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第17章 ドランの領地視察旅

第683話 まずは仲間を手にするのじゃ。

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「結局決まったのじゃ。」
 次の日に材木問屋を訪れると、即座に奥の部屋に通された。
「まず、二つの事柄を融通して欲しいのじゃ。」
「いきなりですな…。」
 ペルオリは呆れていた。
「まず、儂がここに投資をさせて欲しいのじゃ、」
「投資…ですか?」
「そうじゃ、で、お主、ガースと、バルアリの二人にはこれの書類に名前を書いて欲しいのじゃ。」
 取り出したのは白い、いろいろ書かれた書類だった。
「それは儂の儀式魔法で作った”契約”の魔法がかかった書類じゃ。こいつにいろいろ欠点があるがの。ギルドの魔法もこれを応用した物らしいのじゃ。」
「…その白いのに名前を書くとどうなります?」
「…描かれた内容が実行されるのじゃ、お互いの約束を行い、実行される、それだけじゃ、儂について、秘密の事柄について喋れば儂はお主たちに
罰を与えるのじゃ、」
 この契約の魔法は正確にはドランが魔法を使えるのではなく、商業ギルドで販売されている金貨4枚の非常に高い契約書によるものだ。儀式魔法という魔法による”契約”が書かれており、鑑定によると内部にはこの契約書を描いた際の順守をさせる契約が書かれている、ただこの書面は”魔法使い”でないと使えない上に契約書は”その契約を履行させるための魔法”分のMAGをこの契約書が存在し続ける限り、術者から消失させる、しかもその魔法を契約書がある限り使えなくなる、その為、非常に重い事柄でしか使えない。この書類では締結するときに誰がその魔法を払うのか指定しないと効果を発揮しない。また、自分か相手のどちらかの”同ランクのお互いの組織に属さないソウルレベル3の知的生命体”による”後見人”による書面と締結文字の目視が無いと機能しない。という非常に厳しいものだ。
「で、契約したい内容は?」
「儂の事じゃ、金カードであるとか含め色々市場を回るには面倒なのじゃ。そこで黙っていてほしいのじゃ。」
「…文章を確認しても?」
 そう言うとペルオリが書面を読み込み始める、
「儂は…。」
 そう言えば鳥海に言われたことを思い出す、契約の瞬間は必ず相手から目を離すな。である、相手によっては書類を入れ替え文言を有利にした書類にしたり差し替えを行う場合がある、見ているときでさえ、監視する必要がある。そして帰って来た時は必ず文言を一字一句たがえないように確認しないといけない。契約書面は最悪4通以上バックアップを作成しそのすべてに調印する。それでようやく、偽物が無いと信用されるそうだ。よく詐欺の話で契約書面だけが全然違う内容が書かれている場合がある、国家間や、一定レベルの業務を持つ国家企業などはよくこの類の詐欺を行うので、まずは書類を確認して欲しい。
「ここで待つのじゃ。」
 ダークボックスから前に試作品で貰った昆布茶を取り出すし、ダークマターのカップに入れて飲み進める、昆布の出汁の味だが、最近ようやく形になったらしく、昆布を使った料理が市場に出回っているという。こういう発展好意をこっちでもやらないと今後がないのだ。正確にはDP収益が上がらないのだ。マルワール帝国の10倍以上の国土があるこっちと向こうが同等のDP産出を持っている時点で恥ずかしくて死にそうだったのを覚えている、そして彼らのやってきた施政を知っている、それを真似てDP収益をアップさせることが今の必定だ。
「…この一般的な事柄とは?」
「これには、そこの下に書いてあるのじゃ、性格、職業上知りえる業務上の内容。などじゃな。外見や、飲み物の好み程度ならいいのじゃ、だが、儂の立場や儂の強さ、能力についての言及は禁止じゃ、また、期間はお互い死ぬ直前までじゃ。但し儂はお主に支援を行うのじゃ。」
「支援とは?」
「例えばこれじゃ、」
 テーブルの上に置いたのはDPで交換した金貨を積んだ束だ。
「それは!」
 こういう時には現金が効く。これも鳥海から聞いた内容だ。交渉において現物の有無の差は非常に大きい。交渉を即決させる効果がある、未来の話や未来の収益の話は非常に統治者を…混乱させる、だからこそ、即金の効果が凶悪になるのだ。その場で貰える(少額)と後でももらえる(多額)では多くの者今その場で貰えるものを選ぶという、そう言う意味で、すぐに出すという態度は必要だ。但しその場に置くというのは。取られることもある、だからこそシュミレートが必要だとも言われている、…その練習で何回あの鳥野郎に負けた事か。
「どうじゃ?お主がやりたいこともあるじゃろ、今後ギルドが台頭するなら、ギルド金貨が喉から手が出るほど欲しいじゃろ。どうじゃ?」
「それでは足りない場合も、」
「そこは書いてあるからの、儂は特段の理由がない限り、そちらからの支援の内容を断らない事と書いてあるのじゃ。」
「特段のとは?」
「…例えば儂にいきなりこの国寄こせと言われて出せるか?できないじゃろ、そう言う無茶な事をお互い言わない限りお互い断れるようにしてあるのじゃ。但し秘密は守ってもらうのじゃ。」
 これも文章に書いてある、そして、どちらかが、”締結者との契約破棄”をお互いが目視で来ている時に宣言した時に書面が燃えてお互いの書類が消滅することも書いてある、でないと永続になりかねない。その場合はお互い理解できるのではある。
「確かに…。」
「どうするのじゃ?」
「…私達も今後もあります、ゴーレム車の融通の件があるのなら契約を結びましょう。」
「うむ、儂も書こう、お互い良しなにな。」
 こうしてどうにか契約の一本が成立したのだった。
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