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第21章 薔薇と白い月(ダークファンタジー)
第977話 薔薇と白い月(2) 偶然も2個重なれば故意を疑う
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その話は、余りに奇想天外だった。最初の魔王エレノアが…わざと倒され、最初の勇者一行がネルたちに倒され、数か月後にダンジョンを開き。商売する事になり…そして世界会議が発足した。が、その時に主要3国と同盟と同時期にダンジョンマスターとして始まりのダンジョンマスターが各国と契約。こうして安全にダンジョンを運用する道筋を付けた。がその直後、そのダンジョンが何故かネルさんの物になり…そのダンマスが消失した。とくに精神的支柱として全員が慕っていたので、残されたメンバーは慌てて探すことにした。
「その時にモートリアの大量勇者召喚と重なったのよ。」
その時にモートリアは勇者の力で狂い、大量の勇者をそろえて軍力増強を計り、大量召喚した。その時に大量のダンマスも国内に生まれた。が問題はここからだ。リューネはダンジョンを片っ端かろ訪れて、反逆的なら滅ぼす、そうでないなら、お客が来るからと、ギルドに登録した。そこで出てきたのが大量召喚で魔石が大量に欲しいモートリアだ、勇者を派遣し片っ端からダンジョンを滅ぼして回った。そうして得られた魔石などをすべて勇者召喚に当てた。
「で、ここからはハーリスに聞いたんだけど、どうも神様もさすがに5分で消滅するダンジョンが生まれてくると、かわいそうっていう話になったらしいのよ。そこで、今の大陸側に新設したダンマスを移す計画を建てたの。ただ、私たちが新大陸に気が付くのは相当後だったの。」
「…だって新大陸あるとか、考えなかった。」
あの時感じていた違和感、それは何で魔王軍が侵略しないのか…というのは気が付いていなかったというもっと根本的な内容だった。
「それでな。盟主・・・と言っていな、あいつは…あれは・・・・私から言っても化け物だ。普通にやって勝てる…見込みは薄いな。そんな凄腕だったんだよ。」
教授の言葉にリューネ達が大きくうなずく。
「そんな凄い奴なのかのぉ。」
「ただ、怠けているがな、最近は。でも…動けば終わるというぐらいの能力はある。」
そんな大物なのか…相手は。
「で、その為に他の大陸にダンマスが移住され…ダンマスだけが誰もいない地域に残ったのよ。だから、勇者と抱き合わせなんて言われてもぱっと来ないわよ。」
「ふむ、でもその話だと勇者と友誼を結べた…者も多かったのではないのかのぉ。」
「その頃はダンジョンとか、モンスターが怖くて、勇者としての地位の上昇に…ランクを用いて、壊したダンジョンの数をカウントしたのよ。みんな狂っていたんだと思う。おごりもあったわ。」
「・・・私、分からないまま頷いた。いっぱいあった。」
「人間側は基本、ダンジョンを見たら邪悪と思う性質がある、これはダンジョンに宝箱ある限りずっとだ。いや、ダンジョンある限りだ。これはダンジョンという物そのもの性質として存在している、」
「ダンジョンと人間は争う関係か…。」
「だから、人間側を”ダンジョン関係者”として登録するシステムがある。その者はダンジョンの悪意に引っかからないが…その他は引っかかる。ダンジョンから出てきたものはどんながらくたでも珍重し、そしてダンジョンを潰すことを目的とした国家体制も作る。これは変えられないと思っている。」
「…それはどういう意味?」
「…分からない。」
教授の意見もわかるが…意味が分からない。
「私も推論だが…幾つかの国で…ギルドから離反するか…反逆の可能性があるとみている、そしてダンジョンを潰す…ことを目的に動く可能性もな。」
流石に私でも…その可能性は否定できない。
「ダンマス同士も争う方向に行きがちなのも…それも本能というよりダンジョンの宿命な気がしている。今は力がないから止まっているだけだ。」
「…そんなことある?」
「どこよ、潰すわよ?」
「やめた方がいいのじゃ。」
「今、国が分裂”していない”国だ。ホワルカナンは東部が独立・・・という話もある。がここではない。リラシルトは人間が主体だ、関係ない…。」
「…ザガートンじゃろ?」
「その可能性が高い。勇者やカンパニーの誘致も最近激しい。そして、強さ主体と、ダンジョンの攻略具合も、モンスターへの自信の表れだ。ダンジョンという鉱山を独占し、草原諸国を潰し、次は…って事だ。」
「サンディーン。」
サンディーンの女王はダンマスであり…オアシスを占拠して水を売ってダンジョンを潤している…ある意味ダンジョンの使い方の中では一番堅実な使い方をしているのがサンディーンだ。ただしそこは大砂海が邪魔をする。渡れるのは特殊装備とオアシスの位置が分かっている砂漠の商人だけだ、そうでないならモンスターが高速で移動する以外突破できない。北と南を分かつ。
「そこでギルドが邪魔という事か?」
「そうみている、国家と同列の力だぞ、相手は。当然邪魔に思う。今は北のドワーフの国とダンジョンが国の装備を握っているから頷いているが、愚かな考えがないとは言わない。」
