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第17章 ドランの領地視察旅
第685話 相手を嵌めてみるのじゃ。
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「でもそれだけなら、契約書なんていりますまい?」
バルアリの意見はもっともだ。
「当然じゃ。実際はもっと厳しいのじゃ。」
「は?」
「パンダがいる以上大方材木問屋は成り立たなくなる、そう見ておる。」
「どういう意味ですかな?それは、南部には毎年材木を言われた通りに送っておりますが?」
「ダンジョンマスターじゃから当然北部から、建築のため…ではなく”武器製造”の為に集めさせておるのじゃろう、スケルトンファクトリーもおる、」
「なんです?それ?」
「王妃派じゃよ、そのトップ、王妃”トクナガ”は狐耳賊…ではなく狐じゃよ。確かな。」
「は?」
「で、ヤナギダも、リッチじゃったかな。人間ではないのじゃ。だから、人海戦術による開拓とかが、DPがそろいさえすれば可能なのじゃ。」
どうも、偵察部隊の話によると、どうも南部は物資が不足しがちでもともと慢性的にあらゆる物資が不足していた。というのも南部の大森林から部族はぐれのゴブリンたちが盛りから出て森林周辺の村々を襲うのだ。その為大森林の傍では当然農業ができない。南部でのモンスターと人間の比率は3(人間):7(大森林部族)であり、どうもパンダ同好会の本拠地も本来は大森林にあったという、だが、当然生存競争が厳しい上にオーガとダークエルフなど大森林内部の部族は強固な信頼関係で成り立つ。そうなるとオーガはダンマスの最終兵器。それが数を多くして襲う部族がいる大森林は開拓などままならない。木々を切る事さえできないのだ。そうなると、北部や東部、西部から物資を集めて少しずつ領域を確保する必要がある、ただ運がいいのか南部の首都は非常に堅固な砦だ。攻めた事があるからわかる。そこが、大森林から北上を狙う部族を抑え込んでいるのだ。ただ、その為、慢性的物資不足は常であり、その上、地形調査してもらったところ、ちょうど南部、東部、西部の横一文字の街道があり、そこが文字通り”谷底”みたいな感じで緩やかな傾斜が北部に向かって流れ、南部、西部と徐々に海抜が下がっていくらしい。途中に山も多いが。ただ現在も調査中だ。特に”ゴーレム車運輸”による長距離商業は可能か…だ。
「人間ではない。ですか。」
「そうじゃ、ただ、其れでも手を借りんといけないほど…大森林の南伐はうまくいっておらん。向こうから言わせれば人間部族…じゃよ。感覚は。」
「ふむ、そうなると、材木もこのままの手運送では…。」
「今迄みたいな高くは吹っ掛けられない。と見ておる、材木自体は連中は一度手に入れば…じゃな、でも冷静じゃな?」
「衝撃で頭が打たれたようで。南部の兵士でさえ勝てない。いや、モンスターに王都が乗っ取られたなら敗北じゃないですか、事実上。」
「そこからが微妙なのじゃよ。どうも儂が聞いておるのは。そう言う観点から言うと3すくみなのじゃ。」
「は?」
「王妃派は狐耳賊という話じゃが、彼らは自分の領域の拡張、すなわち”南伐”を強固に推し進めておるのじゃ、それに対し、王子派という東部連中は人間至上主義で見境なく人間以外を殺そうと考えておる。」
最初は怪我を治した王子を、ほとぼりを覚ますために東部に送ろうと調査した所…王妃を殺す算段を立てていたところと、侍女を虐待しているところを見てしまった。北部ほどではない可能性があるがあれに応じを預ければ、どうなるか分かる。大方内乱の火ぶたを切る、その上…アランの考えだと、それを望まないまま、お飾りになるだろう。それ位王妃が嫌いだったらしい。流石に…今はパンダと敵対かもしれんがそう言う内乱工作というのか…そう言うのは嫌いだ。策略家である前に人だ。その子の不幸を願ってでも…とは考えられない。だからこそアランの行く先に悩んだ頃があったのだ。
