自宅から早々の退去が必要となった二人は家の中で金目の物を探す。
その結果見つかったのは、僅かな現金に空の預金通帳といくつかの宝飾品、そして家の権利書と見知らぬ文字で書かれた書類くらいだった。謎の書類には祖父のサインが記されていたが内容は読めず、頼みの綱は挟まれていた弁護士の名刺だけだ。
最後の希望とも言える名刺の電話番号へ連絡した二人は、やってきた弁護士から契約書の内容を聞かされ唖然とする。それは祖父が遺産として残した『異世界トラス』にある土地と建物を孫へ渡すというものだった。もちろん現地へ行かなければ遺産は受け取れないが。兄妹には他に頼れるものがなく、思い切って異世界へと赴き新生活をスタートさせるのだった。
その他、多数投稿しています!
https://www.alphapolis.co.jp/author/detail/398438394
転生調理令嬢は諦めることを知らない
eggy
ファンタジー
リュシドール子爵の長女オリアーヌは七歳のとき事故で両親を失い、自分は片足が不自由になった。
それでも残された生まれたばかりの弟ランベールを、一人で立派に育てよう、と決心する。
子爵家跡継ぎのランベールが成人するまで、親戚から暫定爵位継承の夫婦を領地領主邸に迎えることになった。
最初愛想のよかった夫婦は、次第に家乗っ取りに向けた行動を始める。
八歳でオリアーヌは、『調理』の加護を得る。食材に限り刃物なしで切断ができる。細かい調味料などを離れたところに瞬間移動させられる。その他、調理の腕が向上する能力だ。
それを「貴族に相応しくない」と断じて、子爵はオリアーヌを厨房で働かせることにした。
また夫婦は、自分の息子をランベールと入れ替える画策を始めた。
オリアーヌが十三歳になったとき、子爵は隣領の伯爵に加護の実験台としてランベールを売り渡してしまう。
同時にオリアーヌを子爵家から追放する、と宣言した。
それを機に、オリアーヌは弟を取り戻す旅に出る。まず最初に、隣町まで少なくとも二日以上かかる危険な魔獣の出る街道を、杖つきの徒歩で、武器も護衛もなしに、不眠で、歩ききらなければならない。
弟を取り戻すまで絶対諦めない、ド根性令嬢の冒険が始まる。
主人公が酷く虐げられる描写が苦手な方は、回避をお薦めします。そういう意味もあって、R15指定をしています。
追放令嬢ものに分類されるのでしょうが、追放後の展開はあまり類を見ないものになっていると思います。
2章立てになりますが、1章終盤から2章にかけては、「令嬢」のイメージがぶち壊されるかもしれません。不快に思われる方にはご容赦いただければと存じます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる