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第17章 ドランの領地視察旅

第687話 関係者に歴史ありなのじゃ

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「では、あなた方がのぉ…。」
「うむ、関係者候補じゃ。」
 エルミンにゴーレム車を預け、3人が村長室に入る、
「今回はお早いお付きで。」
「…お主も含め、ちーッとな。ここで話したいことがあるのじゃ。」
「3人に?」
「まず儂は、今ある組織の為に動いておる。その組織が求める物、それは詳細な情報じゃ。」
「じょう・・・ほう?」
「知識、知っておる事、そう言う物じゃ。ここに連れてきたのは、バルアリ、お主にもここの開拓村に来て、商売して欲しいのじゃ、特にエルミンはここで雑貨店を営んでおる、そこに物資を送って欲しい。人が持てる数でええのじゃ。」
「それは構わねえが…。」
「その代わりあの子には儂のダンジョンから出せるアイテムの販売で、悪影響が出ない物のみを販売してもらうのじゃ。特にこういうのじゃ。」
 取り出すのは…鳥海のお気に入りの”ショットグラス”と呼ばれるウィスキー用のグラスだが、細工が強く工芸品としてかなり高いものだ。これはもともと鳥海が”マルワール帝国”に取り入る際に下働きの頃に全財産を使って購入し皇帝に差し出し…ダンジョンを認めさせた逸品だ。
「これは!」
 全員が息をのむ、そのグラスは光を乱反射し、光り輝くように見える、しかも一部は透明だったり、すりガラス状の不透明さも兼ね備え、ガラスのあらゆる楽しみ方ができるという…芸術的な逸品だ、そしてわざと”彫りこまれた”酒を飲む北方貴族のおじさんが酒を注ぐと酒で輝くように見えるという、かなり高いものだ。
「ダンジョンの規格を立て、いずれ、この地方でメイン産業となるダンジョンも立ち上げたいのじゃ。」
 よくよく聞いてみるダンジョン成功の秘訣が”ダンジョンを開放し、その依存関係”にどっぷりつからせて、人を入りびたりにさせる事…だ。そうすることでダンジョンでのDP回収に効率が生まれ、その攻略に技術が発展するという。その為にはダンジョン解放させ、その物資を”DPを回収しつつ放出させる”事だ。だがこの北部では大方それにはハードルが大きすぎる、まずは、貴族だ。これも水木の調査だが、ダンジョン解放に歴史ありという話がある、

 この世界で最初にダンジョンを他に完全な形で解放したのはゴブリン村だった。鉱山を手に入れ魔石を放出した。魔石は”勇者召喚”に欲しいため国歌がその資産を認め、そのダンジョンを国家が独占した。だがこれは、実際あまりよいDP稼ぎにはならなかった。時折モートリアの勇者が奴隷同然の形で、魔石狩りすなわちモンスターのゴブリンやオーガを倒しに来ていた。が、其れでもダンジョンからすると、ほぼ横ばいの0収益ラインで推移してしまった。その為ギルドがDP補填に動いていたらしい。そして、それが改善したのはモートリアの国からエクトネーゼの国に鞍替えをして、一般に開放した時…からだそうだ。こう見てわかるとおり、貴族や国家の対応次第で、ダンジョンは開放しても無駄になる。バックアップ無しでは最悪、ダンジョンを潰せとなる、

「プロモートの仕方やいろいろ考えないと、大方、儂…お主たちも含め全員殺されかねないのだ。」
 あの直感侯爵にしろ、あと二人の侯爵にしろ、ダンジョンができたら最悪潰すまで進んで潰すで終わりだろう、コアも無駄打ち限定で反応を試験してみてもいいが無駄だろう、ただ、そこで話が終わり、今後の策が思いつかなかった。そして昨日思いついたのが、この商人たちにより、ほどほどに機密性が取れる場所を確保してダンジョン開設を考えたほうがいい。
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