922 / 1,270
第20章 それは柴崎エナリシア
第914話 良い借金、悪い借金
しおりを挟む
帰った後の鳥海は終始苦笑いだった。確かにそうだ。
「呆れただわさ。これで貸し付けたら、恨まれていただわさ。」
「…大丈夫なのか?」
「それは私がお答えします、借金にはいろんな形があります。」
答えたのは柴崎さんだった。そう言えばこの人は元官僚だったな。
「借金の中にはその案件を必ず聞きます。そしてそこの潜在的リスクを徹底的に割り出し、相手を否定するところから始めます。」
「なんかひどいな。」
否定とか…。
「私に来るところの多くは、最も嫌な言い方をすれば頭花畑の連中が碌に精査もせずにしかも無駄に成功することしか考えないで組んだお小遣いの要求書です。」
…。
「ひどくないだわさ?」
「私たちのお金は常に国民から預かった大事な…失敗が一厘(一文の十分の一の単位)さえ許されないそんな場所です。確かに失敗もありましょう。だが連中の書き方にその失敗への補填方法が書いてありません。私達も博打は嫌いではありません。その繰り返しが国を良くします。それを分かっていても、書類の不備、いや騙したいだけの予算を奪う馬鹿どもから守るのが、監査室のお仕事なのです。マスターも建築家とお聞きしました。ならば建築材料に妥協はしないでしょう。予算内で済まそうとするでしょ?」
「確かにな。建築家の仕事はその予算内で最高のパフォーマンスを出すことだ。当然事故もあるが、そこは自分で出すぐらいの覚悟でやっている。」
…二人とも感心した目で見るな。
「その中で言う…予算内での最高のパフォーマンスという言葉だけが書類を出す連中に無いのです。しかも自分たちの予算を持っているにもかかわらず、こっちに払わせる分量を増大しようと…常に悪意にさらされる…嫌な仕事でした。あそこは。おっと…。」
「その中において、必ずあるのが、全員の意識外にある失敗という言葉があります。誰も思いつかないけど簡単な事で失敗した。この時の責任は?という言葉です。」
「だれが責任を取って金を払うのか…って事か。」
「はい。今回の件なら、例えば私たちがその人間が参加できない事を知っていて、その人間のために借金をさせたとします。そして相手はそれが出来ない事を知りました。それは誰が被害を被るべき?」
元って気だ田園地帯でいろりを囲む会話だが、間に挟まる火が…妙に熱く感じる。
「誰が被害を被る?」
「まずは借りた本人です。そんな事を調べなかったんです、その人が責任もって払うべき?次にシステムを決定した運営側に払わせる?又は、それら無視して借金を貸した側が泣き寝入りしてそんをすべき?目的は何をしても果たせないんですから。そして、この状況に追い込まれた借り手は…関わった段階で何をしても私達貸し手を恨みます。この時一番いいのは貸さない事です。…これが貸付側のリスクでもあります。だからこそ…お互いの為に精査しているんです。場合によっては騙されている場合もありますし、騙している相手がそれを分かった上で放置しないといけない権力者な事もあります。ですが、それら含め私たちは精査するんです。ですから。今回の県は未然に防げて、正解だっとと思います、そこのビッチが悪意全開で、相手を潰しそうでしたがね。」
…柴崎さんの恨み凄いな。
「坩堝は黙っているだわさ。でも…確かにそうだわさ。どんな企画書も相手に伝える努力と、その必要性の情熱が必要だわさ。」
「でも、貸して恨まれるのか?こっちは善意で貸していてもか?」
「そう言う物です。予算でも一緒です、うまくいかないなら、足りない…できない…言い訳の山です。失敗から学ばない人も多いです。そして他人の金だと思ってその人の博打に追加予算を付けたがるのです。当然成功確率は各所に聞きます。その上で…ダメな場合が多いんです、そこはバッサリ切ります。その時の相手の顔はこちらを殺人鬼のように恨んだ顔で見ていますよ、私たちが金を出すというのに…。」
「本気で勇者一行についていって気楽な生活してきた方がいいぞ。別な意味で心配になって来た。」
『狩人も一緒、ただし失敗のつけが自分の命。それだけ。他人に払わせる前に自分で何とかするのほうが普通。』
そう言えばエナリシアも狩人なりのドライな部分があるのを忘れていた。
「呆れただわさ。これで貸し付けたら、恨まれていただわさ。」
「…大丈夫なのか?」
「それは私がお答えします、借金にはいろんな形があります。」
答えたのは柴崎さんだった。そう言えばこの人は元官僚だったな。
「借金の中にはその案件を必ず聞きます。そしてそこの潜在的リスクを徹底的に割り出し、相手を否定するところから始めます。」
「なんかひどいな。」
否定とか…。
「私に来るところの多くは、最も嫌な言い方をすれば頭花畑の連中が碌に精査もせずにしかも無駄に成功することしか考えないで組んだお小遣いの要求書です。」
