魔界建築家 井原 ”はじまお外伝”

どたぬき

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第21章 薔薇と白い月(ダークファンタジー)

第933話 薔薇と白い月(2) TRPG三種の神器

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 王都のダンジョン6Fは俗称”オーク部屋”だ。ここは砦という設定で、室内の狭い場所をうろうろする。ここにいるのはリアルにはいないオークの兵士たちた。

オークTIPS;一部にはノルドの侮蔑とされるものと同じ名前を冠する豚頭の獣人の特異亜種。大抵は豚の頭に蹄を持ち、太い足の脚力から放たれる突撃と動きの速さが売り。重さからくる上半身の力も強く身長1.2倍体重2倍。冒険者中盤の強敵。正確は人間よりやや怒りやすく怠け者。但し怒ると暴れ尽くすまで止まらない。

 初めて見た。オークの解説。獣人特異亜種?獣人は確かパンダから貰う事になっている獣人システムを使えば獣人を作ることができる。がその中に特異亜種の話はない。これもしかして…隠し要素かもしれん。体も大きいが、聖女たちは見敵必殺の勢いで殺して侵攻したそうだ。ダンジョン自体は簡単だが中庭に通じる通路の奥、中に刃には初めてのボス”オークリーダー”がいる。そして周囲にはオークファイターたちがいる、ゲームではオークリーダーだけと戦闘し、リアルでは護衛がいる事。そしてオークは3種類いて、”オークポーン””オークファイター”、”オークレディ”がいた事。そして本来ならクリア後だけの要素であるはずの”オークキング”と”オーククィーン”がいる事だ。そしてここもリアルとゲームに差があると…報告書にある、オークリーダー以外は交渉が可能な事。但し先制攻撃したことがあると
途中で兵士が着て…戦闘になるという事。ここまでが固定である。そして…オークレディとオーククィーンは肉付きが良い女性の体をしている言う点が違う点だ。顔はお察しらしい。ただ、そこまでして…オークを倒す理由がオーク系のドロップ”豚肉”だ。これが上で非常に人気でこれ狙いで騎士団が来るのだ。下に降りるだけなら。
「すまない。」
「何ブヒ?」
「中庭にはどういったら?」
「…こっちブヒ。」
 と、こうやって優しい声をかけていけばいい。TRPG原則の1.戦闘は時間の無駄。できるだけ削るべし。マスターの負担もそうだが変に戦闘すると物資もテンポも時間も無くなる。なので、戦闘を避けれるなら徹底的に避ける。避けれないなら策略(イベントのみ)で殺す。それができないなら戦闘だ。って事。
「でもなんで来たブヒ、ここはダンジョンマスター様の居城ブヒ。」
「出来ればあいさつ代わりに贈答品をな。」
 取り出したのは買い込んでおいた、そこそこ高いお酒だ。TRPG万能兵器3種の神器の一つ。酒である。あと二つは松明とロープだ。酒は贈答用で使えてしかも飲み物、火責めや消毒。様々な用途で使える。特に高めの酒は効果が高いので、ダンジョンに入る時は数本抱えておくのがセオリーだ。
「おいしそうブヒ。」
「これを差し上げたいから来たんだ。」
「こ、こっちブヒ。」
 なんか興奮しつつ中庭まで来ると、オークリーダーが中庭で素振りをしていた。
「なんだブホ?」
「ダンジョンマスター様に酒の届け物だそうですブヒ。」
 いや、語尾。と思いつつも、友好そうな笑顔を絶やさない。
「ふむ、お前のような小気味悪いマッチョが何の用ブホ。」
「いやあ、あいさつにこれと…これを。」
 そこで秘策である、デデッポの丸焼きを取り出す。
「ぐぐ、お主…それをか…。」
「そうだが、叶うかな?」
「ぐぐうぐ…ブホ。」
 いや、口癖!視線は完全に丸焼きだ。なら、これでどうだ?
「これ、ダンジョンマスターの安全のために毒見してみないか?」
「な!いいブホ!?」
「酒ももう一本ある、丸焼きもだ。だからどうだ?」
 私は酒と丸焼きをリーダーのすぐそばに置いた。目はもう…食べ物にしか向いていない。
「わ、分かったブホ。ダンジョンマスター様の為だ。毒見してやるブホ。ありがたく思うブホ。」
 そう言うと連れてきた兵士と二人、かぶりつくように丸焼きを食べていた。それ、毒見の食べ方じゃない。ツッコミを入れようと思ったが、全員口をつぐんだ。言えば問題になるのは分かっているからだ。
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