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第21章 薔薇と白い月(ダークファンタジー)
第1004話 薔薇と白い月(2) お代は別世界でもらう
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「…では、ある程度までなら?」
「向こうで調整できるんなら。、ただ、今回の件はどうもシステム的なバグがあるらしい、その為ある程度までなら運営に補填が依頼できそうだ。が5000本のポーション…しかも2週間で賞味期限が切れ、効果が薄まるが…それでいいなら送る。」
「ぐぬ、王都ではどうなっていたの?その辺。」
思いっきりテーブルと椅子を用意してのティータイムだ。が、剣呑な空気がある。
「向こうにはもともとそう言う4人ぐらいの錬金術師がいた。私が大部分を販売していたが後は自由に販売していた。材料はギルドからいくらでも買えたからな。そこから先はシステム的なものだ。」
「結構あれね、その錬金術師を探し出せばいいのね。」
「こっちの備蓄分はあるから出せるというだけなのは忘れないでほしい。向こうで大釜を買い、生産者を用意するのがメインだ。」
「分かった。でも…いいの?」
「こっちはお前も足掛けだろ?上での利益の方がずっと上だ。」
「確かに…分かった。なら早速作って。」
「…箱込みで、三日かかる。そこだけは理解してほしい。」
「分かった。待つから。お願いね。」
篠崎さんはそう言うと、手を大きく振り、明るく帰っていった。
「いいんですか?」
ミラージェが心配そうに見つめてくる。商売に多く携わっただけ・・・・わかるのだろう、虫のいい意見だと。
「向こうで吹っ掛ける。こっちでは…今ゲームシステムで保護された部分以外は、戦乱と同等の混乱だ。どこかで押さえない限り終わらないだろう。それにとばっちりがこっちに来ないことを祈るだけだ。最悪の手段も考えてある。」
流石にこの舘に2か月ほど、フェルミィとミラージェだけで暮らしているまったり生活も悪くない。が、動くころ合いまで待つのも必要なのだ。
「でも、なんでこんなに・・。」
「システムの暴走の予兆は存在していた。それだけだ。感覚のずれだが、こんな国家を滅ぼす単位の”聖女候補への嫌がらせ”というのは普通の乙女ゲーではない事だ。それになんかやたらNPCの貴族がけんかっ早いのも気になる。だから…起こるべくして起きたと考えている。それに、向こうから奪う物はいくらでもある。」
魔紙を取り出すと、箱の設計図を描く。…実はビールケースとかは地味に”転倒防止、軽量化積み重ね事故防止”などの様々なギミックが備わっている。そしてそれを基に…ポーション収納箱を作る為に設計図を書いていく。これもれっきとした設計図だ。そしてそれを大釜にぶち込むと、ダークボックスから木材を取り出し、大釜の内部に入れていく、これで量産可能だ。ダークボックスでも作れるのだが…こっちは作業しなくても紙に書いたものを固定で作るのでちゃんとした技法さえ確立していれば、こちらの方が便利な部分もある、そして入れた木材はどんどん木箱に代わっていく。そのうち一つにポーションの箱詰め行うと、後はダークボックスに入れていく。ダークボックスから出す際に加工の能力で箱に入った状態で出されるから、後はポーションを出せば完成だ。1箱50本×100箱。馬車に詰めるだけ詰めてもらうが。そしてそれを5箱ずつ積んだうえで紐に縛っていく。ある程度揺らして確認して。大丈夫だな。
「これでいい。後は…これを20セット積む場所だ。」
「でも、助けちゃうのぉ?」
「きっと、この類は、恨みの連鎖が起きる、ならばある程度言い訳を付けたうえで、恩を売る。そうする事でこっちは被害0にしておけばいい。」
助けられたことは忘れる奴がいても、そいつに恨みを果たそうとしなくなるだけでも効果がある。恨みはどこに飛ぶのかわからない。これが怖いんだ。それを防ぐと思えばこの辺は安い。
「後は地下の食糧庫に設置しておく。それを運び出してくれ。」
「はっ。」
「あいよぉ。」
フェルミィとミラージェが後はやってくれる。こっちは考える事はこの先だ。極度のインフレ、そして、それに対策を打てない…いや打つ考えのない王家たち。厄介なものだ。乙女ゲーでは全然ないな。
『これがあれば、ダンジョンは復活しますわ!』
下から大声が聞こえる。ポーションの箱を…いくつか取り出したのだろう。そう言えば、鳥海のシナリオの中にあったな…こういう時に独断専行に走り自領だけでもと出し抜く貴族がきっと来ると。その時に断るのが一番怖いシナリオになるから、備蓄だけはしておくように。という話だ。ここからが問題だな。
「向こうで調整できるんなら。、ただ、今回の件はどうもシステム的なバグがあるらしい、その為ある程度までなら運営に補填が依頼できそうだ。が5000本のポーション…しかも2週間で賞味期限が切れ、効果が薄まるが…それでいいなら送る。」
「ぐぬ、王都ではどうなっていたの?その辺。」
思いっきりテーブルと椅子を用意してのティータイムだ。が、剣呑な空気がある。
「向こうにはもともとそう言う4人ぐらいの錬金術師がいた。私が大部分を販売していたが後は自由に販売していた。材料はギルドからいくらでも買えたからな。そこから先はシステム的なものだ。」
「結構あれね、その錬金術師を探し出せばいいのね。」
「こっちの備蓄分はあるから出せるというだけなのは忘れないでほしい。向こうで大釜を買い、生産者を用意するのがメインだ。」
「分かった。でも…いいの?」
「こっちはお前も足掛けだろ?上での利益の方がずっと上だ。」
「確かに…分かった。なら早速作って。」
「…箱込みで、三日かかる。そこだけは理解してほしい。」
「分かった。待つから。お願いね。」
篠崎さんはそう言うと、手を大きく振り、明るく帰っていった。
「いいんですか?」
ミラージェが心配そうに見つめてくる。商売に多く携わっただけ・・・・わかるのだろう、虫のいい意見だと。
「向こうで吹っ掛ける。こっちでは…今ゲームシステムで保護された部分以外は、戦乱と同等の混乱だ。どこかで押さえない限り終わらないだろう。それにとばっちりがこっちに来ないことを祈るだけだ。最悪の手段も考えてある。」
流石にこの舘に2か月ほど、フェルミィとミラージェだけで暮らしているまったり生活も悪くない。が、動くころ合いまで待つのも必要なのだ。
「でも、なんでこんなに・・。」
「システムの暴走の予兆は存在していた。それだけだ。感覚のずれだが、こんな国家を滅ぼす単位の”聖女候補への嫌がらせ”というのは普通の乙女ゲーではない事だ。それになんかやたらNPCの貴族がけんかっ早いのも気になる。だから…起こるべくして起きたと考えている。それに、向こうから奪う物はいくらでもある。」
魔紙を取り出すと、箱の設計図を描く。…実はビールケースとかは地味に”転倒防止、軽量化積み重ね事故防止”などの様々なギミックが備わっている。そしてそれを基に…ポーション収納箱を作る為に設計図を書いていく。これもれっきとした設計図だ。そしてそれを大釜にぶち込むと、ダークボックスから木材を取り出し、大釜の内部に入れていく、これで量産可能だ。ダークボックスでも作れるのだが…こっちは作業しなくても紙に書いたものを固定で作るのでちゃんとした技法さえ確立していれば、こちらの方が便利な部分もある、そして入れた木材はどんどん木箱に代わっていく。そのうち一つにポーションの箱詰め行うと、後はダークボックスに入れていく。ダークボックスから出す際に加工の能力で箱に入った状態で出されるから、後はポーションを出せば完成だ。1箱50本×100箱。馬車に詰めるだけ詰めてもらうが。そしてそれを5箱ずつ積んだうえで紐に縛っていく。ある程度揺らして確認して。大丈夫だな。
「これでいい。後は…これを20セット積む場所だ。」
「でも、助けちゃうのぉ?」
「きっと、この類は、恨みの連鎖が起きる、ならばある程度言い訳を付けたうえで、恩を売る。そうする事でこっちは被害0にしておけばいい。」
助けられたことは忘れる奴がいても、そいつに恨みを果たそうとしなくなるだけでも効果がある。恨みはどこに飛ぶのかわからない。これが怖いんだ。それを防ぐと思えばこの辺は安い。
「後は地下の食糧庫に設置しておく。それを運び出してくれ。」
「はっ。」
「あいよぉ。」
フェルミィとミラージェが後はやってくれる。こっちは考える事はこの先だ。極度のインフレ、そして、それに対策を打てない…いや打つ考えのない王家たち。厄介なものだ。乙女ゲーでは全然ないな。
『これがあれば、ダンジョンは復活しますわ!』
下から大声が聞こえる。ポーションの箱を…いくつか取り出したのだろう。そう言えば、鳥海のシナリオの中にあったな…こういう時に独断専行に走り自領だけでもと出し抜く貴族がきっと来ると。その時に断るのが一番怖いシナリオになるから、備蓄だけはしておくように。という話だ。ここからが問題だな。
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