魔界建築家 井原 ”はじまお外伝”

第２２章 勇者大下の冒険

第１００７話 新商品は意外と庶民派です

　その日の午後にはギリギリレポートが完成し、資料が完成した。４人係りだ、やっぱり４人は…一緒にいるほうがいい。ミラージェもフェルミィもだ。
「と言っても資料は難しぃ。」
「仕方ないですよ、全員経験がないから。」
「そうだな。」
　一応切り離せるが、感覚的な問題で離したくない。それが結論となった。そしてそのまま軽く昼食をとる。最近のお気に入りは市場で売られていた”勇者スパゲティ”と呼ばれる料理でどうも隣の共和国から流れてきた料理だ。かなりスパイスの効いたもので、向こうで色々開発した結果の物が来たらしい。パスタも向こうで小麦を丸め”保存食”として保存する技術が入ったらしい。パスタはいいぞ。と言っても男料理で、ペペロンチーノでないならミートソースくらいになる。なおこの辺ではデミグラスの基礎である”煮詰めた野菜とパークボアの豚骨ソース”がメインだ。これが結構奥深い、一緒に香草も煮るためかなりスパイシーだ。ここには当然のようにダンジョンから出土した肉のきれっぱしが入る。がその味わいと値段がいい感じなんだ。こういう料理の探索はフェルミィの役目だ。ワタは性格的にお子様で今は食べているだけだ。
「食べたら行くぞ、私達もここからが勝負だ！」
「おう！」
　魔王城はかなり巨大な建物だ、そこに私たち千鳥万花の４人（ドラン除く）と魔人連合から４名のダンジョンマスターが選ばれ会議を行う。私がプレゼンで他の７名が企画会議の参加者だ。
「今回はダンジョンバトルでないから・・・オブサーバーだ。いいな。」
「誰です、その女の子は？」
　見た感じ地球換算１５歳ほどの若い子だ。後飯場崎さんもいる。娘の美玖さんもいる、
「私クロと申します。魔人連合経理担当です。」
「クロさん。よろしく頼む。」
　かなり若い子だな。緊張しているな。
「でもどういう意味だわさ？オブサーバーとか。」
「流石にこの件については分からん事も多い、こういう作品系には俺は疎いからな。してそうな奴…とかを連れていた。」
　そこに…ハーリスさんとヨミが歩いてきた。
「すいませんが…今回主からの命令で。私達もプレゼンを見学させてもらいたいのですがよろしいですか？三日後の投票のカギですので今日には提出予定です。」
「…いいだわさ。」
　鳥海は苦々しい顔をしているが実際は計算通りだ、釣れる数が少ない事の方が問題だったのか？