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第21章 薔薇と白い月(ダークファンタジー)

第940話 薔薇と白い月(2) 欠点を見つけても突くかは考えたほうがいい。

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 しばらくして分離した老執事スライムにインベントリと魔力変換を渡し、彼にこの周辺の領地一体の薬草全てを回収し…マナバッテリーへの変換を指示した。帰って来るのを待って次に動く、その間に村長を盾に…周囲から農産物の種を買い…分離した”森魔法”だけ使える子犬を作り、村の土壌を回復させる予定だ。がこれでも大方私達は回復できないな…。…メールか。ドランからだ。
『ミラージェから聞いたのじゃ。事情はあい分かったのじゃ。ただレベリングには王都しか使えん。がやってみるからの、後…レベリングはしておくからの。』
 ミラージェから口伝で伝えておいたので、レベリングはできるだろう。その間私たちはここで…
「何しますぅ―。」
「確かにのぉ。暇じゃからのぉ。」
「草取り…この世界では雑草が全部薬草だからな。取ってポーションに変えればいい。私はその間にやることがある、」
 魔石を取り出し、付与魔法の”魔導回路”作成だ。練習はしたんだ、只回路の物として最初に設計図を書き、その上に魔石を接着剤に練り込んだものを塗っていく。こうする事で、魔術回路を組んでいく、今回は回路図とかは設計関連は関係ない。完コピだからだ。錬金術師の大釜の魔術回路を完コピしこの村に錬金術師の大釜を建築し、村にも一か所置く。こうする事で薬草の活用を助ける、
「マスター?」
「何だミヨちゃん。」
「…手伝う?」
「…そうだな、これをもう一本作るから、この線の上にこれで線を引いてくれ。」
「りょうかーい。完璧にやって見せるよー!」
 実際あまり手先は器用ではないが…うん…いいな。
「わしは家事でもやって…寝てまずかのぉ」
 呆れたようにオウルは、部屋を出ていった。

 そして完成したのは”回路図の大きさを2倍にした錬金術師の大釜だ。チップの差し込むスロットは再現せずここは10倍の大きさにしてチップの大きさをかなり大きくした”ディクショナリー”を開発した。というのも、元々のチップは大体2㎝四方にとてつもない細かい文字で文章が書かれ、これをゴーレムの前に並べて読ませることで工程を行わせていた。これを回路図の配線の魔力の流れを地として認識させる教育をしたゴーレムを配置する事により簡略化。但し2㎝に物を書く技術はないので本を置いて文章を書かせる専用ゴーレムと文章を読んで伝える専用ゴーレムと実行させるゴーレムで、疑似的に”記憶容量”を再現した。ただし限界キャパシティはかなり小さい。大体辞書一冊分だ。これに書かせたり読ませたりするんだが、これ以外に実行するゴーレムに専用の回路を付けることにより容量の不足を軽減する。本当は元の形式の方が効率いんだ。しかも魔石もいらない。が、そんな細かい字を書ける工具も無ければシステムを作れる技術もないので、大きくして加工性を上げた。小型化にはまだ様々な物が足りない、私の工具の限界だ。
「出来たよー。」
「後はそこにマナバッテリーを置いてくれ。」
「おっけー。」
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