1,068 / 1,247
第22章 勇者大下の冒険
第1060話 エナリシアの旅 資金
しおりを挟む
「そして…もう一つの投資は文字通りお金じゃ。悲しいかな、この世界には…あらゆる限界があるのじゃ。」
「…それは即物過ぎませんか?」
「そう思うがのぉ、この二つの件、どっちが使いたいか…見せるのじゃ。」
ドランが掌の亜空間から2本の剣を取り出す。一つは銀の剣、そして…もう一本は金の剣だ。
「これは?」
「わしが知っておる…最大級の…名剣じゃ。魔法用の杖のレシピもあるがのぉ、欠点が多くて悩んでるのじゃ。」
メイロードが手に持ってみると、二つとも全然違う…金も銀もそうでないように見える。
「これは?なんでござるか?」
「見た事無い剣ですわ。」
二つのお柾は露骨に違い、銀の剣はあまりに軽く、そして金の剣は本来の金より…硬いのだ。
「一つは儂が知っておる…最大の金属・・・チタン超合金製の剣じゃ。只形をとらせるには非常に多くの魔力が必要でのぉ。これは軽いが、今市販されておるドワーフの剣である、鋼鉄より軽く、そして固いんじゃ。だけどの。大方殺傷力などを言えば…これはドワーフの剣には勝てないんじゃ。」
「…重さでござるな。重さがないから、切れ味だけだと…。」
「そうじゃ、そうなるとこいつを、鋭くする職人がおらん限り…こいつは武器にならん。」
「こういうふうに、原石がいくらよかろうが、職人、果てはいろんな土台がない場合…それは無駄になるのじゃ。」
「…。」
「それは…。」
「確かにそうだけど。」
「それは今のお主たちの状態の事を言っておる。お主らに…いったいいくらかけたのじゃ?」
その言葉に弾けるように顔を上げた。
「エナリシア、おぬしはどうじゃ?」
「私は、私自身ではないですが…すこし。投資額聞いてみますね。・・・。」
「うむ、おぬしらも自分にどれだけ投資したんじゃ、考えてみぃ。只言っておくのじゃ。」
「何でござる?」
「…備えは常に裏切らないのじゃ。努力と投資は変わらないのじゃ。特にスキルという、自身の能力を上げるシステムに金額を出して…強化ができる世界じゃ。当然それは視野に入れねばいけないのじゃ。」
「投資・・・ですか。自分の装備とかにお金をかける…ですか。」
「そうじゃ。儂もわかっておる限り、儂に金貨にして・・・・500万以上は掛けておる。そこまでの稼ぐロジックや…チャンスも欲しいのじゃ。だけど…それは今の現状まで金を掛けてそして…それを生かすのじゃ。」
「神は言っています。…死んだらスキルは意味がないのでは?」
「武器も劣化すれば意味がないのじゃ。それは備えるものすべてがそうなのじゃ。そこで、欲しいのが…知識への投資じゃな。これだけは呆けん限りは失われにくい…財産なのじゃ。勇者含む異世界人の多くはここで下駄を履いておると…わしは見ておる。」
その言葉に、大下も田中も何かに気が付いたようだ。
「簡単な計算と言語、そして…科学的知識。なんで物を投げれば落ちるのか。とか、様々な事が分かる、」
「え?理由があるんですの?物を投げて落ちるのに?」
メイロード達はそこに首をかしげていた。
「そう言う意味では、勇者は恵まれておるんじゃ。どこに投資すれば…勝てるか分かる知識はあるんじゃ。分かるかの?」
「投資・・・でござるか…?」
ドランがメイロードが持ってた剣をしまうと、出入り口の方を見つめる。
「来た様じゃの。お姉様がな。」
「そう言わないでよ、結構騒ぎになったのよ。今回。」
「師匠!」
大下たちが見た先にいたのは、チャイナドレスの女性である…リューネの姿だった。
「…それは即物過ぎませんか?」
「そう思うがのぉ、この二つの件、どっちが使いたいか…見せるのじゃ。」
ドランが掌の亜空間から2本の剣を取り出す。一つは銀の剣、そして…もう一本は金の剣だ。
「これは?」
「わしが知っておる…最大級の…名剣じゃ。魔法用の杖のレシピもあるがのぉ、欠点が多くて悩んでるのじゃ。」
メイロードが手に持ってみると、二つとも全然違う…金も銀もそうでないように見える。
「これは?なんでござるか?」
「見た事無い剣ですわ。」
二つのお柾は露骨に違い、銀の剣はあまりに軽く、そして金の剣は本来の金より…硬いのだ。
「一つは儂が知っておる…最大の金属・・・チタン超合金製の剣じゃ。只形をとらせるには非常に多くの魔力が必要でのぉ。これは軽いが、今市販されておるドワーフの剣である、鋼鉄より軽く、そして固いんじゃ。だけどの。大方殺傷力などを言えば…これはドワーフの剣には勝てないんじゃ。」
「…重さでござるな。重さがないから、切れ味だけだと…。」
「そうじゃ、そうなるとこいつを、鋭くする職人がおらん限り…こいつは武器にならん。」
「こういうふうに、原石がいくらよかろうが、職人、果てはいろんな土台がない場合…それは無駄になるのじゃ。」
「…。」
「それは…。」
「確かにそうだけど。」
「それは今のお主たちの状態の事を言っておる。お主らに…いったいいくらかけたのじゃ?」
その言葉に弾けるように顔を上げた。
「エナリシア、おぬしはどうじゃ?」
「私は、私自身ではないですが…すこし。投資額聞いてみますね。・・・。」
「うむ、おぬしらも自分にどれだけ投資したんじゃ、考えてみぃ。只言っておくのじゃ。」
「何でござる?」
「…備えは常に裏切らないのじゃ。努力と投資は変わらないのじゃ。特にスキルという、自身の能力を上げるシステムに金額を出して…強化ができる世界じゃ。当然それは視野に入れねばいけないのじゃ。」
「投資・・・ですか。自分の装備とかにお金をかける…ですか。」
「そうじゃ。儂もわかっておる限り、儂に金貨にして・・・・500万以上は掛けておる。そこまでの稼ぐロジックや…チャンスも欲しいのじゃ。だけど…それは今の現状まで金を掛けてそして…それを生かすのじゃ。」
「神は言っています。…死んだらスキルは意味がないのでは?」
「武器も劣化すれば意味がないのじゃ。それは備えるものすべてがそうなのじゃ。そこで、欲しいのが…知識への投資じゃな。これだけは呆けん限りは失われにくい…財産なのじゃ。勇者含む異世界人の多くはここで下駄を履いておると…わしは見ておる。」
その言葉に、大下も田中も何かに気が付いたようだ。
「簡単な計算と言語、そして…科学的知識。なんで物を投げれば落ちるのか。とか、様々な事が分かる、」
「え?理由があるんですの?物を投げて落ちるのに?」
メイロード達はそこに首をかしげていた。
「そう言う意味では、勇者は恵まれておるんじゃ。どこに投資すれば…勝てるか分かる知識はあるんじゃ。分かるかの?」
「投資・・・でござるか…?」
ドランがメイロードが持ってた剣をしまうと、出入り口の方を見つめる。
「来た様じゃの。お姉様がな。」
「そう言わないでよ、結構騒ぎになったのよ。今回。」
「師匠!」
大下たちが見た先にいたのは、チャイナドレスの女性である…リューネの姿だった。
0
お気に入りに追加
43
あなたにおすすめの小説
初夜に「君を愛するつもりはない」と夫から言われた妻のその後
澤谷弥(さわたに わたる)
ファンタジー
結婚式の日の夜。夫のイアンは妻のケイトに向かって「お前を愛するつもりはない」と言い放つ。
ケイトは知っていた。イアンには他に好きな女性がいるのだ。この結婚は家のため。そうわかっていたはずなのに――。
※短いお話です。
※恋愛要素が薄いのでファンタジーです。おまけ程度です。
娼館で元夫と再会しました
無味無臭(不定期更新)
恋愛
公爵家に嫁いですぐ、寡黙な夫と厳格な義父母との関係に悩みホームシックにもなった私は、ついに耐えきれず離縁状を机に置いて嫁ぎ先から逃げ出した。
しかし実家に帰っても、そこに私の居場所はない。
連れ戻されてしまうと危惧した私は、自らの体を売って生計を立てることにした。
「シーク様…」
どうして貴方がここに?
元夫と娼館で再会してしまうなんて、なんという不運なの!
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
王が気づいたのはあれから十年後
基本二度寝
恋愛
王太子は妃の肩を抱き、反対の手には息子の手を握る。
妃はまだ小さい娘を抱えて、夫に寄り添っていた。
仲睦まじいその王族家族の姿は、国民にも評判がよかった。
側室を取ることもなく、子に恵まれた王家。
王太子は妃を優しく見つめ、妃も王太子を愛しく見つめ返す。
王太子は今日、父から王の座を譲り受けた。
新たな国王の誕生だった。
【完結】捨て去られた王妃は王宮で働く
ここ
ファンタジー
たしかに私は王妃になった。
5歳の頃に婚約が決まり、逃げようがなかった。完全なる政略結婚。
夫である国王陛下は、ハーレムで浮かれている。政務は王妃が行っていいらしい。私は仕事は得意だ。家臣たちが追いつけないほど、理解が早く、正確らしい。家臣たちは、王妃がいないと困るようになった。何とかしなければ…
【完結】20年後の真実
ゴールデンフィッシュメダル
恋愛
公爵令息のマリウスがが婚約者タチアナに婚約破棄を言い渡した。
マリウスは子爵令嬢のゾフィーとの恋に溺れ、婚約者を蔑ろにしていた。
それから20年。
マリウスはゾフィーと結婚し、タチアナは伯爵夫人となっていた。
そして、娘の恋愛を機にマリウスは婚約破棄騒動の真実を知る。
おじさんが昔を思い出しながらもだもだするだけのお話です。
全4話書き上げ済み。
(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」
音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。
本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。
しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。
*6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。
愛していました。待っていました。でもさようなら。
彩柚月
ファンタジー
魔の森を挟んだ先の大きい街に出稼ぎに行った夫。待てども待てども帰らない夫を探しに妻は魔の森に脚を踏み入れた。
やっと辿り着いた先で見たあなたは、幸せそうでした。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる