魔界建築家 井原 ”はじまお外伝”

第２０章 それは柴崎エナリシア

第８６７話 仕事に言ってしばらくたって他の町に行くと浦島感生まれる。

「ふむ、確かに国家運用ですか…確かに私向きの仕事です。ただ、問題が多すぎて…即座の解決は難しいかと。」
　柴崎さんは今までの会話を聞いて、メモを取っていく、
「後、研究部門の立ち上げは素晴らしいですが、投資が…。」
「投資先がないんdな。初期収得だからな、今は。」
「となると、まずは市街地の見回りが優先です。そこでヒントを得て…活路につなげましょう。」
　変わった感じの人だな。
「後作って欲しい物とかあるのかのぉ。」
「あ、はい、名刺をできれば２０セットで。」
　・・・ジャパニーズサラリーマンかよ。電子化ととか言うのに…という仮想化、ここはまだ中世時代だから。そんな便利な物はない。という事か。

　一応ドランも付いてくるという事で、まずはルーティの町を見て回る、ここは活気のある木工職人や革職人が集う工場都市だ。
「活気がありますね。」
「まあな。夢にあふれている、」
　ルーティは豊かな都市である、各所には家具職人、革職人、最近では朝を使った繊維職業や麦わらを使った加工職人も。そんな職人たちはがここで切磋琢磨して生きている、そんな人々だ、儲け話に隣のダンジョンのある街からこっちに加工品を運んだり、狩猟最前線から運び込まれた素材を買い込み、様々な道具を作っていく。
「面白いのぉ。」
「ここはギルド議会制だ。がまあ、私はここでも一介の職人だ。」
「お、フェルミィちゃん。この方は？」
「今日のお客様ですー。」
　私の顔を知っている奴も少なくなったが…フェルミィの顔を知っている奴は多い。フェルミィはダンジョンの細工を作る関連でメイド服とかを着て加工品の依頼を頼んだり、わざと町の案内人を買って出て、来た人間の動向を探っていた。但し知っている人間からすると、水戸の御老公じみたムーブに見えるそうだ。ただフェルミィも私と一緒で、愛用の工具ベルトを…スカートの下に持っている、
「そうかい、偉いねぇ…。」
「さて、まずは…。」
「そこで…ってあれは？」
　柴崎さんが指差したのはあれは、マルワール帝国の北部にある村の貴族のマークとそして謎の料理をテーブルに置いたオッサンだった。
「初めて見るな。」
「あいよ。どうした？」
　そういえば、いらっしゃいとか言う挨拶もまだ普及してないのか、愛想よくしておけば売れそうだが…というか代の上にあるのは…
「それは？」
「最近ダンジョンの町で流行りだという”パンクオーネ”って奴だよ。」
　どう見ても…ミートパイだな。でもこんな料理私は見た事無いぞ。
『あ、あのパンですか、』
　エナリシアは知っているようだ。
『結構腹が膨れるので、向こうでは祝いがあったり、狩りの成功祈願で食べられるんですよ。』
「うーん、味のイメージは湧くんですけど…該当がないんで…。」
「じゃあ、そいつ。」
「銅貨２０で、」
「三つ。」
　おっさんが木で作られたナイフで丁寧に切っていく。そして８等分されたパイを３人に手渡す。そしてそれをかぶりつく。
「ふむ、変わった料理じゃのぉ。」
　確かにそうだ。肉の味にオーブン焼きされたパイが、口にねっとり張り付く。その生地が甘く、そして柔らかい。肉には塩味しかついていないが…ん、燻製されているのか凄いワイルドな味になっている、
「確かに…。」
「ありがとうな…。」
　この生地何か…使えそうだが…。