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第19章 VS飛鳥

第783話 職人と商人はお互い利益があって分業している。

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 一応、護衛の観点と、いくつか作業を請け負ってもらう事を条件にクラムブラッドとは契約。ギルドが募集をかけてなり手がいない時はクラムブラッドが護衛につくこと。そしてメル商会にはシルキーごと20名の貸し出し。街道沿いの停留所ごとに旅篭を設置した”バス会社”の設立と、宿屋設置の承認が取れた。なお地方はその領主に許可が取れればOK,間の荒れ地は許可はいらないが自衛して欲しいと言われた。そして一日一便となった。ただ3人だと足りないから5人体制になりそう。
「だって歩かなくていいのよ。しかも、業者向けに別でしょ。これは便利よ、で、塗装もいいのよね。」
 実際ゴーレム車に欲しい隙間も小さいので、かなりの利便性を誇る。
「後でどうせDPにする。だから塗装もする、」
 そう言って、ダークボックスから、カラー缶を取り出す。
「何それ?」
「塗装のだ。木製用塗料。」
 ついでにこの一台位なら私が塗る…いや職人指導してシルキー建築部隊が塗るだろう。
「この、何か…何?」
「ダンジョンの発掘品だ。」
 見た事無いが…。これでごまかせるだろう。
「あたしんところもいいか?これ?」
「ダンジョン同士だと、交渉は難しいぞ。販売になるかもしれん。」
「あーそうだな。確かに。」
「それにこいつはまだ実験中でな。その実証検証を兼ねてだ。ただ…周りの具合によるが…出すと不味いかのう性が高い。」
「あ・・・!」
「格差ができるからな。これは。」
 最近オーブに規制が入ったからこういうオーブのいらないゴーレム技術は喉から手が出るほど欲しいだろう。
「それに戦争に使える。だからこそあんたらの護衛が重要なんだ。」
「わ、分かった。」 
 なんか、ワイロで丸め込んだ気もするが、思った通りだ。が問題はあるのは建築場所が”魔界”になる可能性がある事だ。そうなると話と気合が全然違う。今までの旅は…無駄に近い何かだろう、ただ、こうして支店を作れたのだけが利点だ。
「でも、技術ひけらかして終わりましたね。」
 水木が昆布茶を持ってくる、アランも上の階から聞き耳を立てていた。こういうのも勉強の内らしい。
「まあな、実際最終防衛はシルキーの”ダークボックス”だからな。」
 シルキーのふりをさせたエンジェルか、キューピットのどちらかを配備して最悪でもカギ、そうでないなら本体丸ごとダークボックスに突っ込み逃げる、このセーフティがあってこその最新鋭機だ。
「水木よ、私もこういう交渉をする必要があるのか?」
「あると思います。王というのは結局外の国との交渉が欲しいと思います。そして相手はどんな手でも使ってきます。鳥海さんが言うに、外交において法律はない。信義や国民が納得さえすればどんな非道でも許されるのが外交の世界。時として騙し、時としてさとし、相手に物を上げて釣り…そのためには国力が必須です。」
 確かにそうだが。前の鳥海さんの説教で水木さんの目付きが変わったのは事実だ。謀略権謀の世界は甘くない、相手が弱ければしゃぶられ、相手の価値を徹底的に値踏みして利用する。だからこそ這い上がるのが難しいのだ。交渉とはそういう場なのだ。これはダンマスでも一緒で。どんな手でも使う。どんな手でも来る。ぐらいの感覚でないと危ないそうだ。当然鳥海さんもそう言う事は考えている、私もだ。水木さんもだ。ドランもだ。俊三さんもそうだと思う。そう言う危機感が常にあるからこそ…非常に疲れるのだ。矢面は嫌いだ。
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