魔界建築家 井原 ”はじまお外伝”

第２２章 勇者大下の冒険

第１０１３話 専門出ない者は専門的道具は作れない。

　今までの濃厚器具などの道具関連が…開発していない理由は単純だ。農工器具がどんなものか知らん。当然建築と近い物もあるのは分かっているが、どれが使えるか知らん。
俗にいう似た職業でも専門職となると、そのノウハウが通用しない理由がこれだ。私たちの活動がたまたま、状況と合致しただけにしか過ぎない。今回はその完全な対象外だ。猫車ぐらいはあるが、これも…木こりが最近で、開発は任せてある。が農業に関しては…速攻で欲しい。そうでないと農民が植える…以外にもう一つは、今偵察部隊に緊急に数日でいいので、現陳・・・職業について調査中だ。だが大方ほぼ全員農場の小作人の可能性が高い。となると…仕事がない公算が高い。それが一番まずい。
 鳥海が言うには犯罪者が起きる要因は二つ。一つは飯が食えない事だ。これは分かる。がもう一つが厄介だ。次が…”暇”であることだ。食事ができるうえでやることが無い奴が犯罪者になる。就職率と犯罪率には因果関係がある。その為に額を与え、娯楽を与え”犯罪”を起こす時間を奪うという防犯方があるという話だ。それくらい、犯罪者はどっち向きでも厄介だ。けが人による行動不能であってもこれだ。鳥海が言うには死亡率が変に下がると…人が死ななくなり、犯罪を犯しやすいという意味だけでも…また家族の喪失感に耐えれなくて仕事ができないだけなら…人間はその家族を見捨てないという意味だけでも…嫌な言い方だ。だが、現実だ。今の現状はそう言う意味では犯罪予備軍が１万人以上いる。
　なお上の町の人口は２万５千人に最近なったばかり、産業都市ルーティは２８０人になったばかりだ。…うちは職人の町だからな、とは言えその環境でいきなり増える一万人が
以下にインパクトがあるかわかるだろう、今はダンジョンの端と端ぐらいの差であり街道にして３週間ほどの距離差がある。なので…かろうじて、出会っていない、なお場所は元
オーガたちの集落跡地だ。だからこそ急いで仕事を提供したい。
　まずは農場に欲しい種は、偵察部外が向こうの種を…”盗む”でしか解決できないので盗む。これに関してはダンジョンが周囲に無いのもあるが、先ほどの会議でも種は売買されていないのが、明言されていた。各地の農民一万人でさえ聞いたことが無いなら、当然種の売買はない。タッパ芋とか含め、この辺は農業はお手軽品種が多い。それはいい。その中でも彼らのために用意しなくてはならないのが、彼らが栽培に慣れた種だ。これが必須。又の家はをして開墾された土地の初期はこっちがダンジョンで作ればいい。
が、それ以降は開墾もやってもらう。が、次には道具だ。がこれがまた・・悩ましい。というのも…この彼らの農業があまりに”手がかかっていない”という事だ。そして問題は脱穀や乾燥の技術による効率化だ。大方これらをしていない…即ち労働人口が偏るくらい必要なんだ。例えば脱穀が人の手作業なら…現代社会では考えられないくらい人手が欲しい。当然殻剥きもだ。だからこそ、道具が出てくるのだが…問題はそのために欲しい物の知識がない。そして…ここは飯垣の本にも、データがなく私達の所有する本にもデータがない。こっちが持つ本にはそう言うデータがない。作れないんだ。原型がないなら。いくら測量で正確な形が再現できようが…原型が欲しい。
「説明賜りました。私が、アランはに伝えても？」
「ああ、構わん、こっちは全部アイテム欄も共有化しているからな。」
　水木さんに頼むことにした。リンシュメルトが現在学校として図書館も併設されている。そこに調査を頼み、社会の教科書の捜索を依頼するつもりだ。又は農業機械の本がある可能性だ。水木さんは今でも”亜人同盟”のダンジョンマスターでもあり、水木たちやゴールディの冒険者たちのいう事が正しいなら、人間としても高名な”ヒーラー”として有名冒険者だ。各冒険者の危険な依頼に指名依頼が来る程度には能力がある。そんな彼女は当然”リンシュメルト冒険者学校”に教師登録してある。水魔法のノウハウと聖女教の知識を伝えるためだ。
「でもスパイでは？」
「それがメインだ。それにもう教師には魔人連合も混ざっているんだ。こっちは目立つがな。そこの分はアラン達…自分の元の国家という話はあるだろ？」
「はい。それは、なので、図書館の位置は知っています。」
「で、本を頼んだ。特に農業関連の本だ。」
「でも、持ち出し禁止の可能性もありますよね。どうするんです？」
「そこは向こうで考えてくれ。手があるなら頼んだ。こればっかりは…私達も手がないんだ。」
「珍しいですね、そう言う事。」
「…私も苦手な事の方が多いんだ。特に…私はな。今でも私は周りに支えてもらっている。と思っている。それに気が付かないと、仲間もいなくなると思ってる。」
　その言葉に一瞬水木さんが言葉に詰まるのが、表情から分かる。
「それは・・・確かに。やってみましょう、ただし…期待しないように。」
「分かっている。」
　これで、手は打った…はずだ、すぐには解決しないが