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第18章 水木さんは地味に大幹部さん

第695話 交渉には相手の結果待ちで結構かかる事があります。

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 とりあえず、街道に人員であるシルキーたちを配置、今度から、二人一組とし、一人は”ゴーレム車ピッカー”として近隣の配達を行い、街道沿いに村ができることを祈りつつ一里塚ならぬ、一里茶屋を設置。儲けは度外視である、というのも、鳥海の言う街道整備は常に”安全”であることが必要だ。大体4㎦から10kmにつき一軒で配置されたゴーレム車配達機構付きの宿屋は巡回のシルキーたちを合わせ盗賊が出ないように警備を行う事になっていた。ただし村治谷はノータッチだ。協力を依頼された時は付き合いに応じてとなっている。というのも、基本的に統治に関しては貴族がすべての責任を持ち法を守らんかった時は…どの罪であれ貴族が責任を負う、死亡届や結婚届、出生届そのすべては貴族から委任された”村長”が行い、納税の際に報告。その報告を基に徴税菅が出産祝いなどでの”免税か出産祝い配布”か選ばせ、配給を行う事で”人口の把握”を急ぐ、当然ダミーコアも村ごとに生産し、ダブルでの把握を行う。が、この統治機構の宿屋のシルキーが立ち入る隙間はない。その為、応援応対に留め、それ以上は行わない。なおシルキーは領域守護の力により宿屋以外では人間並みの力しかない。その上ゴースト系の欠点だけが目立つ結果となる、なのでゴーレムを”宿屋”で作り
それに憑依させ運用させている。レベルはタミさんが魔力を込めて必要レベル分の領域守護のスキルレベル6を持たせている為ある程度ならカバーできる。
「というわけだわさ。」
「…その街道を私たちの所に通せと。」
 鳥海がプレゼンする相手は魔王国トップ。魔人連合の黒川である、場所は”黒川本部”と呼ばれる純和風建築で行われていた。
「通すのも大変そうですわ」
「そうだな、私はもう平和的に表舞台からは去ったんだ。ここに来られても困る、」
「モンスターがらみだわさ。」
 黒木はこの国での改革を強行的に終わらせた後…その不満を言う間もなく”評議会設置”を行い、その際に丞相の役を説かせた。黒木から言わせればここ迄かかわってもう責任は取ったという体だ。今この国は家長主義を言う特殊な政治体形を持っていた。各村などの人員をすべて”家族”として承認させその家族単位で物事をさせる事だ。責任は全てその家長が負い、納税などもすべて家長単位で行う。但し家族からの脱退やその他は中央の行政が行う。魔族など、様々な種族がダンマスの手によって奴隷としてばらまかれ、また、魔族を大量に作って”人間の蘇生”を行ったため、現在その多くは中央行政区一家、魔族7家、ダークエルフ2家、エルフ3家、人間35家、ドワーフ24家、その他27家となっている。これらがマルワールの10倍近い巨大領土の各地に拠点を構えている、その家の内部では法はなく、この国の法律はすべて”家間”での取り決めとなっている、特に強いのがダンマスが多く所属する魔族7家とダークエルフのうち一家であり、他の家族の多くがこの傘下にいる、その8人の評議会というのが、現在の立法を決めている、その中で黒木からすれば問題がある。中央行政区の取り決めを通すに時間がかかるのと、街道の権利はすべて”家”間での取り決めだ。考させることにより国費を払わないで各地方に出費を負担させ…困窮した中央政府の力を温存していた。その中で外国からの出店で街道を制圧するとなると、当然他の家が黙っていない。しかもその最終目的地が商業連合となればその利益もそうだが…その街道だけでも騒動になるだろう、商業連合は少し前まで喧嘩した相手だ。
「…その辺は確か…ポンスタ一家と、剣一家の領域だ。」
 当然モチーフがあり、それが日本の”ヤクザ”体制による一家方式の統治法だ。すべて独立運営させ、そのシノギを貰い。中央は調停機関に徹する。その一家の下の方がどうなろうと、家同士で解決すればいい。住民が圧政に苦しむなら、他の家を頼り群を動かそうが、中央は調停を頼まれて軍を動かすだけ。当然”外国との戦争”の際には中央からも軍隊を出すが、その近隣の家の責任だ。当然取られても、その家が悪い。その代わり、取れば統治してよく
その裁量権は相当大きい。小さい国家と言っていい。
「…呼んでもらえるだわさ?」
「剣は呼べるだろうが、ポンスタは…ちーッと時間かかるぞ。」
「いいだわさ、ここではまずは根回しできればいいだわさ。」
「…何を企んでいる?」
 黒木が睨む。
「交易だわさ。そろそろうちの国内にうちの市民が作っている商品の値段が下がり始めただわさ。量産させて仕事させるには…。」
「うちのシノギ・・・。」
「それは領地の家との交渉次第だわさ。そうだわさ?」
「ふん。そうだな、勝手にしろ。」
 街道が双方の家から朝廷依頼が無いと、中央が動けない、それは現王”レオンハルト”だが、今は黒木は裏で、犯罪組織に渡りをつけ地下に潜る準備をしている、黒木からすれば”行政に携わる”のは”極道あるまじき”である。虎の子をとらえるのが虎の子だった位の本末転倒だ。だからこそ地元に簡単な”カモフラージュ”組織を置き、そこから各家を見張ることにしたのだ。また”諜報機関”エージェント”を発足させて各種諜報を行う。それが必要だと感じていた。各家同士での抗争は基本禁止だが中央が知らない範囲でなら”可能”だとみんな思っているからだ。
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