魔界建築家 井原 ”はじまお外伝”

どたぬき

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第19章 VS飛鳥

第831話 あいさつ回りでゆったり展示を見るのは出展者の利点です。

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 次の挨拶は、隣の…ん?…んん?
「ダンジョン名だと思ったが?」
 中は普通の…スチールラックを模した中に食品や魔道具などが置かれている、一応、大型取引ではジャンが言うに魔道具は楽園の棚に眠っているが、制作者の紹介はされたことがない。
「いえ、これは店舗名です。」
 そう、そこにいたのはハーリスさんであり…。
「そうだったのか?初めて見たのだが。」
「雑貨店NEOはこちらです。」
 浮遊島のギルドに併設された特殊店舗で、店員からすべてが特殊というある意味謎の店、それが雑貨店NEOだ。主に魔道具を扱っている…のか?
「魔道具の店か?」
「いえ、ギルドおよび魔王軍の試作品を置いてあります。こちら”新鮮カウミルク”とか、後…。」
 ただ、私も数回はリンシュメルトを訪れて
「チーズはあるか?フレッシュチーズやプロセスチーズどちらでもいい。」
「チーズですか?」
 少し試し…だな。
「あればでいいがな?」
「無いですね、そう言えば…。」
「魔道具は、どれがある?」
「あ、こちらに。」
 実はチーズには”子牛の腸の細菌”や”羊の腸の細菌”などが欲しい。だからこそ。聞いてみた。ただこれには最低でも畜産が必須で、多数の動物の材料が欲しい。増殖も可能だが、それには魔法も欲しい、ないという事か…。知識の方は例の異世界チート科学の本からだ。
「結構多いが…。」
「ここは冒険者支援用が多いので、」
「これは?」
 棚に丁寧に飾られている、住のようなものを見つけた。しかも二つある。
「それはマジックシリンダーと呼ばれる銃技専用の武器として販売されているのですが、火力が出ないんです。」
 銃技…そう言えば聞いたことがある、格安スキルオーブではあるが、人気がない上にダンマスへの販売はほぼないという限定スキル。
「構造は?」
「そこに筒に包まれた”魔法の矢”の付与魔法で発射機構がある魔石を使った武器です、」
 攻撃魔法…のもっとも初期の攻撃魔法だ。この魔法はファンタジーマニアにとってはなじみ深い最強の魔法だ。マジックアローという言い方は初心者。マジックミサイルと言って中級だ。只の魔力を射出するだけの魔法で、威力もない。ただ、この魔法をオウルで見た時に感動し、攻撃魔法の使用を聞いて感動した記憶がある。
”始原にして究極”を体現した魔法だからだ。最初から覚え、威力の倍率がそこそこで、レベルが上がると、剣聖にこれを討つ、威力の高い魔法を乱射し、最後はこれだけ。という事も多い。そして最後の強敵は常に最後はマジックミサイルでいいから乱射する。それが戦闘のいつもだったり、節約と言ったらこいつが顔を出し、一番唱えている、と言われてもおかしくない、それがマジックミサイルだ。この世界の魔法の矢は、そこまで強くないように見える、見えるだけだ。レベル一の攻撃魔法乙。なんていうのは初心者だけだ。この魔法、攻撃力だけなら他のレベル3と一緒の攻撃魔法と、属性効果がないだけで一緒だ。しかも消費はレベル1のMP5。威力はレベル1に置かれているだけあって。3までアップしている場合、60%増しと、付随効果さえない欠点を除けば最強だ。
 ついでに付随効果は火が延焼。水が衝撃貫通、風が不可視、土が物理相殺、光が高速、闇が影配置だ。いずれも結構強いため、水木が聞いた話では、この講習は必ず行われる、火は燃焼可能な物を燃やしてダメージの持続がある、なお、材料も燃やすため、火魔法は殺意の象徴とされている。水は衝撃貫通、接触した相手の防具か硬度効果を減らす。重さや衝撃が均等に伝わり、衝撃が防具を貫通する事が多い、気絶を狙う場合は水を用いる。土の物理相殺は、岩がそのまま飛ぶので、火、水、風とぶつかって接触させ、闇も岩の矢の位置で止まる、その為相殺できるという意味ではかなりの強さである、ただし…防具でも軽減が容易で、そこが欠点だ。光の高速は目視しずらい上に防御が難しい、ただし…威力は低め。
闇の影配置は闇の矢の着弾地点や通過地点に影が配置可能だ。その影を通じた影移動が可能だ。但し総量は自分の影の濃さと、量に応じて、更に自身の影が減る為見る者が見れば配置してあるが、簡単にわかるのだ。魔法の矢はそれらがない代わりに同レベル体で60%威力が高く汎用性が高いというのが売りだ。
「威力がないのか?」
「正確には本人の魔力に応じた魔法の矢が出るのですが、威力が一定以上の方には試射していただき、安全に撃てるか確認の上で販売しています。」
「どういう意味だ?」
「そのシリンダーが魔力が強すぎると、耐えきれなくて破壊され、足りない場合は、ゴブリンの皮膚でさえ貫通しません。」
 あ…そう言う事か。周りの金属が固くないと射出した魔法の威力に耐えれないのか…。
「なので、冒険者さんの実力で販売しております。」
「私に売る気はあるかね?」
「…考えさせてください。」
 ハーリスは苦笑いして答えた。…ここでの意味は改良してやるから、これをコピーさせろって事だ。正確には付与魔法の先さえわかればコピー品は作れる、だが作れば
「ダメか?」
「主の許可がいりますので。それに専門の部署もありますので。」
 そう言えば、ヨミの武器に”聖銃シングルブリット”という物があった。その事か…。ふむ、こういう魔導部関連の開発も急いだほうがいいか?
「今回の件で…。」
「それも上司の方は予測済みです。ですから…もう少しお待ちください。」
 ん?上司?
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