1,025 / 1,270
第22章 勇者大下の冒険
第1017話 交渉は相手に利益あるからこっちの言う事聞けと言う。
しおりを挟む
ドランからの会議の申し込みを植物公園経由で行いドランと、リューネは会談する事になった。対面の場にはドランと部下のイエローが付き添っていた。
「久しぶりね。あなたも不幸ね。」
「そう言うわけではないのじゃ。」
「その言い方やめない?」
「…わしのアイデンティティじゃからのぉ。」
ドランは頭を下げたまま答えていた。ドランからしても上げれないのだ。本能的に。
「…大方予想はつくわ、まずは座って、腰を据えて話しましょ。」
「そうじゃの。お姉さま。」
お互い座ると、プレシャーの無くなったドランが口火を切る。
「出来れば…わしとしては説明を聞いて欲しいのじゃ。わしは徳永に協力したいのじゃ。」
「…聞きましょう。」
「まず…。」
ドランが説明したのは、領域を取得した後、各地を調査し、北部が腐敗の温床であり、兵士としても脆弱な事。このままでは徳永が負ける事。そして。勝つためには協力もしたいが
かといって今の徳永の姿勢では自分が使いッパシリになってしまう事だ。
「ふむ…。でもそれならあなたが徳永の配下になればいいのよね?」
「わしとしては対等に話をしたいのじゃ。そこでは以下では…大方柳田を見るように…こき使うだけで、見捨てると思うのじゃ。」
「そう?」
「というより儂としては竜族の発展のために、今後を考えて領地を残しておいて権威を示す方が今後の竜族の為になると思うのじゃ。」
「竜族の為ねぇ…。」
「ただ、徳永が、リューネお姉様を頼った時だけでいいのじゃ、その時だけ…少し手加減してくれるだけでいいのじゃ」
「それは…無理な相談ね。」
「どうしてなのじゃ?」
「私には守るべきものもあるわ。それは、竜族の発展より優先すべきと思うわ。」
「守るもの?それは何なのじゃ?」
「それは言えないわ。それを知っていたら。あなたを殺す。そう言う事よ。」
一瞬周囲の空気が冷えるのが分かる。リューネの殺気が漏れる感じだ。
「済まないのじゃ、お姉さま…わしにはきついのじゃ。」
ドランは頭を下げ、テーブルに頭を打ち付け、視線をそらし…
「…ごめんなさい。つい…でもこれは本気よ。だから命令があるなら…それが優先よ。」
「そうでない時で構わないのじゃ。・・・できれば…。」
「すまないわね。確約まではできないわ。後、その…。」
「…分かったのじゃ。お姉様…迷惑をかけたのじゃ。あとできれば…この事は内密にお願いするのじゃ。」
「そうね、あなたの善意は伝わったわ。でも…ギルドをたばかってもいるのよ。今後は正直に生きなさい。」
「分かりました。」
ドランは頭を下げたまま、リューネが去るまで…頭を上げることが無かった。
「久しぶりね。あなたも不幸ね。」
「そう言うわけではないのじゃ。」
「その言い方やめない?」
「…わしのアイデンティティじゃからのぉ。」
ドランは頭を下げたまま答えていた。ドランからしても上げれないのだ。本能的に。
「…大方予想はつくわ、まずは座って、腰を据えて話しましょ。」
「そうじゃの。お姉さま。」
お互い座ると、プレシャーの無くなったドランが口火を切る。
「出来れば…わしとしては説明を聞いて欲しいのじゃ。わしは徳永に協力したいのじゃ。」
「…聞きましょう。」
「まず…。」
ドランが説明したのは、領域を取得した後、各地を調査し、北部が腐敗の温床であり、兵士としても脆弱な事。このままでは徳永が負ける事。そして。勝つためには協力もしたいが
かといって今の徳永の姿勢では自分が使いッパシリになってしまう事だ。
「ふむ…。でもそれならあなたが徳永の配下になればいいのよね?」
「わしとしては対等に話をしたいのじゃ。そこでは以下では…大方柳田を見るように…こき使うだけで、見捨てると思うのじゃ。」
「そう?」
「というより儂としては竜族の発展のために、今後を考えて領地を残しておいて権威を示す方が今後の竜族の為になると思うのじゃ。」
「竜族の為ねぇ…。」
「ただ、徳永が、リューネお姉様を頼った時だけでいいのじゃ、その時だけ…少し手加減してくれるだけでいいのじゃ」
「それは…無理な相談ね。」
「どうしてなのじゃ?」
「私には守るべきものもあるわ。それは、竜族の発展より優先すべきと思うわ。」
「守るもの?それは何なのじゃ?」
「それは言えないわ。それを知っていたら。あなたを殺す。そう言う事よ。」
一瞬周囲の空気が冷えるのが分かる。リューネの殺気が漏れる感じだ。
「済まないのじゃ、お姉さま…わしにはきついのじゃ。」
ドランは頭を下げ、テーブルに頭を打ち付け、視線をそらし…
「…ごめんなさい。つい…でもこれは本気よ。だから命令があるなら…それが優先よ。」
「そうでない時で構わないのじゃ。・・・できれば…。」
「すまないわね。確約まではできないわ。後、その…。」
「…分かったのじゃ。お姉様…迷惑をかけたのじゃ。あとできれば…この事は内密にお願いするのじゃ。」
「そうね、あなたの善意は伝わったわ。でも…ギルドをたばかってもいるのよ。今後は正直に生きなさい。」
「分かりました。」
ドランは頭を下げたまま、リューネが去るまで…頭を上げることが無かった。
0
お気に入りに追加
45
あなたにおすすめの小説
ユーヤのお気楽異世界転移
暇野無学
ファンタジー
死因は神様の当て逃げです! 地震による事故で死亡したのだが、原因は神社の扁額が当たっての即死。問題の神様は気まずさから俺を輪廻の輪から外し、異世界の神に俺をゆだねた。異世界への移住を渋る俺に、神様特典付きで異世界へ招待されたが・・・ この神様が超適当な健忘症タイプときた。
