魔界建築家 井原 ”はじまお外伝”

第１９章 VS飛鳥

第８２０話 本を丸暗記できるモンスターは有利か不利か？

　彼女たちの行く末と…送迎が終わり次第、今度の仕事はリゾートホテルの空いた古アデノ基本的な”接客研修”だ。これは実はスポナー作成の際のオプション”書籍投入”を使った、知識圧縮を行っている、これはスポナーにある細工文章を行い、”○○という本の内容を参照する”という文章をスポナー設定に入れて。その上でスポナー生成時にその本を一緒において取り込まさせる。そうすることで、その本の内容を覚えているモンスターができるのだ、但しこれが使えるのはソウルレベル３であり、学習のスキルが入ったモンスターのみだ。これで建築方法と、礼儀作法を記憶させた。本の方はさらにリストから消滅したが、この本をギルドの要求済みだ。その為ホテルのハウスキーピングぐらいの教育だけで彼女たちは十分育ってくれた。ただこの書籍投入はいくつかの欠点ではなく難点がある、一つはスキル要求が多すぎる点。そしてもう一つは”完全な記憶は難しい”という事だ。まずメモなどの場合”個人氏名を含まない”が必須だ。その上書籍として大体７万冊の発行実勢が無いとだめらしい。それ以下は書跡として認定されない。後、どうも販売実績が欲しい可能性もある、それらの難関を超えた異世界的な本が投入できる、これに”異世界側での実績”が含まれるのが大きい。が、これは知力による覚えていられるページ数や何らかに変動がある。知力を上げるにはレベルが必要で…しかも結構一回で思い出せる範囲は少ない。隠しスキルと言っていいな用だ、しかもこれは”スポナーのみの限定機能”だ。その為償還後に相手を説得して仲間になっても足る必要がある。
「でもまあ、黒木たちも含め、みんな…。よくやるな…。」
　送迎も終わり、研修はフェルミィに任せ・・・ミラージェの体にスイッチして、恥ずかしながら水着を着て…ビーチで寝転がっていた。私は日本人的に忙しい人間だったこともあり、そこまで…ビーチでのんびりとか考えたこともない、そして、あの船の内装とはいえ、担当できた喜びもある、
「隣良いか？イハラ？」
「…柳田。」　　
「最近看破を手に入れる機会があってな。どうにかだ。」
「…座れ。」
「ああ。」
　ヤナギダがビートで寝転がっているビーチチェアのとなり…一応このチェアは…二つがワンセットでセットになっている、今回はシルキーに表記を偽装してあったはずだが。
「外見は前に合っただろ？買えなかったのか」
「変身のスロット的にな物があるが…それ以外に魔法の維持とかが面倒でな…。」
　実際変身もそうであり、それ以外のダークマターや幻覚など維持のために最大ＭＰを削れば多彩な返信が可能であることは分かっていた。が。ミラージェの外見から変更は好きではなかった。
「この姿は、無きというより思い出の妻のでな…。怪我したくない。」
「そうか、それはすまないな…。」
「改めて何の用だ。」
「井原、ドランは知っているか？」
　…？
「知らんが？」
「知っていればだれか、行方を知っているものを探している。」
「敵対しているとか、聞いたことがあるが？」
　一応外見は眼鏡の優男である柳田と、ミラージェの外見で、あまり派手さのない水着を着た私たちが…隣り合って海岸を見ていることになるが…。
「そうなのか？確かに憎い気持ちがあるな、だがそうも言っていられん。事態は動いている、」
「事態が？」
「スキュラとは和平を結べた…ハイポーションは知っているだろう、あの利権の折版を代償にだ。」
　ここで知らぬ存ぜぬはまずいか、情報を聞き出してみるか…。
「焦っているのか？」
「そうとも言えない…。スキュラは金になると思うとかで来る、あのリラシルトの腐った連中と一緒の腐ったタコだ。だが、我々もいずれ…そうも言っていられなくなる。」
　何かあるのか？
「いずれ、私の予測だと…インスタンスダンジョンのモンスターで地上はあふれる事になる。」