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第21章 薔薇と白い月(ダークファンタジー)
第958話 薔薇と白い月(2) 便利機能は使い方が分からないと機能しない
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「あれがミニゴブリンじゃ。」
ドランが指差した先には3体ぐらいの…3歳児の子供の姿だ。その戦闘をマリオネットに歩かせつつ、ミニゴブリンというモンスターがナイフを持っている、
「一応危険ではあるが、それ以上にあの姿…罪悪感しかわかないな。」
「大方人間で教え込めば、あれが可愛いとは感じないだろうな…。」
実はミラージェも初めてミニゴブリンの姿を見るのだ。その姿は肌が緑色というだけの栄養失調気味の子供と言ったほうが正しい姿だ。それがナイフを持ってよたよた歩くのだ。これは罪悪感がひどい、
「一応、あれも殺さんと行かんのじゃ、ほれ。」
ドランはポシェットから石を取り出すと、ひとつづつシオリたちに渡す、
「これで投げておけばええ。ここは心を鬼にじゃ。」
ドランは石を投げつけると、マリオネットがその石ではじけ飛び、壁に当たると、そのまま消滅した。
「…むごいね。」
「接近するかのぉ?」
流石に詩織も…ドランに厳しい目を向ける、
「大方本来はここにおるべきではない…モンスターじゃろう、儂も知らんが。マリオネットもそうじゃろう。儂らに知らんモンスターが多い、その一種じゃと思っておる。じゃが、ここで倒さんとわしらは武器も得られん。」
「仕方ないわね。」
シオリはミラージェに地面に下ろしてもらうと、ため息をつきながら野球のピッチングモーションで投げつける。その投球でミニゴブリンの一体が吹き飛んでいく、こっちに走って来るのをミラージェは枝の祝福で棍棒を作り、2体とも殴り飛ばす。
「お主…。」
「こういう時に躊躇するのはだめ。した方が痛いし苦しむ。それ位なら一撃で屠るのが礼儀だ。」
その言葉にしおりは固まる。
「で、これが武器?」
「そう言ったじゃろ、これが…ナイフじゃ。」
小さい食器のナイフ程度の大きさのものだ。鋭さもなくむしろ形だけがナイフと言っていい内容だ。が…。ドランはそれをポシェットに入れていく。
「これが欲しかったんじゃ、これがあればこうなるからのぉ、」
ドランが取り出すとそれは…鋭くなったナイフがあった。
「そうじゃよ、これ、投げナイフに加工できるのじゃ、しかも結構鋭い奴にのぉ、その為の砥石は拾っておいたのじゃ。お主らが投げた石がそうじゃ。」
「あ、これ。」
結構軽い石だが、よく見ると、川にある丸い石だ。これでもたしかに研げる、水も備蓄で入れてあるし、飲み水作成でもポシェットに注いでおけば水もいくらでも作れる、考えたなこれ。井原は気が付いていないかもしれないが、実際本当にドランが凄いのは慧眼でも、戦闘力でもない、その機転だと思えた。戦闘的本能にある…その機転こそ、このドランの本当の強さだ。知識とその応用幅の広さそれがこのドランを強者足らしめている、。たしかにその辺の石を持って来て砥石にして…モンスターの武具を研ぐとは考えもしなかった。そしてこの素材があれば…矢も作れる、けどこれ…。
「このナイフもしかして…石?」
「じゃろうな、鉄は無いと思うのじゃ。じゃが、石ころを拾うくらいは時間があるのじゃ。これを痛快使いまわせば…。ん?」
「どうしたの?」
「いや、この袋、地味に…マージプロセスという物があるのじゃ、その三つ貸してたもれ。」
みんながナイフを手渡して、ポシェットに入れると少しして、大型のナイフが現れてきました。
「何かよくわからんが、合成出来るのじゃ。」
「そう言えばそれに…取扱説明書とかある?」
シオリは何となく言っただけだったが、そう言えばその筈だった。この錬金術システムの最大の欠点。それは”本をそのままぶち込んでレシピ”を登録するのでその本の内容を思い出すことができない時は本当にレシピごと無しになってしまう可能性があるって事だ。
「・・・スマン・・・儂、まったくその辺気が付いておらんかったのじゃ。」
うん、これはある意味致命的なミスだった。何しろこのポシェットを実際に作ったのは神様であり、何の機能を入れたのか、分からないまま…ドランは受け取ってしまったからだ。
