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第21章 薔薇と白い月(ダークファンタジー)
第961話 薔薇と白い月(2) でかいスライムはいるだけで迷惑
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慌てて4階を抜けた先は…一つの大きな部屋だった。そこには…巨大なスライムが鎮座していた。ただそれだけだった。
「すまん、急ぐ!」
ドランは一括すると口を開き、ブレスを解き放ち…それでスライムを縦に分断した。
「ど、どうしたんです?」
ミラージェも、フェルミィも身構える動作をしたまま、スライムを観察していた。
「これは…本当にまずいダンジョンじゃな。」
盾に切断されたスライムは…そのまま解けるように消え去り、その奥には入り口があった。
「どういう事です?』
「こいつはビックスライムなのじゃ。」
「動きませんよね。」
「うむ、基本動かないのじゃ。でかいだけじゃからのぉ。」
「じゃあ、なんで…あんなに慌てて?」
「それが一番きついんじゃ、スライム系は基本二つのパターンに分かれるのじゃ、コア無し、コアありじゃ。この内”コアあり”はゴーレムで作った疑似スライムじゃ。そっちはいいんじゃ、問題はコアなしじゃ。」
スライムのいた場所を探り…宝箱があるのを確認した。ドランが明けると、そこにはポーションが一本あった。
「コア無しのスライムは、大きさに比例して強さが増すんじゃ。食える物も、粘性もじゃ、只毒は…環境に寄るらしいがのぉ。問題はそこじゃないのじゃ、大きさなのじゃ。」
「動かないなら…怖くないですよね?」
「うむ、その代わりいかなる攻撃も食って大きくなるのじゃ。」
「はぃ?」
流石に詩織さんも、エージェントたちも…驚いて、さっきのスライムのいた場所を見つめていた。
「武器で攻撃すればその武器を受け止めて喰らい、魔法があれば、全部包んで喰ってしまうのじゃ。火とか…物量でダメじゃの。あいつの温度で消されるのじゃ、じゃから、特定条件でない魔法や攻撃は全部喰って大きくなるだけで…意味がないのじゃ。痛覚も無ければ…飛び散った自分の体も食うのじゃ。」
「じゃあ!無敵生物じゃないですか!」
「そうじゃぞ。欠点は…切断して細切れにすると、食う事が出来んくなり…そのまま死ぬのじゃ。だから丈夫あたりを全部一気に切断すればええ、一撃でしか駄目じゃ。そうでないと、切った部分を喰ってしまって再生するからのぉ。」
そう言いつつ…。
「あれ…ボスですよね。」
「じゃろうな、今までと温度が違い過ぎるのじゃ。大方、…4Fは敵を見つけ連かった上に…5Fで勝てんかった…んじゃろうな。」
「そういえば、異世界転生物のスライムは全部コアがありますからねぇ…。それじゃないと雑魚でしょ?」
「あれが強いと…わしが知っておる限り…ドラゴンより強くなる唯一の種だと思っておるのじゃ。」
「そうなんですか?」
シオリもエージェントも休憩して、宝鳩の周辺に座る。
「ゲームじゃとこいつは魔法があって、断続的に攻撃すればええ・ただし、ここに来る庶民は全て…魔法なんて持っておらん。そう言う意味で…最強に一般人除けじゃぞ、あれ。」
「じゃあ、コア付きだとどうなるんです?」
「コア付きだと、コアに全力で物を投げて、壊せばいいのじゃ、ファンタジーだと移動させるとかいうがのぉ。そこまで器用ではないのじゃ。」
ミラージェもダークボックスから木の水筒を取り出し、飲み物を飲んでいた。
「…という事はどっちも…モンスターのデータ持ってるんですよね。私達はどっちも未確認なのに。」
「あ!」
そう、ダンマスのダンジョンにおいて、スライムは初期のスライム以外…誰も実戦投与に成功していないのだ。こんな壁モンスターがいるなら、もっと評判になっていいはずのモンスターだ。が、シオリは聞いたこともなかった。
「すまん、急ぐ!」
ドランは一括すると口を開き、ブレスを解き放ち…それでスライムを縦に分断した。
「ど、どうしたんです?」
ミラージェも、フェルミィも身構える動作をしたまま、スライムを観察していた。
「これは…本当にまずいダンジョンじゃな。」
盾に切断されたスライムは…そのまま解けるように消え去り、その奥には入り口があった。
「どういう事です?』
「こいつはビックスライムなのじゃ。」
「動きませんよね。」
「うむ、基本動かないのじゃ。でかいだけじゃからのぉ。」
「じゃあ、なんで…あんなに慌てて?」
「それが一番きついんじゃ、スライム系は基本二つのパターンに分かれるのじゃ、コア無し、コアありじゃ。この内”コアあり”はゴーレムで作った疑似スライムじゃ。そっちはいいんじゃ、問題はコアなしじゃ。」
スライムのいた場所を探り…宝箱があるのを確認した。ドランが明けると、そこにはポーションが一本あった。
「コア無しのスライムは、大きさに比例して強さが増すんじゃ。食える物も、粘性もじゃ、只毒は…環境に寄るらしいがのぉ。問題はそこじゃないのじゃ、大きさなのじゃ。」
「動かないなら…怖くないですよね?」
「うむ、その代わりいかなる攻撃も食って大きくなるのじゃ。」
「はぃ?」
流石に詩織さんも、エージェントたちも…驚いて、さっきのスライムのいた場所を見つめていた。
「武器で攻撃すればその武器を受け止めて喰らい、魔法があれば、全部包んで喰ってしまうのじゃ。火とか…物量でダメじゃの。あいつの温度で消されるのじゃ、じゃから、特定条件でない魔法や攻撃は全部喰って大きくなるだけで…意味がないのじゃ。痛覚も無ければ…飛び散った自分の体も食うのじゃ。」
「じゃあ!無敵生物じゃないですか!」
「そうじゃぞ。欠点は…切断して細切れにすると、食う事が出来んくなり…そのまま死ぬのじゃ。だから丈夫あたりを全部一気に切断すればええ、一撃でしか駄目じゃ。そうでないと、切った部分を喰ってしまって再生するからのぉ。」
そう言いつつ…。
「あれ…ボスですよね。」
「じゃろうな、今までと温度が違い過ぎるのじゃ。大方、…4Fは敵を見つけ連かった上に…5Fで勝てんかった…んじゃろうな。」
「そういえば、異世界転生物のスライムは全部コアがありますからねぇ…。それじゃないと雑魚でしょ?」
「あれが強いと…わしが知っておる限り…ドラゴンより強くなる唯一の種だと思っておるのじゃ。」
「そうなんですか?」
シオリもエージェントも休憩して、宝鳩の周辺に座る。
「ゲームじゃとこいつは魔法があって、断続的に攻撃すればええ・ただし、ここに来る庶民は全て…魔法なんて持っておらん。そう言う意味で…最強に一般人除けじゃぞ、あれ。」
「じゃあ、コア付きだとどうなるんです?」
「コア付きだと、コアに全力で物を投げて、壊せばいいのじゃ、ファンタジーだと移動させるとかいうがのぉ。そこまで器用ではないのじゃ。」
ミラージェもダークボックスから木の水筒を取り出し、飲み物を飲んでいた。
「…という事はどっちも…モンスターのデータ持ってるんですよね。私達はどっちも未確認なのに。」
「あ!」
そう、ダンマスのダンジョンにおいて、スライムは初期のスライム以外…誰も実戦投与に成功していないのだ。こんな壁モンスターがいるなら、もっと評判になっていいはずのモンスターだ。が、シオリは聞いたこともなかった。
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