…。
「ひどくないだわさ?」
「私たちのお金は常に国民から預かった大事な…失敗が一厘(一文の十分の一の単位)さえ許されないそんな場所です。確かに失敗もありましょう。だが連中の書き方にその失敗への補填方法が書いてありません。私達も博打は嫌いではありません。その繰り返しが国を良くします。それを分かっていても、書類の不備、いや騙したいだけの予算を奪う馬鹿どもから守るのが、監査室のお仕事なのです。マスターも建築家とお聞きしました。ならば建築材料に妥協はしないでしょう。予算内で済まそうとするでしょ?」
「確かにな。建築家の仕事はその予算内で最高のパフォーマンスを出すことだ。当然事故もあるが、そこは自分で出すぐらいの覚悟でやっている。」
…二人とも感心した目で見るな。
「その中で言う…予算内での最高のパフォーマンスという言葉だけが書類を出す連中に無いのです。しかも自分たちの予算を持っているにもかかわらず、こっちに払わせる分量を増大しようと…常に悪意にさらされる…嫌な仕事でした。あそこは。おっと…。」
「その中において、必ずあるのが、全員の意識外にある失敗という言葉があります。誰も思いつかないけど簡単な事で失敗した。この時の責任は?という言葉です。」
「だれが責任を取って金を払うのか…って事か。」
「はい。今回の件なら、例えば私たちがその人間が参加できない事を知っていて、その人間のために借金をさせたとします。そして相手はそれが出来ない事を知りました。それは誰が被害を被るべき?」
元って気だ田園地帯でいろりを囲む会話だが、間に挟まる火が…妙に熱く感じる。
「誰が被害を被る?」
「まずは借りた本人です。そんな事を調べなかったんです、その人が責任もって払うべき?次にシステムを決定した運営側に払わせる?又は、それら無視して借金を貸した側が泣き寝入りしてそんをすべき?目的は何をしても果たせないんですから。そして、この状況に追い込まれた借り手は…関わった段階で何をしても私達貸し手を恨みます。この時一番いいのは貸さない事です。…これが貸付側のリスクでもあります。だからこそ…お互いの為に精査しているんです。場合によっては騙されている場合もありますし、騙している相手がそれを分かった上で放置しないといけない権力者な事もあります。ですが、それら含め私たちは精査するんです。ですから。今回の県は未然に防げて、正解だっとと思います、そこのビッチが悪意全開で、相手を潰しそうでしたがね。」
…柴崎さんの恨み凄いな。
「坩堝は黙っているだわさ。でも…確かにそうだわさ。どんな企画書も相手に伝える努力と、その必要性の情熱が必要だわさ。」
「でも、貸して恨まれるのか?こっちは善意で貸していてもか?」
「そう言う物です。予算でも一緒です、うまくいかないなら、足りない…できない…言い訳の山です。失敗から学ばない人も多いです。そして他人の金だと思ってその人の博打に追加予算を付けたがるのです。当然成功確率は各所に聞きます。その上で…ダメな場合が多いんです、そこはバッサリ切ります。その時の相手の顔はこちらを殺人鬼のように恨んだ顔で見ていますよ、私たちが金を出すというのに…。」
「本気で勇者一行についていって気楽な生活してきた方がいいぞ。別な意味で心配になって来た。」
『狩人も一緒、ただし失敗のつけが自分の命。それだけ。他人に払わせる前に自分で何とかするのほうが普通。』
そう言えばエナリシアも狩人なりのドライな部分があるのを忘れていた。
0
お気に入りに追加
45
あなたにおすすめの小説
ユーヤのお気楽異世界転移
暇野無学
ファンタジー
死因は神様の当て逃げです! 地震による事故で死亡したのだが、原因は神社の扁額が当たっての即死。問題の神様は気まずさから俺を輪廻の輪から外し、異世界の神に俺をゆだねた。異世界への移住を渋る俺に、神様特典付きで異世界へ招待されたが・・・ この神様が超適当な健忘症タイプときた。
(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」
音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。
本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。
しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。
*6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。
のほほん異世界暮らし
みなと劉
ファンタジー
異世界に転生するなんて、夢の中の話だと思っていた。
