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第19章 VS飛鳥

第772話 本来のイーハ商会は運輸業です。

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 土地を決定すると、土魔法で一気に建物を作る、いつものだ。材料も闇魔法で持っている、影を敷き詰めるとそこに整頓して床板を張り付ける。
「このくらいか。」
 影からにゅっと出るカウンター。そして、机、いす…半分以上は枝の祝福で細かい成型を行いつつ一気に階段まで仕上げる、
「凄いな…。」
 アランと、水木は唖然とした顔だ。
「流石、井原ニャ。」
「さて…2階まで仕上げるぞ、商品は。」
 そこでニャーコの顔も変わった。
「何を作っているにゃ?」
「イーハ商会の支店だ。」
 私は懐からコアを取り出すと、この辺を領域化していく、
「こっちの方もやっておく二ゃ。」
 気が付いたみたいだ。ダンジョンマスターやダンジョン関連者は常に…ダンジョン領域に入るとそれを知覚できる、なんというか、空気が変わる感覚だそうだ。
「頼んだ。」
 一応こっちに来ている間に、当然相手のダンジョン領域のすぐそばだ。その為話し合いの末、購入の最初の場所を決め…その周りをイツキのダンジョン領域で包むことにした。その内部ならOKだ。一応ルールによる占拠も可能だが、それは今後お互いの承認なしではできないようにすると改めて”条約”を結ぶことにした。これも検証班による検証の結果だが”会談”で締結された”占拠不可能”の方が優先される、
「でもすごいな…。」
「初めて見ました。」
 その間に水木たちが歩いていく、
「まだ木釘を打っていないからな。安定していない。」
 まあ歩きたい気持ちは分かる、施工主でも結構こういうシーンでは歩きたがるものだ。
「でもなんで二階まで作るのかニャ?」
「ああ、これが本来のスタイルだ。」
「そう言えば、向こうでは馬車というか、ゴーレム車は知らせていませんからね。」
「ほう?」
 アランも興味を示したが、ニャーコは何かに気が付いたようだ。
「そう言えば、何でゴーレム車を作ったのかニャ?」
「運輸が必要だからだ。元々の考えは運輸業だぞ、イーハ商会は、後は家具の生産が優先だ。」
「でも…なんでそんなものが必要か二ゃ?」
「荷物を運ぶ必要がある。それにこういう大型運輸がないなら人の手で背負子で運ぶしかない、それは非常に非効率的だ。それに建築に欲しい建材はこういう運輸が発展して
こそだ。」
 その言葉にニャーコがあきれ顔でこっちを見る、心外な。
「そうニャ、そう言えば井原は何をやっても建築馬鹿なのを忘れていたにゃ。」
「不当な…。」
 建築馬鹿というよりは…建築に必要なものが世の中に足りなすぎるのだが?
「で、ちょっと色々知りたいにゃ、これはどういう店なのニャ?」
「ここは一階で、風切り亭だ。料理系の店だ。で、そこのカウンターで物販も行う。で、2階で待ち合わせの為に宿屋だ。」
「…なんか、いつもの皮鎧販売はあれは偽物か二ゃ?」
「いや、向こうのニーズに合わせたもので、こっちでも販売している、基本的には宿場町用の宿場だ、後、この施設は基本”乗合馬車”の停車駅だ。」
「「え?」」
「そう言えば、この宿屋の機能効いたことありません。」
「…水木も知らんのか?」
「ああ、これはゴーレム車による運輸でい大体一日か二日のロスが出る、距離にもよるがな。その待ち合わせ用に作ってあるだけで、その為だ。」
「…乗り合いゴーレム車にゃ?」
「そう言う事だ、ここにその必要人員を3人配置して、一人は定時運輸。一人は急ぎのレンタル用だ。その拠点ホーム用だ。」
 実際は警備一名と、運輸一名、店内管理一名だ。昔はシルキー一体で回していたが。はっきり言って無理だった。主にゴーレム車の引き合いが多かった。で、定時運行する組と緊急オーダー用。そしてこの宿の管理を行う3名体制となった。それ以外にイーハ商会はシルキーの貸し出しを他の貴族商会に行っており、ゴーレム車を貸し出して、宿場の負担を削っている、
「なんか嵐の予感がするにゃ、どうにゃ、商業ギルドにある程度噛ませてもらえない火にゃ?」
「どの辺をだ?」
 私は用意したテーブルの一つに座ると、ニャーコが漁でで思いっきり否定してくる、
「その辺はおいおい伝えるにゃ、ちょっと会議が欲しいにゃ。それ次第だと思って欲しいにゃ。
 ニャーコは飛び出すように宿場を出ていく、
「なんか焦ってましたねぇ…。」
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