魔界建築家 井原 ”はじまお外伝”

どたぬき

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第22章 勇者大下の冒険

第1008話 知らないって怖いから寄らない

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 私の席もあるが、今回は鳥海さん、俊三さん、水木さんの3名、黒川たち4人だ。そしてプレゼンを開始する。
「今回、教授からデータを貰い、検討しました。この辺はギルド資料もあります。そこには膨大な数の、それこそ数千のゲームソフトや数万の書籍もありました。が問題もありました。
それが…皆さん知らないって事です。」
「どういう事だ?」
「まず投票するにはその作品を見て知って、…そして投票を考えます。作品によっては100艦居所の作品も見受けられました。が、そうなるとこっちに有利な作品を提示しても
それを呼んで賛同してもらえる時間が無いと判断しました。そこで、聞いて分かる作品に絞りました。悲しいかな、私は数千の資料を見せられて…その多くの名前も知りませんでした。」
 それに鳥海も黒川も頷く。
「そこで、訴求力のある分かりやすい作品をいくつか見て言く内に見つかったのがドラゴニックエスタです。現在これは作品が20まであり、20が最新です。が、20なんて
知らないでしょ?」
「そんなにあったのか?」
「外伝や派生作含めば30を越えます。そしてその売り上げ―データも高いのですが、世界観的共有となると…この3がベターだと判断しました。」
「ふむ…。」
「では簡単なシナリオがそこにあります。そしてここでの肝は、これが”全員主人公”という点です。前見たく”主人公は一人”にはなりません。名前も自由設定で皆様が地位を金で買う…予算に厳しい不利益もありません。あったとしても…自由には勝てないでしょう。」
 名前を決めてある程度の外見設定を行い、職業も自由に設定できる自由度が売りなので、それがどのくらい反映されるかわからないが今までの地位を買うスタイルによる借金は
…かなり不味い。というか払いたくない。
「これも前回の話で、時間を切るのは今回も一緒だと判断してます。補填もある以上…今回は…ゆっくり生活できる方がいいのでは?
「一つ聞いていいかしら。」
 美玖さんが手を上げる。
「何で現代ものとか、未来物とかのそう言う故郷に近いものを出さないのです?」
「まず…そう言う作品の多くが、何かずれていて…多くが危険です。」
「え?」
「問題は、その地位や目的によってばらける公算が高いんです。その為には前もって作品と、根回し交渉が欲しいのですが。それが足りません。なので、この辺は無理です。又多数派工作をするにはまず、作品の厳選と周知の徹底が欲しいのです。ここからすぐに投票になるでしょうから…それをここ以外で統一するのができますか?」
 今回の欠点は自由投票にせざる負えないほど、ゲーム参加者以外が時間が無さすぎる。
「流石に弱気過ぎませんか?ここにいるだけあればせめて決選投票に持ち込めませんか?」
「…無理だわさ。大方組織ごとに指定してくるだわさ。ここで問題は数の多い草原同盟とパンダ同好会。スキュラなどが、大方自由にずれ込むだわさ。変に固まる時でも
決選投票に持ち込めるけど、選挙の回数はそのまま組織間に亀裂が入ってしまう。
「だからこそ分かりやすい商品を出して、こっちの”優位性”を見せるって事です。それに・・。」
「何だ?」
「実はロボとかだけなら。ドラゴニックエスタの敵にいるんです。乗り物も結構近代的なものが多く、又システムも簡単なものが多く、乙女ゲー的なものは生まれません。」
「あ…。」
 そう、地味にロボがいて地味に食事関連が”自由”で意外と天候も安定している。そう、安全なのが大きいのだ。
「でも、これ…。」
「アチシ達がたとえ組織票で負ける可能性があっても、自由の連中かこっちに来ればいいだわさ。組織票が多くなるなら…今回はその組織票を調べる意味合いもあるだわさ。」
 確かに今回で対抗組織が来るなら。それを探れるわけか…。
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