魔界建築家 井原 ”はじまお外伝”

第１９章 VS飛鳥

第８２７話 ショッピングセンターの専門店は基本”出店してもらう側”

　それから数日、久々に休みを堪能していると、ついに乗船する日になった。その前に…各個人にミアックさんと言われた”商業ギルド”係員の人が来ていた。
「今回はイーハ商会様に置かれましても…。」
「アチシ達は、あいさつより実利だわさ。」
　一瞬ミアックさんが詰まった顔をしていたが…それもすぐに収まり、会議室のテーブルに座る、このホテルの形式は貸出会議室があるタイプらしい、
「各商店さんと会議をしていまして。場所についてですね。それが、リラシルトからも商人が来て、先行予約をされると。」
　リラシルト、ここに来ても妨害か…。
「どうするだわさ？」
　一応イーハ商会案件なので、ミラージェとして来ている、
「私は構いません。今回売れなくても。ですので、他の方を優先なさってください。」
「ごねることも可能だわさ。いいだわさ？」
　一応こう見えて今では大手防具工房持ちの大商会である、今回は食品も提供する。まあ、鳥海に言わせれば、利点を見せつける事で、有利に事を運ぶための餌だそうだが。
「今回は勇者、冒険者があまり来ていないので、商売はあきらめています。」
　今回、ギルドは一応、王級及び有名冒険者や遣唐使に参加を求めたらしいが、同席者を聞くと全員断ってきた。王様と一緒にバカンスは、無礼に当たるそうだ。護衛なら行くというが…金を払って呼び寄せる気にな…ギルドはならなかった。ただ、亜人同盟のダンマスにしろ、その他のダンマスにしろ。冒険者が相手できる程度は通り越していた。最悪スキュラ部隊の誰かに喧嘩を売ってしまえば、その場で物理的に踏みつぶされる危険性のあるのだ。それに護衛費を払ったとあってはギルドも問題になるだろう。
「でも…友好を結びたい方はいらっしゃるのでは？」
「それはパーティ出来ますし、目立つ格好は致しません。」
「今回は楽園も出店するって聞いてるぜ、そっちの方が大きいだろ？」
　今回はギルド商会関連のメル・ジーン商会、楽園、パルミダークの酒造メイカー。ミーアブランド、聖女教協会後リラシルトから１０の商会が参加する。
「確かに…。」
「大方他の連中のほうがそっちに迷惑をかけるだろうよ。」
「確かに…。」
「できれば、力を認めているなら、もっと早い打診があってもいいだわさ。」
「そ、それは…。」
「分かっているだわさ。商業ギルド未加入の組織が冷遇されるのは理解してるだわさ。」
　そう、今回の順番として、私たちは最後の方だ。当然商業ギルドの加入しているところが優先されたのだ。私たちはまだマルワール帝国がまだギルド未加入なので優遇は去れないのだ。
「わ、分かっています。」
「ま、店さえあれば・・・・文句は言わないだわさ。当然。」
「分かっています。分かって。で、では。」
　慌てるように、ミアックさんは立ち上がって、足早に会議室を出ていく、
「いいのか？場所は重要だぞ。」
「大口なら、まあ、一回店にこればいい、まったく意味はないぞ、立場上な。」
　実際豪華客船の商店などは、小物以外ならブランドの高級品をカタログみたいに並べ、友達との買い物を楽しんでもらうための店だ。売り上げは基本度外視だ。と思っている、第一私たちは革系の防具屋である。夏のバカンスで売れるほうがおかしい。まあ実際は飲食なども提供したので、そっちは売れるだろうがその手札はまだ早い。