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第17章 ドランの領地視察旅

第681話 お尋ね者だから強い…わけではないのじゃ。

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「マスターはソロの矜持が…。」
「…おかしい、アナウンスも所属も変化されていない。
 二人が、いぶかしがるのもわかる、
「今の現状4団体のどこかに全員が入っておる、その中で一番緩いのが千鳥万花じゃ、それにかくまってくれた恩義もあるからのぉ。」
「…緩い…スローライフ系?」
「いいうわさは聞きませんが…。」
「それはそうじゃろ、わざと連中は侮られるように情報を流しておる、儂も少し前まではそう思っておった。がクラウドドラゴン戦でもそうじゃ、あ奴らは、儂らより強いわい。最低でも鳥海、井原、後部下数名は儂より強いうえに、大方やろうと思えばパンダなら瞬殺可能じゃろうな。」
 今ならわかる、リスク管理しつつ対応されるだろう。スタンピードは確かに儲かるがそれを全くしない…それでいて基盤となるエリアの確保
に成功した地味に恐ろしい組織でもある、この辺は入ってみないと分からなかった。鳥海のブログには遊びに行ったり飲食店の紹介しかしてい
ないが。実際は支配を着実にこなす、その上開発への投資も大きい一流の何かだった。」
「…そこまで!」
「評価が高くありませんか?」
「それくらい連中は亜人と”勇者”を警戒しておる、儂からすれば侮ってもいいと思っておるが、それが分かったのも最近じゃ。ただの…。」
「はい。」
「これでも亜人の上層部には勝てん、連中はそう考えておる、月光を潰したのは、ナギサではない。もう一人いたらしいのじゃ。ダンジョンを食うという勇者の存在じゃ、」
「へ?」
「…まるでスナック、いや飲み物?」
 もう何年分驚いたであろう顔になっているが、自分もそうだったのだ。
「そう聞いておる、すなわち、亜人が動けばダンジョンは、何もできないで破壊されかねないのじゃ。だからこそ、今は事を構える時ではないのじゃ。力を貯え、連中を探るのじゃ。」
「…レジスタンス、いや飯テロ?」
「それは違うかと、でも確かに…その事態が本当なら…ソロというのはまずいですね。」
 永世中立国に近いスタンスであるドランからすれば弱小国である以上いつかは亜人の手助けの上で…パンダは戦争を仕掛けてくると思っている、ただし彼らの本願がまずは”大森林平定”となっている以上連中はドランが治める北部は後回しにしたいだろうというのが分かる、
「一応まだ表ではソロじゃ。一番弱い立場なのじゃ、が、放送や映像の観点で言えば今はまだソロでないと、映像は”コンテンツになりえない”と見ておる。」
「でもいずれ…。」
「そうじゃの、そう思っておる、ただいまはまだ、相手にドラゴンバスターでの強者のイメージがある、それを蓑に隠れる必要があるのじゃ、実際援護はもう受けておる、本当なら、強化ももう少しできるのじゃ。ただし…。」
「…スパイがそこに…。」
「分かりました、今は潜みましょう。でも取材はどうします?」
「儂もあたりを付けるつもりで探しておるのじゃが…。それがどうも北部はショボ過ぎで、腐敗した貴族が横行しておるのじゃ、余りの多さに、全貴族を処分しなくてはならんほどじゃ、だが処分したら最後、官僚を儂らで生産する必要があるかもしれん。そうなれば、大量の無駄人員が必要となるのじゃ。だからこそ…。それが難しいのじゃ。そう言う意味で、この国に、散歩できる街がないのじゃ。」
 それから、丁寧に一時間ほど事情を説明した。ドランは部下に細かく説明することで、部下からの信頼と”暴発”を抑えてきた。今回も調査の上で決めるが、対象の地域は無いように思えるのだ。しかも今後没落もありうると来ている、しかも…大方もう一つの敵対組織”スキュラカンパニー”も動き始めている、そう、意外と動かないとヤバいのが現状なのだ。
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