「ふむ…。3勢力…ですか。」
「人間と、人間に味方の部族と、人間と敵対の部族じゃ。」
ゴブリン、ダークエルフ、オーガ。これが浅層における大森林の部族だが、その兵力だけでも5万入る恐れがあるそうだ。ただ、総倉庫の人間に敵対的な部族は、動かない。それが中層の”巨大生物や魔物”たちに対する防御だと聞いている、文字通りのアラクネやロックバイターと呼ばれるサルのモンスター。様々なモンスターが行く手を阻む、その先深部では俗にいう”上位モンスター”が闊歩する。空から見たことがあるらしいのだが、体の7割が口という
巨大な”大口ウサギ”など。20mから50m級モンスターのオンパレードだったらしい。だからか大森林深部は誰も立ち入らない。その先には大森林の北部と南部を分かつ”グランドライン(仮称)”と呼ばれる7000m級の鉱山の山々とその奥のだれも生きて帰れない”大森林南部”がある。
「だからこそな…。腐敗しておる時ではないのじゃ。大方南部はギルドを盾に買いたたく。材木も小麦もじゃ。」
ただ運がいいのか悪いのか、そのスタンピードの侵攻の時に領域ぎりぎりまで購入したので、南部の都市の北部より箇所もすべて領域化してある、
「…私たちに何を知ろと?」
「儂も、人間ではない。」
「は?」
「向こうと一緒のダンジョンマスターじゃ、いわば…今は向こうと争っておる、儂は北部の勢力圏を持つのじゃ。そしてパンダは”南部”に大方領域を持っておる。」
「…。」
「儂は味方が欲しい。あの馬鹿貴族はいらんが…。」
「私たちを取って食うのでは?」
「契約した相手を?まあ、商売の相手として利益を得る意味では、食う…じゃな。」
「…いやはや。」
「儂が投資して、お主たちをちゃんとした材木問屋にしてやるのじゃ。それが…わしの未来につながっておると思っておる。」
「少し…考え・・・・」
「もう契約書があるのじゃ、引き返せないのじゃ。安心せい。取って食うマネはせんからの。」
「…商売的には食うのでしょ?」
「うむ、そうなのじゃ。」
勢いではどうにもならない事があるが、ごまかしておこう。
バルアリの意見はもっともだ。
「当然じゃ。実際はもっと厳しいのじゃ。」
「は?」
「パンダがいる以上大方材木問屋は成り立たなくなる、そう見ておる。」
「どういう意味ですかな?それは、南部には毎年材木を言われた通りに送っておりますが?」
「ダンジョンマスターじゃから当然北部から、建築のため…ではなく”武器製造”の為に集めさせておるのじゃろう、スケルトンファクトリーもおる、」
「なんです?それ?」
「王妃派じゃよ、そのトップ、王妃”トクナガ”は狐耳賊…ではなく狐じゃよ。確かな。」
「は?」
「で、ヤナギダも、リッチじゃったかな。人間ではないのじゃ。だから、人海戦術による開拓とかが、DPがそろいさえすれば可能なのじゃ。」
どうも、偵察部隊の話によると、どうも南部は物資が不足しがちでもともと慢性的にあらゆる物資が不足していた。というのも南部の大森林から部族はぐれのゴブリンたちが盛りから出て森林周辺の村々を襲うのだ。その為大森林の傍では当然農業ができない。南部でのモンスターと人間の比率は3(人間):7(大森林部族)であり、どうもパンダ同好会の本拠地も本来は大森林にあったという、だが、当然生存競争が厳しい上にオーガとダークエルフなど大森林内部の部族は強固な信頼関係で成り立つ。そうなるとオーガはダンマスの最終兵器。それが数を多くして襲う部族がいる大森林は開拓などままならない。木々を切る事さえできないのだ。そうなると、北部や東部、西部から物資を集めて少しずつ領域を確保する必要がある、ただ運がいいのか南部の首都は非常に堅固な砦だ。攻めた事があるからわかる。そこが、大森林から北上を狙う部族を抑え込んでいるのだ。ただ、その為、慢性的物資不足は常であり、その上、地形調査してもらったところ、ちょうど南部、東部、西部の横一文字の街道があり、そこが文字通り”谷底”みたいな感じで緩やかな傾斜が北部に向かって流れ、南部、西部と徐々に海抜が下がっていくらしい。途中に山も多いが。ただ現在も調査中だ。特に”ゴーレム車運輸”による長距離商業は可能か…だ。
