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第19章 VS飛鳥

第851話 商品は作ってから考えるパターンもある

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 いろいろ可能性を考えた物の確定可能性への対策は、”記憶時に止める”程度でいいとなって、まあデビュタントにある程度の服を探すことになった。一応もう休暇みたいなものだ。でもここだからこそできることができる…。
「よろしくお願いします。できれば…。」
「まずはこちらを、お互いの信用が第一です。」
 そう、商談だ。ここは世界会議の各王が訪れる遊技場だ。俗にいうロビー活動って奴だ。
「出来れば、イーハ商会の店を…支店を建てていただきたい。」
 一応、別人だという事にフェイクマインドでなっている、ミラージェは、千鳥万花の関係者という事になっている、
「そこが問題でして、あそこかゴブリン村・・・リーメ君の領域です、そこの許可なしに
「あ、僕は大丈夫です、村で決めて来ました。」
 ついでにリーメ君もいる、というより最近は一緒な気がする。
「村長が言うには、安い防具はダンジョンに必須なので、導入したいです。」
「出来れば、品質を…。」
「ジャン。」
「は。」
 こういう時のジャンは悪態も付かない。さっと防具を持ってくる、
「こちらが最高級品”バイラードアーマー”です、こちらの表層は魔獣の皮”バイラード”を用いており、更に硬質ゴム、さらにこの曲面加工により打撃の軽減が大きく、特に防寒には強い仕様となっております。」
 ジャンが持ってきたのは、最新アーマー。ホワルカナン北部で見つかった硬質ゴムと”ブラッドプール”を用いたでんぷんノリを使ったそれなり強力ゴムの防具だ。ついでに表層からバイラードの皮、硬質ゴム、ホワルカナン製柔らかい木の順であり、ゴム以降は2層重ねにしたなお、硬質ゴムの駅代コーティングで着た時の不快性を軽減。但し時間が間に合わず、テストはしていない。只表層のバイラードの革が厚く、これだけで打撃を軽減。さらに刃物も軽減。重さは重心の調整で感じないように軽減。かなりの物となる、
「どこまで行けます?」
「これはまだ…ダンジョンバトルでは投入が難しいでしょうな。」
 流石に二人とも落胆する。
「現在評価中ですが、STR4千までは耐えました。が、一万を超えると難しいでしょうな。」
 防具は試験中だった。いや、忙しくて試験できていない。ただこれをシルキーたちに配って傭兵部隊にする案もあったが、イーハ商会の新型となると、
「後は…。」
「なんかあるんです?」
「材質上比較的火には耐えますが、比較的を超えません。寒さに耐性はありますが隙間からもれます、風の耐性には…重さが足りていませんね。」
 真顔に言う私に呆れているようだ。
「4千って…。」
 普通のモンスター雑魚なら大丈夫だが、ダンジョンマスターが絡むと不安が勝る。
「そこまでこれば、大丈夫なのでは?」
「うーんたしかに微妙ですね。」
 エクトネーゼ王は満足そうにうなずくが、リーメ君はちょっと不安そうだ。
「ですので、ダンジョンバトルに耐えるほどではないと思います、全身鎧にするなら特注なります。」
「全身か…。」
「靴だけでもというなら、こちら…。」
 そう言って取り出したのは、グリーブ(具足)だ。
「これは?」
「はい、勇者たちの靴を解析して作った。”バイラードグリーブ”ですね、売りは靴の接地面で踏ん張りがきくので、予想以上の火力が出ますが、流石にモンスター向けは。」
「いや、少し聞いていいか?」
「何でしょうか?エクトネーゼ王。」
「君は誰と戦うんだ?」
「いえ、」
「それだけあれば、普通は果報だと思うのだが?」
「一つ欠点がありまして、手入れ無しの場合、革の部分が腐る可能性があります。」
「いや、それだけ物もがあれば、我が国で支店を開いてもらえないのか?」
「いえ、私たちの技術はまだ御社の要求を満たしているとは…。」
「ちょっと待て、イーハ。」
「何だ?ジャン。」
「誰相手の商売のつもりだ?」
「ゴブリン村のミニゴブリン向けだと思ったが?そうなると、4千では足りないという話を聞いている、
「人間でそこまで行くか?」
「あ…。」
「そうだ、私たちの城や、冒険者向け…。」
「すまない、普通の人間をゴブリン村のミニゴブリンに勝てるほどにする防具はまだ完成していない。もっと精進が必要だな。すまない。」
「あ…いや…。」
「違うんだよな、それ。」
 第一、エクトネーゼはゴブリン村のモンスターと戦っているのだろう。当然必要な性能だろうが。
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