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第22章 勇者大下の冒険
第1053話 エナリシアの旅 改装後
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大下たちが救助のためにダンジョンに入ると、今までのダンジョンではあるが、モンスターにゴブリンが混ざってはいなかった。いない。いないだが…その異変を最初に感じたのが…メイロードだった。
「なんかおかしくありませんですか?」
「どうしたの?」
「前に比べ、敵の…武器の持ち方がそれなりになっているのです。しかもあそこ弓もってますよね。」
「あ…。」
「バリア!」
ラクリッチェがバリアを張ると、その矢を弾く。弾くのだが…意外と勢いは強かった。
「え?」
「警戒でござる、そのまま探索するでござる。」
「分かりましたわ。」
その言葉に警戒を強め、フォーメーションを組み、パオメイが前に出る。
「これヤバいかもね。前よりも。」
「どういう事ですの?」
「前より、ゴブリンの動きが組織立ってる。まえの時は只皆襲って来ただけじゃん。今回は違う。連中・・・こっちの隙を伺ってるほら、弓を撃ったゴブリンが逃げ出している。」
「あ…。」
見た先の…弓を持ったゴブリンたちが逃げ出していく。
「これ、節の…十字路の警戒上げたほうがいいね。」
「分かりました。」
パオメイも…田中もなんとなく理由は察していた。今までのインスタンスではない…千鳥万花製ゴブリン。戦法に隊列が発生し…武器もまともな物を持っている、この時点で前の棍棒だけオーガより強い、又は致命傷の可能性がある事、そして…何より”逃げる”という行為が危ないと分かった。遠距離部隊が逃げていき、そしてどんどん後列と合流すれば数が増える…。しかも奇襲アリだ。しばらく進むと、足音は聞こえるが…敵は出なかった。
「どういう事ですの?」
「…これ…敵が…集まってる?」
「・・・バリア維持でござる、最悪…階段迄つけばいいでござる。」
大下の言葉にその…意味が分かってきた。大下も危ないという気配を感じていたのだろう。ゆっくりと歩きながら洞窟を進んでいた。
「というか、早く歩けないですの?」
「魔法を維持しつつ歩くのは…まだできないのです、ご無礼を。」
ラクリッチェは冷や汗を垂らしながら歩いていた。魔法を放射する手と魔法の形を維持しつつ歩くのはかなりの精神力を使う。特に扉の大きさがまちまちで、それにバリアが触れると…その時の勢い次第でダメージが入るので、歩くぐらいが限界だ。
「大方…何か動いてる。音とか匂いがそう。」
「やっぱりでござるか…。」
パオメイの言葉に田中と大下が頷く。
「…どうします?一度解除して戦います?」
「こういう時の…ミサイルプロテクションのありがたみが分かるでござる。弓兵が狙ってくると分かればかけてから解除でいいでござる。」
「…私が行きますわ。奥の手ですけど…仕方がないですわ。」
メイロードが腰からある瓶を取り出すとそれを物陰に投げつける。ビンが割れ中身の液体が飛び出す。
「ファイアボール!」
火の矢をそのビンに直撃すると、強烈な火柱を上げる。
「それは?」
「・・・化粧用の椿油ですわ。一応結構燃えるんですの。パオメイ!」
「…ざわめく声が聞こえてくるよ。今ならいい。両サイドにいる!」
その言葉に大下が回り込むとレーザービームで周囲を薙ぎ払う。田中も分裂火の矢で周囲を薙ぎ払い…そこに至ゴブリンたちを焼き払う。
「私が背負ってくから。走っていくよ。」
パオメイがラクリッチェを背負うと、そのまま全員は走った。
「あれで全体とは?」
「…ダンジョン舐めない方がいい。増援がいつか来る。連中が固まる前に倒していかないと、怖い。が本当に広いねここ。」
(これ、前のダンジョンより広い!?しかも節から出てくる敵は弱いけどかなり熟練してる。)
田中に焦りが生まれていた。そう、ここはもう千鳥万花のダンジョンである、そして千鳥万花のダンジョンに入ったのは例の食肉以降…むしろギルドで入ったのは大下たちのチーム以外現存していないのだ。
「なんかおかしくありませんですか?」
「どうしたの?」
「前に比べ、敵の…武器の持ち方がそれなりになっているのです。しかもあそこ弓もってますよね。」
「あ…。」
「バリア!」
ラクリッチェがバリアを張ると、その矢を弾く。弾くのだが…意外と勢いは強かった。
「え?」
「警戒でござる、そのまま探索するでござる。」
「分かりましたわ。」
その言葉に警戒を強め、フォーメーションを組み、パオメイが前に出る。
「これヤバいかもね。前よりも。」
「どういう事ですの?」
「前より、ゴブリンの動きが組織立ってる。まえの時は只皆襲って来ただけじゃん。今回は違う。連中・・・こっちの隙を伺ってるほら、弓を撃ったゴブリンが逃げ出している。」
「あ…。」
見た先の…弓を持ったゴブリンたちが逃げ出していく。
「これ、節の…十字路の警戒上げたほうがいいね。」
「分かりました。」
パオメイも…田中もなんとなく理由は察していた。今までのインスタンスではない…千鳥万花製ゴブリン。戦法に隊列が発生し…武器もまともな物を持っている、この時点で前の棍棒だけオーガより強い、又は致命傷の可能性がある事、そして…何より”逃げる”という行為が危ないと分かった。遠距離部隊が逃げていき、そしてどんどん後列と合流すれば数が増える…。しかも奇襲アリだ。しばらく進むと、足音は聞こえるが…敵は出なかった。
「どういう事ですの?」
「…これ…敵が…集まってる?」
「・・・バリア維持でござる、最悪…階段迄つけばいいでござる。」
大下の言葉にその…意味が分かってきた。大下も危ないという気配を感じていたのだろう。ゆっくりと歩きながら洞窟を進んでいた。
「というか、早く歩けないですの?」
「魔法を維持しつつ歩くのは…まだできないのです、ご無礼を。」
ラクリッチェは冷や汗を垂らしながら歩いていた。魔法を放射する手と魔法の形を維持しつつ歩くのはかなりの精神力を使う。特に扉の大きさがまちまちで、それにバリアが触れると…その時の勢い次第でダメージが入るので、歩くぐらいが限界だ。
「大方…何か動いてる。音とか匂いがそう。」
「やっぱりでござるか…。」
パオメイの言葉に田中と大下が頷く。
「…どうします?一度解除して戦います?」
「こういう時の…ミサイルプロテクションのありがたみが分かるでござる。弓兵が狙ってくると分かればかけてから解除でいいでござる。」
「…私が行きますわ。奥の手ですけど…仕方がないですわ。」
メイロードが腰からある瓶を取り出すとそれを物陰に投げつける。ビンが割れ中身の液体が飛び出す。
「ファイアボール!」
火の矢をそのビンに直撃すると、強烈な火柱を上げる。
「それは?」
「・・・化粧用の椿油ですわ。一応結構燃えるんですの。パオメイ!」
「…ざわめく声が聞こえてくるよ。今ならいい。両サイドにいる!」
その言葉に大下が回り込むとレーザービームで周囲を薙ぎ払う。田中も分裂火の矢で周囲を薙ぎ払い…そこに至ゴブリンたちを焼き払う。
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パオメイがラクリッチェを背負うと、そのまま全員は走った。
「あれで全体とは?」
「…ダンジョン舐めない方がいい。増援がいつか来る。連中が固まる前に倒していかないと、怖い。が本当に広いねここ。」
(これ、前のダンジョンより広い!?しかも節から出てくる敵は弱いけどかなり熟練してる。)
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