それが、目を覚ましたら見知らぬ森の中、しかも手元にはなぜかしっかりとした地図と、ちょっとした冒険に必要な道具が揃っていたのだ。
異世界に追放されました。二度目の人生は辺境貴族の長男です。
ファンタスティック小説家
ファンタジー
科学者・伊介天成(いかい てんせい)はある日、自分の勤める巨大企業『イセカイテック』が、転移装置開発プロジェクトの遅延を世間にたいして隠蔽していたことを知る。モルモットですら実験をしてないのに「有人転移成功!」とうそぶいていたのだ。急進的にすすむ異世界開発事業において、優位性を保つために、『イセカイテック』は計画を無理に進めようとしていた。たとえ、試験段階の転移装置にいきなり人間を乗せようとも──。
実験の無謀さを指摘した伊介天成は『イセカイテック』に邪魔者とみなされ、転移装置の実験という名目でこの世界から追放されてしまう。
無茶すぎる転移をさせられ死を覚悟する伊介天成。だが、次に目が覚めた時──彼は剣と魔法の異世界に転生していた。
辺境貴族アルドレア家の長男アーカムとして生まれかわった伊介天成は、異世界での二度目の人生をゼロからスタートさせる。
あなたがそう望んだから
まる
ファンタジー
「ちょっとアンタ!アンタよ!!アデライス・オールテア!」
思わず不快さに顔が歪みそうになり、慌てて扇で顔を隠す。
確か彼女は…最近編入してきたという男爵家の庶子の娘だったかしら。
喚き散らす娘が望んだのでその通りにしてあげましたわ。
○○○○○○○○○○
誤字脱字ご容赦下さい。もし電波な転生者に貴族の令嬢が絡まれたら。攻略対象と思われてる男性もガッチリ貴族思考だったらと考えて書いてみました。ゆっくりペースになりそうですがよろしければ是非。
閲覧、しおり、お気に入りの登録ありがとうございました(*´ω`*)
何となくねっとりじわじわな感じになっていたらいいのにと思ったのですがどうなんでしょうね?
絶対に間違えないから
mahiro
恋愛
あれは事故だった。
けれど、その場には彼女と仲の悪かった私がおり、日頃の行いの悪さのせいで彼女を階段から突き落とした犯人は私だと誰もが思ったーーー私の初恋であった貴方さえも。
だから、貴方は彼女を失うことになった私を許さず、私を死へ追いやった………はずだった。
何故か私はあのときの記憶を持ったまま6歳の頃の私に戻ってきたのだ。
どうして戻ってこれたのか分からないが、このチャンスを逃すわけにはいかない。
私はもう彼らとは出会わず、日頃の行いの悪さを見直し、平穏な生活を目指す!そう決めたはずなのに...……。
かつて最弱だった魔獣4匹は、最強の頂きまで上り詰めたので同窓会をするようです。
カモミール
ファンタジー
「最強になったらまた会おう」
かつて親友だったスライム、蜘蛛、鳥、ドラゴン、
4匹は最弱ランクのモンスターは、
強さを求めて別々に旅に出る。
そして13年後、
最強になり、魔獣四王と恐れられるようになった彼女ら
は再び集う。
しかし、それは世界中の人々にとって脅威だった。
世間は4匹が好き勝手楽しむ度に
世界の危機と勘違いをしてしまうようで・・・?
*不定期更新です。
*スピンオフ(完結済み)
ヴァイロン家の少女が探す夢の続き~名家から追放された天才女騎士が最強の冒険者を目指すまでの物語~
掲載中です。
『異世界庭付き一戸建て』を相続した仲良し兄妹は今までの不幸にサヨナラしてスローライフを満喫できる、はず?
釈 余白(しやく)
ファンタジー
HOT 1位!ファンタジー 3位! ありがとうございます!
父親が不慮の事故で死亡したことで最後の肉親を失い残された高校生の小村雷人(こむら らいと)と小学生の真琴(まこと)の兄妹が聞かされたのは、父が家を担保に金を借りていたという絶望の事実だった。慣れ親しんだ自宅から早々の退去が必要となった二人は家の中で金目の物を探す。
その結果見つかったのは、僅かな現金に空の預金通帳といくつかの宝飾品、そして家の権利書と見知らぬ文字で書かれた書類くらいだった。謎の書類には祖父のサインが記されていたが内容は読めず、頼みの綱は挟まれていた弁護士の名刺だけだ。
最後の希望とも言える名刺の電話番号へ連絡した二人は、やってきた弁護士から契約書の内容を聞かされ唖然とする。それは祖父が遺産として残した『異世界トラス』にある土地と建物を孫へ渡すというものだった。もちろん現地へ行かなければ遺産は受け取れないが。兄妹には他に頼れるものがなく、思い切って異世界へと赴き新生活をスタートさせるのだった。
その他、多数投稿しています!
https://www.alphapolis.co.jp/author/detail/398438394
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる