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第17章 ドランの領地視察旅

第659話 ドランという”男”

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 ドラン…館林基樹オタク少年だった。ゲームが大好き、ゲームファンタジー大好き。神様と会った時に勇者より生存率の高い、そしてチート職業の代表であるダンジョンマスターに飛びついた一人である、しかも種族は選ばせてもらってドラゴンに、いろいろ欠点もあったが、ドラゴンならではとDPを稼ぎ、ダンジョン経営を…してこなかった。というのも確かに自分の元にも最寄りの村があったが、牧歌的開拓村の上に戦闘できる人間がいなかった。その為、なぜか領地を借りつつDPで、交易をおこなうようになっていた。あの村には本当に助けてもらった。が、このままではその交易資金さえ枯渇する、そうして行ったのがダンジョンバトルだ。最初の内は部下の”エルフチャイルド”にわざと表に立ってもらい、弱いと見せかけて不意打ちで倒していき…その映像が売れるとコアに聞いてからは…漫然とその頃思いついていたビューチューバ―への道を思い出し、勝利資金で変身を購入、キャラ付けに…ノジャロリを思いついた。こうしたド定番を出すことにより、人気を獲得しようと思ったのだ。そしてそれがおおはまりした。そうして何とか利益が出て…。
「やっと着いたようじゃの、」
 ゴーレム馬の尻を叩き、荷馬車を進める、これらは”イーハ商会”の馬車として旗印付きで貰った。商品セットごと購入できるので非常に便利だ。これワンセット、行商ができるという便利システムなんだ。
「あ、ドラン、おひさし―。」
 その最初の村こそ”バーガー村”どうもバーガーという鳥がいて、それを食って村の開設を祝ったという…何とも言えない由来からの村だ。
「うむうむ、おぬしらも、息災よのぉ。」
 このバーガー村の周りにはしかもそう多くない数しかおらず、ウサギやパックルポックという獣が中心だった。

パックルポックTIPS:メリダージャン科の不等4足類の一種。前足が大きく後ろ脚が小さいそれでいて長い胴体が売り、これで、草を消化しつつ前足で木の根を掘り食べる、動きは遅いが前足を軸に胴体を振る”スィングキック”が武器。性格は温和で愚鈍。子供の数が異常で、平均30体の子供を産む哺乳類、

 このパックルポックだけでかなりの数がいて、この同大の主に背肉が食べられるが、それ以外に小さい畑がある、但し”塩はない”なので、街に時々買い物に行くのだがここには一応唯一の金を扱った商店がある、それがドラン達の経営する商店だ。が、どちらかというと物々交換に来た感じだ。
「すげー、これ。」
 子供たちが数名近寄ってくる。変身を買って最初にやったのがこの子達との交流だった。
「うむ有無、儂も結構長旅でのぉ。ちょっと色々あっての。」
「これ…。」
「これこれ寄るでない。こいつに巻き込まれると死んでしまうんじゃぞ。この重ーい荷物を運んでおるからの。」
「じゃあ、アマイモンとか?」
「確か積んであったはずじゃ、それに今回はいろいろ持ってきたからの。村長の所に頼むんじゃぞ。」
「分かったー。」
 やっぱり子供たちは可愛い。
「そうじゃ、皆、後ろに乗ってみてはどうじゃ、」
「いいの!?}
 と聞くまでもなくみんな乗ってる。
「全員乗れよ、後何かに捕まるんじゃぞ。」
 そう言うと、ゆっくりとゴーレムに触る、こうでないと命令を聞かなくしてある、そうでないと暴走しうるのだ。だから最初の数回の命令は凄い緊張する。
「さて、ゆっくり進むのじゃ。」
 無言でゴーレムが進む。
「わー!」
 子供たちが自動で進む乗り物に感動していた。
「うむうむ。ささ、進むのじゃ、」
 ごとごとと進むゴーレム馬車はゆっくり進む。
「そうじゃ、村は何かあったかのぉ?」
「うーん、ないみたい。ただ、お姉ちゃん元気ないんだよね。」
「ん?メイラーか?」
「いや、エルミンさん。」
 確かにそうだな。バランが戦闘で支えてもらったドラゴンなら、経済で支えてもらったのはここの奥様方と太いパイプを持つエルミンだ。ただ、二人とも…わしの大切な者じゃ。いつかバランを取り戻して見せる…。
「お姉ちゃん、なんか顔…。」
「ちと思い出したことがあっての。さて、もう少しじゃぞ。」
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