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第22章 勇者大下の冒険
第1020話 だから本業は建築家だって
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レポートの精査に追われる中、急に連絡が飛んできた。
『すいません。マスター。イーハ商会に南さんが来て…会談をしたいと。』
「分かった。そっちに向かう。」
急いでダークマターで衣装を組むと私が向かった。こういう大手案件は私に、というよりダンジョンバトルとか無視しての依頼とか珍しいな。
「久しぶりね。」
「どうした、鳥海の方が話しやすいのでは?私はそっちを通してくれた方が話がまとまりやすくていいのだが?」
軽く嫌味も行ってみる。級に来れられると困るんだ。
「まあ、私の端でもあるんだけど…依頼があるの。」
「なんだ?」
「私のダンジョンを改装して欲しいの。どうも…ダンジョンに来る人が減って収益が足りないのよ。」
話としてはこうだ。ダンジョンを開いたものの、ゴブリンと魔石が中心のダンジョンで、魔石の価値が下がるにつれどんどん来る人が減る。儲けも低い。しかも、ナギサのダンジョンに人が取られる。だからこそ…自分のダンジョンも改装して欲しい。
「一応、組織を通さなくても依頼は受けてくれるんでしょ?お願いできる?」
「依頼料はこれだ。一応後、この地域の周辺の視察許可が欲しい。下がったのなら、下がった原因があるはずだ。それを突き止めない限り事態の解決にはならん。」
これは本当だが、建築家の仕事ではない。只公共系ではまず原因を絞らないで、的外れな建築をしていると、建築現場で不満をだらだら言い合う事も多い。
「それなりの値段だけど…分かったわ。」
「じゃあ、ジャンを通して依頼料と契約書を頼む。後、要求は別の紙に書いておいてくれ。多すぎると省くから注意して欲しい。」
「…分かった。」
簡素な感じだが…ダンジョン建築か…色々ありそうだな。その日の夜にワタに依頼して、リンシュメルトの町の冒険者の実態調査とフェルミィに私の姿になってリンシュメルトの4つのダンジョンの視察を依頼した。久々のダンジョン製作依頼にちょっと感動した。
「そう言えばそっちが本業じゃのぉ。」
「ドラン、来ていたのか?」
「儂ものぉ。ダンジョン改装とかしたいのじゃ。」
「そっち向けだと、企画がまとまらんぞ。」
「どういう意味じゃ?」
「まずコンセプトを決めて欲しい。建築家はそれに合わせた削りだしをする職業だ。だからこそ、ダンジョンを作るにはコンセプト、予算、難易度程度が欲しい。これであとはすり合わせるだけだ。」
建築家としてはダンジョンは苦手な部類だ、家の導線最適化とは真逆で、ノウハウもTRPGのGM経験の方が生きている感じだ。
「例えばじゃ、最低予算、最大難易度だと何になるんじゃ?」
「例の竪穴だ。黒川の戦闘でやったあれだよ。問答無用に人間を拒否できる。但しダンジョンの法則的にはあんなもの作ればダンジョンに興味が無くなるか、又は攻略可能な凄い強い勇者が来るだけだ。」
「そう言えばそうじゃのぉ。ダンジョンの法則という話が柳田から出ておったのぉ。最新版じゃ。」
柳田の説明によると、ダンジョンの”勧誘能力”はもろ刃の刃で人間が大量に押し寄せてダンジョンの宝箱やダンジョン最奥を目指したがるようになる。が、ここで絶対無理な壁などを作った場合どうなるか。完全に閉鎖できない…例えば鉄格子でも機能するはずだ。という話の実験が行われた。が結果は最もひどい形で実現したらしい。それが”教授の襲来”だったそうだ。意味が分からないかもしれないが、今思うとそうらしいのだが。無理である条件をどんどん重ねると”可能なように”世界が動く。これや勇者の”世界が合わせる現象”の逆みたいなもので、その鉄格子を突破する方法を強制的に編み出すんだそうだ。強い奴がこればいいのなら、強い奴を運命的に呼び出す。実際の鉄格子は子供たちでに抜けれるなら子供たちに武器を持たせて大人たちが数で攻め立て、そうならない細かい鉄格子になると、ダンジョンの壁を延々と攻城槌で攻撃し始めどんどん維持費でDPにダメージが入るようになり、途中で停止した。だから、無理が無いように”定期的に変更して、対策させる時間を削る”のが大事だそうだ。
「特にあんた向けとかはコイン召喚が使えるからな。目的を明かさないと、ダンジョン入り口で定住とかされかねないぞ。」
「うっわ。それは困るのじゃ。」
