魔界建築家 井原 ”はじまお外伝”

どたぬき

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第19章 VS飛鳥

第808話 設計は要望書から組み合わせ設置が基本です。

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 一気に床が敷設され、やっと船の甲板より上部が製作開始…それに伴う、外殻が完成し、ようやく次のステップに移行できる、
「本当に済まない。こういう事になるとは…。」
「でだ、要望書を見せて欲しい。」
 そう、これが相良から頼まれたことの2番目だ。実際の飛鳥と違い、ダンジョンである飛鳥は内部に出入港をいくつも抱える、巨大ダンジョンだ。ただしこの船幽霊ダンジョンはかなり有利な部分がある、ダンジョンであるためか、船体の重さに”ダンジョン内部”を含まないのだ。その為どんなに重いものを設置しても沈まない。船体も下がらない。但し最初から人間のバタ足程度の出力しかでないが…。その分この飛鳥にコンクリート流し込んでも、軽量の船と一緒の機動が出せる、だからこそ、基本的な部分の宿泊部分を出せばダンジョンである以上どこからでも自分の部下を配置できるため、本来は宿泊施設なんて必要ない。だからこそ、宿泊DP稼ぎのメインである上層部を早く仕上げたかった。特に1F,2Fは要望により、”商店街”や、レストラン、楽団の設置など、さまざなまショーを行う、普通ならここで客船最大の収益源。カジノスペースがあるはずなのだが…カジノに使うカジノマシーンはない。そこで1F、2Fぶち抜きの音楽ホールを設置。そこでイベントを行えるようにした。
「これでいいのか?」
「地下に大型のハッチが欲しい、特にスキュラたちの休憩施設が欲しい。」
「分かった。その分はこの辺でいいか?」
 紙とペンによる会議を行い。説明していく、
「ここは水を入れても?」
「いや、そうすると、船体バランス・・・は気にしなくていいのか、其れでもスキュラが頭を打てば、幽霊ごと傾いて。バランスを崩す場合がある、ここを
休憩用の椅子にして・・・・。」
「確かに…。」
 スキュラの休憩所か、結構問題だ。スキュラカンパニーの名前の由来はどうも、海川の持つ”スキュラ部隊”という巨大タコ足女たちの戦闘部隊で、海中に限るなら、ドラゴンよりも厄介な50mの巨体。そして海中は高速航行も可能という海の王者ともいえる巨大生物だ。但し作るには非常にコストがかかるらしいが…それが10数体はいると言われている。そして最大の特徴がこれでいて知恵があり、タコ足もすべて狼の頭やサーペントなどの巨大生物であり、脚の指先一つで街が壊滅しかねないという多頭の持ち主だ。当然人間がトップに立ち、それを制御する知性などがあり海に限るならドラゴンよりも怖い。ただ、話を聞くと、海で尼さんをしているらしく基本は漁。そして、船の曳航などを行い、かなり平和的だ。それでも50mの大怪獣並みの巨体だ。ついでに女性の上半身だけで宇宙怪獣と同じ大きさというと大体の大きさが分かるだろうか。それが集団で襲ってくるのだ。水魔法も使うため、誤射、戦場占領による危険もない。その為イツキと一緒で、すぐにダンジョンバトルお断りとなった経緯がある、しかも彼らはその海を戦場に含まないと、ダンジョンバトルを受け付けないのだ。その為スキュラに手を出すやつはいなくなった。それが4大ダンジョンマスター同盟の一つであり、強固な理由だ。しかも本拠地も海に囲まれ、そこは海モンスターにとって堅固な要塞となっている、大きさの対比的に大体、よく言う機動戦士が20m前後だと言われている、それがよく言うサイクロップスより比較対象になる程度だというと、大きさが分かるだろうか。そのスキュラの為の休憩施設となる…という談だな。
「一応、カジノのディーラーテーブルとかがこの辺か?」
「はい、一応彼女たち専用ののぞき窓が欲しいので、地下に職員用プレイルームが。大体ここですありますね。」
「考えも人間なのか?スキュラの生態は知らないが?」
「実態系のモンスターが変身するときは小さくすると息苦しさを感じるらしく、体調が悪くなるそうであります。なので保安施設を作りたいでありますね。」
「ただこの位置だと、スクリューの配置はどうする?」
 大隊船の選定部分の中央にスキュラ専用の部屋を作ると、寝転がって…休憩させてもだいたい20mから30mの高さが欲しい、それは船の奥に。
「ここのサイドではいかがでありますか?」
「そこだと、客室などに引っかかる、後部からがベターだろう、前方は船の抵抗が増す、この辺だろう。」
「でもそこだと…。機関部と、今回導入予定の魔道具スクリューが…。」
 一応魔道具スクリュー自体はどうも他の船には設置したらしい、ただし…。DPはひたすら食う、
「後この空洞だとそっちのバランスは悪くないか?」
「それは水を入れてみてからであります。後、ここに、送風魔道具を。」
「確かに構わん。費用は足すぞ。」
「お願するであります。」
 そしてその指示を基に…これからシルキーたちと改装工事を行う必要があるのだ…。
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