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第22章 勇者大下の冒険

第1017話 交渉は相手に利益あるからこっちの言う事聞けと言う。

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 ドランからの会議の申し込みを植物公園経由で行いドランと、リューネは会談する事になった。対面の場にはドランと部下のイエローが付き添っていた。
「久しぶりね。あなたも不幸ね。」
「そう言うわけではないのじゃ。」
「その言い方やめない?」
「…わしのアイデンティティじゃからのぉ。」
 ドランは頭を下げたまま答えていた。ドランからしても上げれないのだ。本能的に。
「…大方予想はつくわ、まずは座って、腰を据えて話しましょ。」
「そうじゃの。お姉さま。」
 お互い座ると、プレシャーの無くなったドランが口火を切る。
「出来れば…わしとしては説明を聞いて欲しいのじゃ。わしは徳永に協力したいのじゃ。」
「…聞きましょう。」
「まず…。」
ドランが説明したのは、領域を取得した後、各地を調査し、北部が腐敗の温床であり、兵士としても脆弱な事。このままでは徳永が負ける事。そして。勝つためには協力もしたいが
かといって今の徳永の姿勢では自分が使いッパシリになってしまう事だ。
「ふむ…。でもそれならあなたが徳永の配下になればいいのよね?」
「わしとしては対等に話をしたいのじゃ。そこでは以下では…大方柳田を見るように…こき使うだけで、見捨てると思うのじゃ。」
「そう?」
「というより儂としては竜族の発展のために、今後を考えて領地を残しておいて権威を示す方が今後の竜族の為になると思うのじゃ。」
「竜族の為ねぇ…。」
「ただ、徳永が、リューネお姉様を頼った時だけでいいのじゃ、その時だけ…少し手加減してくれるだけでいいのじゃ」
「それは…無理な相談ね。」
「どうしてなのじゃ?」
「私には守るべきものもあるわ。それは、竜族の発展より優先すべきと思うわ。」
「守るもの?それは何なのじゃ?」
「それは言えないわ。それを知っていたら。あなたを殺す。そう言う事よ。」
 一瞬周囲の空気が冷えるのが分かる。リューネの殺気が漏れる感じだ。
「済まないのじゃ、お姉さま…わしにはきついのじゃ。」
 ドランは頭を下げ、テーブルに頭を打ち付け、視線をそらし…
「…ごめんなさい。つい…でもこれは本気よ。だから命令があるなら…それが優先よ。」
「そうでない時で構わないのじゃ。・・・できれば…。」
「すまないわね。確約まではできないわ。後、その…。」
「…分かったのじゃ。お姉様…迷惑をかけたのじゃ。あとできれば…この事は内密にお願いするのじゃ。」
「そうね、あなたの善意は伝わったわ。でも…ギルドをたばかってもいるのよ。今後は正直に生きなさい。」
「分かりました。」
 ドランは頭を下げたまま、リューネが去るまで…頭を上げることが無かった。
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