魔界建築家 井原 ”はじまお外伝”

第２３章 それでもやっぱり領地開発したい

第１０８５話 視察は客の観察から始まる。

　まあ、ついでにパルミダークダンジョンは魔王バトルの後でもなんとかなるとの話でその時に組み立てることになった。本当はこっちを鑑定したいだけだろうなと思った。まあ、疑われるのは別だがあの雑貨店…名前が浮遊島と一緒なので、大方大事な施設だが…よく考えられた施設でもある。決して目立たない外装。そして…そこにいる主要凶悪戦力。しかも狭い。すべての要素を絡ませているな。まあ…そう言う物だろう。ただ後の要件は…パルマキア公国の状況を確認後にすることにして、ダンジョンのゲートを用いてパルマキアの支店に向かう。ついでにパルマキア支店はシルキーたちが店の管理を行う標準支店でもある。そしてわざとトイレ
みたいな外見で…出入口を外側に設置してある。どこにでも転移できるのだがあえてこの形にしてある。これはどの支店でも一緒だ。これは店の状況を外から俯瞰するための物で幻覚を掛けて体を覆い光学迷彩化して店の視察を行う。と言っても店の店員の態度ではない。客側の様子だ。この世界には統計とか映像とかそう言う…お客を客観的に統計学的にデータを取る方法はない。そう言う観点でもこういう視察は定期的にはしい。私も経営学だけはスキル化していないほどには…未熟だからこそこの辺は徹底している。まあ素人ではあるが…客の様子も…前に聞いたよりは落ち着いている。ただ、時間帯が…リンシュメルトでは夕方でもこっちでは朝だったので、かなりの時間差がどっちかにあると判断している。まあ、時差までは理解できるんだが、その測定法がね。さて、客を見ると落ち着いているようだ。しばらく街中を歩いてみると、見た目は平穏に見える。早々喧騒もないが、兵士の数もちらほら見える。という事は治安は回復したらしい。という事か…。

　一時間ほど見回った後に店を訪れると客もなく一息ついた位感じだったので、そのまま入る。
「どうだ？」
「マスター！」
　流石に２名のシルキーたちは立ち上がり、礼をする。
「すまないが、店長は奥に言ってくれ。私もそっちに向かう。」
「はい。」
　そう言い…。
「なんか埃っぽいな。」
「この辺も結構荒れまして、一時的に。報告書は上げていますが？」
「いや、それは見た。その上で現地での肌感を聞きに来たんだ。こういうのだけは対面でないと分からないし、君たちに苦労もかけているからね。」
「いえ、いいえ。私達は。その。」
「まずは報告して欲しい。補充物資含め後、交代要員も考えている。」
「は、はい！」
　ここは２名のシルキーが踏ん張って店を切り盛りしており、実はもう３０レベルになっていたりするエースだ。ただしシルキーが必要はレシピは数が少なくその為ランクアップというつぶしが効きづらい。それが欠点でもある。まあ霊系という事になれば多いのだけどな。そうなると戦闘要員となる、そうでない場合領域守護という能力が生きる事例を探すのがね。まあ、リビングメイルがいいんだろうが。で、報告によるとこちらが干渉しないと宣言すると王国側は結構嫌がらせをするようになったらしい。例えば技とこっちの店の前に衛兵置いて追い払うとかだ。ただ、この辺にはないシードル酒、場合によっては高級酒パルミダークのブランデーを並べるようになると市民からの反発の方が大きくなり、極めて支持率が低く、王城にある意味軟禁された王墓…現在はあの時の王子が王で、その母親だから王母だったがその彼女は嫌がらせを断念した。こっちとしては検索スキルを信託と思い込み、いらぬ藪蛇突きまくる王族なんて寄りたくない。だからこそわざと放置した。まあ、一応この国には指導者がころころ変わり過ぎると諸王会議で変に国に嫌な条約など踏まされそうという事があっていくらクーデターが起きようと今の自治が合議制になったとはいえ王城は残り、兵士たちは基本評議会の部下となった今も王様は形だけでも残り、外務大臣みたいな役割となった。という事らしい。