魔界建築家 井原 ”はじまお外伝”

第２１章 薔薇と白い月（ダークファンタジー）

第９７０話 薔薇と白い月（２） イベントが悪い方向に行った結果

　それから、うちに帰り、ドランに説明する事になった。
「では、うちでやるのかのぉ？」
「そう言う事になる、だが、なんで学部を選ばなかったんだ？」
「それはお主がここにおる上に、この錬金袋、全部使えるじゃろ、むしろゲーム外の事も出できる最高ランクじゃ。それにお主も説明したじゃろ、学校に帰っても、草を鍋にぶち込んで、水を注げばそれだけでポーションができるとな。」
　あの神様謹製錬金ポシェット、地味に有能過ぎてあの口が触れられる範囲なら全部収納できるし、容量キャパシティは無限に近い。よく異世界転生物でみる無限収納だ。しかも加工コマンド付き。
「まあ、来ても一日で全部の合格出すところだった。」
「じゃろ。」
「しかもこれ…なんかメカは迄ほ行っておらんか？検索でリスト作ったのじゃ。不便だったからのぉ。」
　バッと出された錬金レシピの数は…んが！？え？なんか…５０万種類ほどあるんですが？
「わしもわからんものから、ジャンル違いまで、大量にあるのじゃ。」
「なら、材料を買ってきて検証したほうがいいな。私も行く、材料は目利きしたほうがいい。」
　玄関に向かうと…誰もいない？買い物か？まあ、リリアも一緒に外に…

「私！ここで訓練して立派な薬師になるわ！」
「そうだね。ここは薬草ならたっぷりある、頑張って修行していきなさい。」
「うん、ありがとう！マリモッサーのおじさま。」
「一応私にも名前があるんだよ。はっはっは。」
　…は？え？ええ？家から出た瞬間、私達は・・・マリモッサー村にいた。しかもその間の記憶がない。驚いているのは、イベントが終わったであろうリリアもだ。そう、私達は王都にいたはずだが…マリモッサー村の家の前にいた。
「ホーっホッホッホ！こんなところに我がライバル！聖女候補がいたなんて！こんな芋臭い田舎！焼き払ってもいいのだけど！いや、こんな芋臭い田舎だからこそ！あなたにはお似合いよ、せいぜい頑張りなさい！」
　…しかもよくわからないが目の前には赤いドレスを着た女性、まったく背景と浮きまくる公爵令嬢がいた。さんざん高笑いした後に…村の入り口まで公爵令嬢は歩いていった。
「あ、やっと動けるじゃ。」
「イベントが終わったな。」
「え…あ・・・ウ…え…。」
　なんか一番狼狽えてらっしゃるのは、村の入り口でたたずむ公爵令嬢らしい。慌ててこっちに来た。
「改めて聞くけど…ここ何処？」
　なんか色々御存じないようだった。
「ああ、ド田舎の、マリモッサー村だ。その郊外だな。」
「え？なんで私ここにいるの？」
「私達も王都にいたからな。どうしてここか分からん。」
「おや、マリモッサー様、お帰りで？」
　館から出てきたのは村長の奥さんだ。
「ああ、まあな、掃除してくれたのか？」
「あ、はい。中でお休みください。掃除はしておきましたので。」
「分かった。」
　そうして…村長の奥さんは村に帰っていった。
「あ、うん、少し、休ませてもらえるかしら。私流石にこれは経験ないわ。」
「あ、うん、そうだな、入ってくれ。茶ぐらいは出す。」
　今気が付いたのだが、このクリメア。リューネさんだ。そう言えば言っていたな、クリメアは突然爆破がある為に耐えられる人でないと役にならないので、販売しなかったと…これはどうだろうな。