「人間ではない。ですか。」
「そうじゃ、ただ、其れでも手を借りんといけないほど…大森林の南伐はうまくいっておらん。向こうから言わせれば人間部族…じゃよ。感覚は。」
「ふむ、そうなると、材木もこのままの手運送では…。」
「今迄みたいな高くは吹っ掛けられない。と見ておる、材木自体は連中は一度手に入れば…じゃな、でも冷静じゃな?」
「衝撃で頭が打たれたようで。南部の兵士でさえ勝てない。いや、モンスターに王都が乗っ取られたなら敗北じゃないですか、事実上。」
「そこからが微妙なのじゃよ。どうも儂が聞いておるのは。そう言う観点から言うと3すくみなのじゃ。」
「は?」
「王妃派は狐耳賊という話じゃが、彼らは自分の領域の拡張、すなわち”南伐”を強固に推し進めておるのじゃ、それに対し、王子派という東部連中は人間至上主義で見境なく人間以外を殺そうと考えておる。」
最初は怪我を治した王子を、ほとぼりを覚ますために東部に送ろうと調査した所…王妃を殺す算段を立てていたところと、侍女を虐待しているところを見てしまった。北部ほどではない可能性があるがあれに応じを預ければ、どうなるか分かる。大方内乱の火ぶたを切る、その上…アランの考えだと、それを望まないまま、お飾りになるだろう。それ位王妃が嫌いだったらしい。流石に…今はパンダと敵対かもしれんがそう言う内乱工作というのか…そう言うのは嫌いだ。策略家である前に人だ。その子の不幸を願ってでも…とは考えられない。だからこそアランの行く先に悩んだ頃があったのだ。
「ふむ…。3勢力…ですか。」
「人間と、人間に味方の部族と、人間と敵対の部族じゃ。」
ゴブリン、ダークエルフ、オーガ。これが浅層における大森林の部族だが、その兵力だけでも5万入る恐れがあるそうだ。ただ、総倉庫の人間に敵対的な部族は、動かない。それが中層の”巨大生物や魔物”たちに対する防御だと聞いている、文字通りのアラクネやロックバイターと呼ばれるサルのモンスター。様々なモンスターが行く手を阻む、その先深部では俗にいう”上位モンスター”が闊歩する。空から見たことがあるらしいのだが、体の7割が口という
巨大な”大口ウサギ”など。20mから50m級モンスターのオンパレードだったらしい。だからか大森林深部は誰も立ち入らない。その先には大森林の北部と南部を分かつ”グランドライン(仮称)”と呼ばれる7000m級の鉱山の山々とその奥のだれも生きて帰れない”大森林南部”がある。
「だからこそな…。腐敗しておる時ではないのじゃ。大方南部はギルドを盾に買いたたく。材木も小麦もじゃ。」
ただ運がいいのか悪いのか、そのスタンピードの侵攻の時に領域ぎりぎりまで購入したので、南部の都市の北部より箇所もすべて領域化してある、
「…私たちに何を知ろと?」
「儂も、人間ではない。」
「は?」
「向こうと一緒のダンジョンマスターじゃ、いわば…今は向こうと争っておる、儂は北部の勢力圏を持つのじゃ。そしてパンダは”南部”に大方領域を持っておる。」
「…。」
「儂は味方が欲しい。あの馬鹿貴族はいらんが…。」
「私たちを取って食うのでは?」
「契約した相手を?まあ、商売の相手として利益を得る意味では、食う…じゃな。」
「…いやはや。」
「儂が投資して、お主たちをちゃんとした材木問屋にしてやるのじゃ。それが…わしの未来につながっておると思っておる。」
「少し…考え・・・・」
「もう契約書があるのじゃ、引き返せないのじゃ。安心せい。取って食うマネはせんからの。」
「…商売的には食うのでしょ?」
「うむ、そうなのじゃ。」
勢いではどうにもならない事があるが、ごまかしておこう。
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