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第21章 薔薇と白い月(ダークファンタジー)
第999話 薔薇と白い月(2) 政治とは力の使い方かも
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井原が去って次の日から…まず冒険者組合が、薬草の買い取りを停止した。ポーションを作る錬金貴族が廃止した。これが市民に知られると不安が広がった。小さい傷を治すだけのポーションであるが中世の衛生環境や、ダンジョンを攻略しようとしている冒険者には死活問題だった。が、ポーションを求め冒険者ギルドが抗議すると、なんと、冒険者ギルドが経営停止処分にしてしまった。が、これが更に市民を混乱させた。特に肉食や家具など、それらをダンジョンからの発掘品で賄われており、それが…消滅することになった。
「まさかポーション一本でここまでなるとはな…。」
「ちょっと待ってよ!私が悪いの?」
アンジェを含むゲオルグ、クリメアの会議において、クリメアは涙目だった。お付きの二人も…あまりの事態に…混乱していた。まさか自分たちが学校で習ったことをそのままやったら先生を首にするとか。普通ではありえない展開だった。
「これ、乙女ゲーじゃなくない?」
「そうだけど!」
「でも不味いの?」
「…ギルドは現在、千鳥万花の領域にも支店を置く計画があるの。だけど鳥海含め全員反対で交渉がうまくいっていないのよ。だから井原だけでもともったら、私が嫌がらせしてるように見えるじゃない。」
「…それ、ヤバいわね。」
「クックック、これで終わるとは思えないがな。」
「どういう意味よ。」
「大方井原を戻す手は使えない。となると、まあ、いい勉強になるだろう、見ておけ。政治力という言葉が分かる展開になるぞ。」
井原が去って一か月がたつ頃、リリア(ドラン)の工房もある決断を余儀なくされた。それがポーションの限定生産だ。井原に人材を譲ってもらい、エージェントたちとギリギリポーションを販売していたが…錬金貴族失脚、そしてギルドの経営停止となると、市民に混乱が発生した。ギルドは冒険者という、食肉業者から格安で肉を買い。そしてそれを少額の手数料で店に必要分を売る商売をしていた。がそれが無くなり、市場の全ての食品が買い占められ…すべての食品が高騰した。そして、ポーションもその対象となった。毎日死ぬ気でポーションを量産しても限界があった。というのも、ギルドにおける薬草採取は貧困層救助の考えがあった。安い労働力が日銭を稼いで薬草を取ってきて。それをマリモッサー家が大量のポーションにしていたのだ。それが無くなりポーションが枯渇すると当然冒険者は…ダンジョンに入らなくなった。怪我が怖いためだ。特にゴブリンなどのモンスター相手でポーションがないなら、、無限に沸くモンスター相手なら生傷は当然生まれ。それを治すすべがないなら…死にかねない。それらの全てが安いポーションに支えられていた筈なのだ。それがなくなった今、食料は全て50倍以上に高騰し、特に王都の食品の高騰を招いた。が、それに対する王宮の発表は”新型ポーション発見”というだけで、市民に一切、配給されなかった。それがもっと事件を深刻化させた。その中でドランはできるだけポーションを定価で売っていたが全員に行き渡ることもなかった。しかも、半月もたつ頃になると、店に来るのは犯罪者ばかりになった。ポーションの高騰を聞きつけ、高く売り裁くためだ。ただ、ドランは井原から”甘薬草の木”を譲り受けて、庭に植えていたために何とか少量はポーションを作っていた。が、量も限界があった。そしてその環境になるとポーションの材料が足りなくなり…しかたなく少数定量販売に切り替えた。
「まさかポーション一本でここまでなるとはな…。」
「ちょっと待ってよ!私が悪いの?」
アンジェを含むゲオルグ、クリメアの会議において、クリメアは涙目だった。お付きの二人も…あまりの事態に…混乱していた。まさか自分たちが学校で習ったことをそのままやったら先生を首にするとか。普通ではありえない展開だった。
「これ、乙女ゲーじゃなくない?」
「そうだけど!」
「でも不味いの?」
「…ギルドは現在、千鳥万花の領域にも支店を置く計画があるの。だけど鳥海含め全員反対で交渉がうまくいっていないのよ。だから井原だけでもともったら、私が嫌がらせしてるように見えるじゃない。」
「…それ、ヤバいわね。」
「クックック、これで終わるとは思えないがな。」
「どういう意味よ。」
「大方井原を戻す手は使えない。となると、まあ、いい勉強になるだろう、見ておけ。政治力という言葉が分かる展開になるぞ。」
井原が去って一か月がたつ頃、リリア(ドラン)の工房もある決断を余儀なくされた。それがポーションの限定生産だ。井原に人材を譲ってもらい、エージェントたちとギリギリポーションを販売していたが…錬金貴族失脚、そしてギルドの経営停止となると、市民に混乱が発生した。ギルドは冒険者という、食肉業者から格安で肉を買い。そしてそれを少額の手数料で店に必要分を売る商売をしていた。がそれが無くなり、市場の全ての食品が買い占められ…すべての食品が高騰した。そして、ポーションもその対象となった。毎日死ぬ気でポーションを量産しても限界があった。というのも、ギルドにおける薬草採取は貧困層救助の考えがあった。安い労働力が日銭を稼いで薬草を取ってきて。それをマリモッサー家が大量のポーションにしていたのだ。それが無くなりポーションが枯渇すると当然冒険者は…ダンジョンに入らなくなった。怪我が怖いためだ。特にゴブリンなどのモンスター相手でポーションがないなら、、無限に沸くモンスター相手なら生傷は当然生まれ。それを治すすべがないなら…死にかねない。それらの全てが安いポーションに支えられていた筈なのだ。それがなくなった今、食料は全て50倍以上に高騰し、特に王都の食品の高騰を招いた。が、それに対する王宮の発表は”新型ポーション発見”というだけで、市民に一切、配給されなかった。それがもっと事件を深刻化させた。その中でドランはできるだけポーションを定価で売っていたが全員に行き渡ることもなかった。しかも、半月もたつ頃になると、店に来るのは犯罪者ばかりになった。ポーションの高騰を聞きつけ、高く売り裁くためだ。ただ、ドランは井原から”甘薬草の木”を譲り受けて、庭に植えていたために何とか少量はポーションを作っていた。が、量も限界があった。そしてその環境になるとポーションの材料が足りなくなり…しかたなく少数定量販売に切り替えた。
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