鳥海に言わせれば、国にはこういう危うい線引きのバランスで保たれた国家は多い。だからこそ、交渉は身内であっても命がけ。不死であっても時間による損失はむしろ酷いくらいになる。だからこそ。・・・交渉で一人は怖い。とつぶやいたのを思い出した。今、ザガートンがそう言う状況になっているのだ。ギリギリの線引きで成り立つ国家という事だ。
「その時にモートリアの大量勇者召喚と重なったのよ。」
その時にモートリアは勇者の力で狂い、大量の勇者をそろえて軍力増強を計り、大量召喚した。その時に大量のダンマスも国内に生まれた。が問題はここからだ。リューネはダンジョンを片っ端かろ訪れて、反逆的なら滅ぼす、そうでないなら、お客が来るからと、ギルドに登録した。そこで出てきたのが大量召喚で魔石が大量に欲しいモートリアだ、勇者を派遣し片っ端からダンジョンを滅ぼして回った。そうして得られた魔石などをすべて勇者召喚に当てた。
「で、ここからはハーリスに聞いたんだけど、どうも神様もさすがに5分で消滅するダンジョンが生まれてくると、かわいそうっていう話になったらしいのよ。そこで、今の大陸側に新設したダンマスを移す計画を建てたの。ただ、私たちが新大陸に気が付くのは相当後だったの。」
「…だって新大陸あるとか、考えなかった。」
あの時感じていた違和感、それは何で魔王軍が侵略しないのか…というのは気が付いていなかったというもっと根本的な内容だった。
「それでな。盟主・・・と言っていな、あいつは…あれは・・・・私から言っても化け物だ。普通にやって勝てる…見込みは薄いな。そんな凄腕だったんだよ。」
教授の言葉にリューネ達が大きくうなずく。
「そんな凄い奴なのかのぉ。」
「ただ、怠けているがな、最近は。でも…動けば終わるというぐらいの能力はある。」
そんな大物なのか…相手は。
「で、その為に他の大陸にダンマスが移住され…ダンマスだけが誰もいない地域に残ったのよ。だから、勇者と抱き合わせなんて言われてもぱっと来ないわよ。」
「ふむ、でもその話だと勇者と友誼を結べた…者も多かったのではないのかのぉ。」
「その頃はダンジョンとか、モンスターが怖くて、勇者としての地位の上昇に…ランクを用いて、壊したダンジョンの数をカウントしたのよ。みんな狂っていたんだと思う。おごりもあったわ。」
「・・・私、分からないまま頷いた。いっぱいあった。」
「人間側は基本、ダンジョンを見たら邪悪と思う性質がある、これはダンジョンに宝箱ある限りずっとだ。いや、ダンジョンある限りだ。これはダンジョンという物そのもの性質として存在している、」
「ダンジョンと人間は争う関係か…。」
「だから、人間側を”ダンジョン関係者”として登録するシステムがある。その者はダンジョンの悪意に引っかからないが…その他は引っかかる。ダンジョンから出てきたものはどんながらくたでも珍重し、そしてダンジョンを潰すことを目的とした国家体制も作る。これは変えられないと思っている。」
「…それはどういう意味?」
「…分からない。」
教授の意見もわかるが…意味が分からない。
「私も推論だが…幾つかの国で…ギルドから離反するか…反逆の可能性があるとみている、そしてダンジョンを潰す…ことを目的に動く可能性もな。」
流石に私でも…その可能性は否定できない。
「ダンマス同士も争う方向に行きがちなのも…それも本能というよりダンジョンの宿命な気がしている。今は力がないから止まっているだけだ。」
「…そんなことある?」
「どこよ、潰すわよ?」
「やめた方がいいのじゃ。」
「今、国が分裂”していない”国だ。ホワルカナンは東部が独立・・・という話もある。がここではない。リラシルトは人間が主体だ、関係ない…。」
「…ザガートンじゃろ?」
「その可能性が高い。勇者やカンパニーの誘致も最近激しい。そして、強さ主体と、ダンジョンの攻略具合も、モンスターへの自信の表れだ。ダンジョンという鉱山を独占し、草原諸国を潰し、次は…って事だ。」
「サンディーン。」
サンディーンの女王はダンマスであり…オアシスを占拠して水を売ってダンジョンを潤している…ある意味ダンジョンの使い方の中では一番堅実な使い方をしているのがサンディーンだ。ただしそこは大砂海が邪魔をする。渡れるのは特殊装備とオアシスの位置が分かっている砂漠の商人だけだ、そうでないならモンスターが高速で移動する以外突破できない。北と南を分かつ。
「そこでギルドが邪魔という事か?」
「そうみている、国家と同列の力だぞ、相手は。当然邪魔に思う。今は北のドワーフの国とダンジョンが国の装備を握っているから頷いているが、愚かな考えがないとは言わない。」
鳥海に言わせれば、国にはこういう危うい線引きのバランスで保たれた国家は多い。だからこそ、交渉は身内であっても命がけ。不死であっても時間による損失はむしろ酷いくらいになる。だからこそ。・・・交渉で一人は怖い。とつぶやいたのを思い出した。今、ザガートンがそう言う状況になっているのだ。ギリギリの線引きで成り立つ国家という事だ。
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