実際愛のコイン召喚ルームとかそう言う調整で、ある程度誤魔化せそうなんだ。弱いならの条件で。そうなると色々考えられるのだろう。
『すいません。マスター。イーハ商会に南さんが来て…会談をしたいと。』
「分かった。そっちに向かう。」
急いでダークマターで衣装を組むと私が向かった。こういう大手案件は私に、というよりダンジョンバトルとか無視しての依頼とか珍しいな。
「久しぶりね。」
「どうした、鳥海の方が話しやすいのでは?私はそっちを通してくれた方が話がまとまりやすくていいのだが?」
軽く嫌味も行ってみる。級に来れられると困るんだ。
「まあ、私の端でもあるんだけど…依頼があるの。」
「なんだ?」
「私のダンジョンを改装して欲しいの。どうも…ダンジョンに来る人が減って収益が足りないのよ。」
話としてはこうだ。ダンジョンを開いたものの、ゴブリンと魔石が中心のダンジョンで、魔石の価値が下がるにつれどんどん来る人が減る。儲けも低い。しかも、ナギサのダンジョンに人が取られる。だからこそ…自分のダンジョンも改装して欲しい。
「一応、組織を通さなくても依頼は受けてくれるんでしょ?お願いできる?」
「依頼料はこれだ。一応後、この地域の周辺の視察許可が欲しい。下がったのなら、下がった原因があるはずだ。それを突き止めない限り事態の解決にはならん。」
これは本当だが、建築家の仕事ではない。只公共系ではまず原因を絞らないで、的外れな建築をしていると、建築現場で不満をだらだら言い合う事も多い。
「それなりの値段だけど…分かったわ。」
「じゃあ、ジャンを通して依頼料と契約書を頼む。後、要求は別の紙に書いておいてくれ。多すぎると省くから注意して欲しい。」
「…分かった。」
簡素な感じだが…ダンジョン建築か…色々ありそうだな。その日の夜にワタに依頼して、リンシュメルトの町の冒険者の実態調査とフェルミィに私の姿になってリンシュメルトの4つのダンジョンの視察を依頼した。久々のダンジョン製作依頼にちょっと感動した。
「そう言えばそっちが本業じゃのぉ。」
「ドラン、来ていたのか?」
「儂ものぉ。ダンジョン改装とかしたいのじゃ。」
「そっち向けだと、企画がまとまらんぞ。」
「どういう意味じゃ?」
「まずコンセプトを決めて欲しい。建築家はそれに合わせた削りだしをする職業だ。だからこそ、ダンジョンを作るにはコンセプト、予算、難易度程度が欲しい。これであとはすり合わせるだけだ。」
建築家としてはダンジョンは苦手な部類だ、家の導線最適化とは真逆で、ノウハウもTRPGのGM経験の方が生きている感じだ。
「例えばじゃ、最低予算、最大難易度だと何になるんじゃ?」
「例の竪穴だ。黒川の戦闘でやったあれだよ。問答無用に人間を拒否できる。但しダンジョンの法則的にはあんなもの作ればダンジョンに興味が無くなるか、又は攻略可能な凄い強い勇者が来るだけだ。」
「そう言えばそうじゃのぉ。ダンジョンの法則という話が柳田から出ておったのぉ。最新版じゃ。」
柳田の説明によると、ダンジョンの”勧誘能力”はもろ刃の刃で人間が大量に押し寄せてダンジョンの宝箱やダンジョン最奥を目指したがるようになる。が、ここで絶対無理な壁などを作った場合どうなるか。完全に閉鎖できない…例えば鉄格子でも機能するはずだ。という話の実験が行われた。が結果は最もひどい形で実現したらしい。それが”教授の襲来”だったそうだ。意味が分からないかもしれないが、今思うとそうらしいのだが。無理である条件をどんどん重ねると”可能なように”世界が動く。これや勇者の”世界が合わせる現象”の逆みたいなもので、その鉄格子を突破する方法を強制的に編み出すんだそうだ。強い奴がこればいいのなら、強い奴を運命的に呼び出す。実際の鉄格子は子供たちでに抜けれるなら子供たちに武器を持たせて大人たちが数で攻め立て、そうならない細かい鉄格子になると、ダンジョンの壁を延々と攻城槌で攻撃し始めどんどん維持費でDPにダメージが入るようになり、途中で停止した。だから、無理が無いように”定期的に変更して、対策させる時間を削る”のが大事だそうだ。
「特にあんた向けとかはコイン召喚が使えるからな。目的を明かさないと、ダンジョン入り口で定住とかされかねないぞ。」
「うっわ。それは困るのじゃ。」
実際愛のコイン召喚ルームとかそう言う調整で、ある程度誤魔化せそうなんだ。弱いならの条件で。そうなると色々考えられるのだろう。
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