(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」
音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。
本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。
しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。
*6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。
のほほん異世界暮らし
みなと劉
ファンタジー
異世界に転生するなんて、夢の中の話だと思っていた。
それが、目を覚ましたら見知らぬ森の中、しかも手元にはなぜかしっかりとした地図と、ちょっとした冒険に必要な道具が揃っていたのだ。
異世界に追放されました。二度目の人生は辺境貴族の長男です。
ファンタスティック小説家
ファンタジー
科学者・伊介天成(いかい てんせい)はある日、自分の勤める巨大企業『イセカイテック』が、転移装置開発プロジェクトの遅延を世間にたいして隠蔽していたことを知る。モルモットですら実験をしてないのに「有人転移成功!」とうそぶいていたのだ。急進的にすすむ異世界開発事業において、優位性を保つために、『イセカイテック』は計画を無理に進めようとしていた。たとえ、試験段階の転移装置にいきなり人間を乗せようとも──。
実験の無謀さを指摘した伊介天成は『イセカイテック』に邪魔者とみなされ、転移装置の実験という名目でこの世界から追放されてしまう。
無茶すぎる転移をさせられ死を覚悟する伊介天成。だが、次に目が覚めた時──彼は剣と魔法の異世界に転生していた。
辺境貴族アルドレア家の長男アーカムとして生まれかわった伊介天成は、異世界での二度目の人生をゼロからスタートさせる。
あなたがそう望んだから
まる
ファンタジー
「ちょっとアンタ!アンタよ!!アデライス・オールテア!」
思わず不快さに顔が歪みそうになり、慌てて扇で顔を隠す。
確か彼女は…最近編入してきたという男爵家の庶子の娘だったかしら。
喚き散らす娘が望んだのでその通りにしてあげましたわ。
○○○○○○○○○○
誤字脱字ご容赦下さい。もし電波な転生者に貴族の令嬢が絡まれたら。攻略対象と思われてる男性もガッチリ貴族思考だったらと考えて書いてみました。ゆっくりペースになりそうですがよろしければ是非。
閲覧、しおり、お気に入りの登録ありがとうございました(*´ω`*)
何となくねっとりじわじわな感じになっていたらいいのにと思ったのですがどうなんでしょうね?
絶対に間違えないから
mahiro
恋愛
あれは事故だった。
けれど、その場には彼女と仲の悪かった私がおり、日頃の行いの悪さのせいで彼女を階段から突き落とした犯人は私だと誰もが思ったーーー私の初恋であった貴方さえも。
だから、貴方は彼女を失うことになった私を許さず、私を死へ追いやった………はずだった。
何故か私はあのときの記憶を持ったまま6歳の頃の私に戻ってきたのだ。
どうして戻ってこれたのか分からないが、このチャンスを逃すわけにはいかない。
私はもう彼らとは出会わず、日頃の行いの悪さを見直し、平穏な生活を目指す!そう決めたはずなのに...……。
かつて最弱だった魔獣4匹は、最強の頂きまで上り詰めたので同窓会をするようです。
カモミール
ファンタジー
「最強になったらまた会おう」
かつて親友だったスライム、蜘蛛、鳥、ドラゴン、
4匹は最弱ランクのモンスターは、
強さを求めて別々に旅に出る。
そして13年後、
最強になり、魔獣四王と恐れられるようになった彼女ら
は再び集う。
しかし、それは世界中の人々にとって脅威だった。
世間は4匹が好き勝手楽しむ度に
世界の危機と勘違いをしてしまうようで・・・?
*不定期更新です。
*スピンオフ(完結済み)
ヴァイロン家の少女が探す夢の続き~名家から追放された天才女騎士が最強の冒険者を目指すまでの物語~
掲載中です。
『異世界庭付き一戸建て』を相続した仲良し兄妹は今までの不幸にサヨナラしてスローライフを満喫できる、はず?
釈 余白(しやく)
ファンタジー
HOT 1位!ファンタジー 3位! ありがとうございます!
父親が不慮の事故で死亡したことで最後の肉親を失い残された高校生の小村雷人(こむら らいと)と小学生の真琴(まこと)の兄妹が聞かされたのは、父が家を担保に金を借りていたという絶望の事実だった。慣れ親しんだ自宅から早々の退去が必要となった二人は家の中で金目の物を探す。
その結果見つかったのは、僅かな現金に空の預金通帳といくつかの宝飾品、そして家の権利書と見知らぬ文字で書かれた書類くらいだった。謎の書類には祖父のサインが記されていたが内容は読めず、頼みの綱は挟まれていた弁護士の名刺だけだ。
最後の希望とも言える名刺の電話番号へ連絡した二人は、やってきた弁護士から契約書の内容を聞かされ唖然とする。それは祖父が遺産として残した『異世界トラス』にある土地と建物を孫へ渡すというものだった。もちろん現地へ行かなければ遺産は受け取れないが。兄妹には他に頼れるものがなく、思い切って異世界へと赴き新生活をスタートさせるのだった。
その他、多数投稿しています!
https://www.alphapolis.co.jp/author/detail/398438394
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる