魔界建築家 井原 ”はじまお外伝”

どたぬき

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第23章 それでもやっぱり領地開発したい

第1086話 いくら売れる商品でも売り方次第で腐る時がある。

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 で、その間に偵察部隊が見つけたのはこの国の北側の第3の都市国境沿いの町”モンマキーア“で謎の甘味を売る女がいるという噂だった。そこにいたのは”甘味処”という店を開いていた鑑定した感じ女性の転生者…ではなく転移者らしき女性だった。で、経歴調査をしたところ。どうもかなり複雑な感じだった。この人元はモートリアで召喚された勇者語一行だった。が国境配置され…それが運がいいのか悪いのか全員戦闘意欲のない6人だった。その為、モートリアから嫌われ、保存されていた。だが南の革命によりモートリアが消滅。普通の冒険者…いや甘味処”勇者亭”を開くに至る。まあ戦闘したくない勇者たちだった。がここで問題が起きる。それが…モートリアに捨てられた…及び召喚された勇者の数が多く、勇者同士の商売の過当競争に巻き込まれていて儲けが出なかった。生活さえ苦しいと判断した一行は武闘会の際にザガートン国に渡る。が、ここも商売をするには問題の多い地で…悲しいかなザガートンの土地は荒野でしかも郊外に行っても甘味が無くというより勇者大陸も甘味はほぼなかった。その為、女性が多かったこのチームでは…ギルドの販売する高い甘味で、一気に散財してしまった。で、ここからが…後の5人のゲスい所でなんと、一行のうち…役立たずだと思われた一人を奴隷として売ってしまったのだ。ついでにあとの5人は報告によると大魔王ミーア戦に参加して昇天した模様。だが、奴隷になって売られた方は問題が起きた。高すぎて売れない。勇者の一人であり、大破壊できるかもしれないが商売から逃げたりと難民みたいな
活動しかしていない彼女は…言っては悪いが期待される能力もなく単に赤ちゃんより弱い一般人というだけで、ほぼ病人扱いとなった。強さが第一のザガートン国では当然買う人間はいない。で皮肉にも草原諸国に密入国させられ…向こうで娼婦として売られてしまった。が、ここまでがギルドで追えた内容だ。
 で、偵察部隊が店員にシルキーを支配憑依させのっとって情報を収集して分かったのが彼女のスキルは”通販”と”甘言”だったらしい。問題は甘言の方。甘い言葉という奴で言葉が耳障り良くなるのだが彼女自体が一人が大好き、ネット小説大好き、BL大好き。という性格だったらしく。変にしゃべれば人が寄ってくるという環境が嫌いで口を閉ざしてしまい…今でも対人恐怖症を患う始末。で娼婦となった時に男をかどわかしてその男性に自分を買わせたらしい。それがどうも、モンマキーアの町の領主の4男だったらしく、そのままモンマキーアの町にお持ち帰りされて。んで、彼女の甘言に引っかかった4男が彼女の為に空き家を提供したらしい。ついでに店員は定番の孤児からだ。んでもう一つのスキルである通販で甘味を取り寄せるものの金額があまりに高くてどうも砂糖一袋(1㎏)で金貨10枚らしい。そうなると砂糖だけ出して…甘味処で甘く煮た豆とかを出して甘納豆を販売して、ぎりぎりの生活をしているらしい。これはギルド報告案件だと思うのだが彼女の対人恐怖症の為に…顔見知り意外とは一切話さない。で、しかも豆とかの料理は孤児任せ。これはだめですわ。
 で、その為に手を出したらいいのかずっと悩んでいた。しかも砂糖とかの甘味は高いんだ。向こうの売値も。買値も。そうなると当然買うのは…貴族とか大商人くらいでほぼ売れないらしい。だけど、そのギリギリまで下げた値段で甘納豆を作っているからこれ以上値段は下げれない。というわけだ。ただ、ギリギリ生きてる甘味屋。これがまた問題が出てきたのは…周囲の人間関係だ。普通の転生物と違い交流さえ薄い周辺住民からすれば甘みとか言う謎の貴族の買う食事を専門に売る商店なわけで…盗賊や盗人が結構出たらしい。シルキーさんが頑張って叩き落しているが、限界もあり、報告してもらっんだけど、状況は最悪らしい。彼女自体は引きこもりで砂糖だけを店に置いて帰る始末。ギリギリお給金は出ていて、二人で彼女・・・”島原瑤子(しまばらようこ)”を案じて食べ物を買ってくるものの途方に暮れているらしい。まあ、その4男には普通に会話するのでいいんだけど二人には理解できない事を言う事もあり、普段の瑤子さんはとても二人には怖いらしい。いや、正確には憑依した後ならわかる。
「ぐフフフフ、ショタっ子、ショタっ子。見てるだけで、ふふふふ。」
 とか言っていたらしい。いや怖えよ。そっちかよ!というのが報告だった。で、こっちに来た理由も放置も寝覚めが悪く、且つ今後破綻が見えている案件なわけだ。ただしスキル自体は二つともかなり強い。甘言は説得でよっぽどへましない限り洗脳系みたいなスキルらしいし、通販は対価さえあれば詳細は確認していないが高級品も取り寄せられる。娼婦のままでなくてよかったな。が…今後盗賊が多くなればいつか…。というわけだ。しかもそれを領主の4男も知らないと来てる。
「というわけです。こちらも物資を送って支援はしていますが限界はあります。」
「フーム。確かに問題だな。限界に近いな。周りの評判が悪いから、周りの人による防御が効かない上にこの国は結構貧困国だ。甘味の値段がばれたら盗賊程度では済まないぞ。」
 いくつも手を考えるがどうしようもないぞこれ。まず問題は、彼女自体を物理的に抱えないといけないのと、変にコネがあるせいで逃げることができない点。逃げたら最後捜索隊が出るが、彼女に領主の家に嫁ぐとか考えるかが不明な点。そして何より領主の4男とかいう…追放されそうというか立場が分からん男がいる点だ。変に首がつながってるのが逆につらい。
「ふむ、まずは周囲の偵察から行こう。現在の状態が知りたい。」
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