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第18章 水木さんは地味に大幹部さん

第707話 地政学的には圧倒的有利でも、いい状況とは限らない  

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「じゃあ、無理なのか?」「
「…大方現状聞いている限り、北部は安泰だわさ。特にパンダの置かれた状況が悪すぎるだわさ。」
 ン?どういう事だ?
「まずパンダ側からすれば4方を敵に囲まれているだわさ。うち北部はドランが領域を持っているだわさ。柳田がいるとはいえ戦力は”広場で強くなる竜系だからまともにやり合えば被害は必至だわさ。そして西にはスキュラの支配地域があり、そこで隙をを見せれば襲ってくるだわさ。東は安泰でも実際は亜人は獣人国家を目指すパンダにとって東は潜在的に裏切る可能性が高いから動かせない駒だわさ。南部の部族が俺くらいかわからないが…大方ここが危機感大る程度には強い兵隊がいる南部(大森林)があるだわさ。そうなると、あの広さで敵に4方を囲まれているとみていいだわさ。」
 なんかそう聞くとつらいな、パンダも。
「その中で亜人を頼り、同盟に参加したのはある意味英断だわさ。異次元から兵士連れてくるという事だわさ。それ位のインパクトが国にあるはずだわさ。ただしだからと言って、北部の”腐敗”に手を突っ込める余裕は生まれないだわさ。まだ上納品の小麦や塩が送られてくるだけまし、というのが現状だわさ。ドランが国境線を壁で封鎖して独立宣言まで思考には入っているだわさ。ただ…。」
「その費用は出ないのじゃ、やれば儂は破綻してしまう、」
 お互い見えない手の探り合いって事か、そうなると腐っていても上納されているなら、仲間と手してただ北伐のきっかけを与えれば…。
「後の問題は北部の兵士が弱すぎて北伐の抵抗はダンジョンモンスター以外不可能って事だわさ。だから、連中は裏切るって事だわさ。独立を仕掛けても。」
「あ…。」
 連中が腐っているというのがここでも足を引っ張るのか。脅されれば寝返り味方に付ければ足を引っ張る、何だこれ。
「じゃあ、無理なのじゃ?改革は?」
「…今のところは無理だわさ。アチシ達で手を打てることはないだわさ。打っても効果がを上げないか、逆に働くとみていいだわさ。国に関わらずいるのが今の最善だわさ。」
「でも一応あるのだろ?」
「あるにはあるだわさ。但しほぼ実現不可能だわさ。」
「それは?」
「パンダと講和して、国からあの貴族の”上”である国王、又は王妃があの領土を見回らせることだわさ。でもこれは非現実的だわさ。」
 王族に査察させれば当然南部の噂もある、効果が上がるだろうが…。
「国土が広すぎないか?一か月だっけ、」
「いや、一年とか…場所とルート次第では10年かかる場所もあるだわさ。ゴーレム車もどれだけ短縮できるか不明だわさ。」
 今度の問題は、見回るにしても国土が広すぎて、見回るだけで数年を要して監査が機能しないのだ。国が広いというのはここで悪さをするか…。
「それに講和を結んでもダンジョンマスターが相手のダンジョン領域を歩く怖さを考えれば、徳永はは必ず拒否するだわさ。」
 それはそうだ。こっちは同盟の条約で守られているとはいえその条件次第ではいつでも襲われる、あまりに広いドランの領域は文字通り相手の胃の中だ。行きたいダンマスはいないだろう。可能性は極めて低いと言っていい、
「でも、興和は結べる…。」
「可能性は低いだわさ。愛しの旦那と返したとはいえ息子を奪われた徳永がドランと講和とは考え難いだわさ。」
「複雑すぎるだろ。」
「でもこのままじゃあ、民は…。」
 ドランが泣きそうな顔をしているのが分かる、腐っても貴族なうえに状況の打破が難しすぎるのだ。
「難しいだわさ。最悪もっと悪い事が起きている可能性もあるだわさ。気が付いていない独立や山賊の横行も考えられるだわさ。だから…。」
「でも!」
 ドランは詰め寄るが、鳥海は力なく首を横に振った。
「してやりたいけど、やったとして一時的だわさ。最悪もっと状況が悪くなるだわさ。だから触れてはいけないだわさ。」
「…少し考えさせてほしいのじゃ、儂はあれを見過ごせん。」
 ドランは席を荒々しくたち…去っていった。
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