「せめて説明書・・貰ったから使お?」
シオリの言葉に…ドランもミラージェも突っ伏すしかなかった。
ドランが指差した先には3体ぐらいの…3歳児の子供の姿だ。その戦闘をマリオネットに歩かせつつ、ミニゴブリンというモンスターがナイフを持っている、
「一応危険ではあるが、それ以上にあの姿…罪悪感しかわかないな。」
「大方人間で教え込めば、あれが可愛いとは感じないだろうな…。」
実はミラージェも初めてミニゴブリンの姿を見るのだ。その姿は肌が緑色というだけの栄養失調気味の子供と言ったほうが正しい姿だ。それがナイフを持ってよたよた歩くのだ。これは罪悪感がひどい、
「一応、あれも殺さんと行かんのじゃ、ほれ。」
ドランはポシェットから石を取り出すと、ひとつづつシオリたちに渡す、
「これで投げておけばええ。ここは心を鬼にじゃ。」
ドランは石を投げつけると、マリオネットがその石ではじけ飛び、壁に当たると、そのまま消滅した。
「…むごいね。」
「接近するかのぉ?」
流石に詩織も…ドランに厳しい目を向ける、
「大方本来はここにおるべきではない…モンスターじゃろう、儂も知らんが。マリオネットもそうじゃろう。儂らに知らんモンスターが多い、その一種じゃと思っておる。じゃが、ここで倒さんとわしらは武器も得られん。」
「仕方ないわね。」
シオリはミラージェに地面に下ろしてもらうと、ため息をつきながら野球のピッチングモーションで投げつける。その投球でミニゴブリンの一体が吹き飛んでいく、こっちに走って来るのをミラージェは枝の祝福で棍棒を作り、2体とも殴り飛ばす。
「お主…。」
「こういう時に躊躇するのはだめ。した方が痛いし苦しむ。それ位なら一撃で屠るのが礼儀だ。」
その言葉にしおりは固まる。
「で、これが武器?」
「そう言ったじゃろ、これが…ナイフじゃ。」
小さい食器のナイフ程度の大きさのものだ。鋭さもなくむしろ形だけがナイフと言っていい内容だ。が…。ドランはそれをポシェットに入れていく。
「これが欲しかったんじゃ、これがあればこうなるからのぉ、」
ドランが取り出すとそれは…鋭くなったナイフがあった。
「そうじゃよ、これ、投げナイフに加工できるのじゃ、しかも結構鋭い奴にのぉ、その為の砥石は拾っておいたのじゃ。お主らが投げた石がそうじゃ。」
「あ、これ。」
結構軽い石だが、よく見ると、川にある丸い石だ。これでもたしかに研げる、水も備蓄で入れてあるし、飲み水作成でもポシェットに注いでおけば水もいくらでも作れる、考えたなこれ。井原は気が付いていないかもしれないが、実際本当にドランが凄いのは慧眼でも、戦闘力でもない、その機転だと思えた。戦闘的本能にある…その機転こそ、このドランの本当の強さだ。知識とその応用幅の広さそれがこのドランを強者足らしめている、。たしかにその辺の石を持って来て砥石にして…モンスターの武具を研ぐとは考えもしなかった。そしてこの素材があれば…矢も作れる、けどこれ…。
「このナイフもしかして…石?」
「じゃろうな、鉄は無いと思うのじゃ。じゃが、石ころを拾うくらいは時間があるのじゃ。これを痛快使いまわせば…。ん?」
「どうしたの?」
「いや、この袋、地味に…マージプロセスという物があるのじゃ、その三つ貸してたもれ。」
みんながナイフを手渡して、ポシェットに入れると少しして、大型のナイフが現れてきました。
「何かよくわからんが、合成出来るのじゃ。」
「そう言えばそれに…取扱説明書とかある?」
シオリは何となく言っただけだったが、そう言えばその筈だった。この錬金術システムの最大の欠点。それは”本をそのままぶち込んでレシピ”を登録するのでその本の内容を思い出すことができない時は本当にレシピごと無しになってしまう可能性があるって事だ。
「・・・スマン・・・儂、まったくその辺気が付いておらんかったのじゃ。」
うん、これはある意味致命的なミスだった。何しろこのポシェットを実際に作ったのは神様であり、何の機能を入れたのか、分からないまま…ドランは受け取ってしまったからだ。
「せめて説明書・・貰ったから使お?」
シオリの言葉に…ドランもミラージェも突っ伏すしかなかった。
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