魔界建築家 井原 ”はじまお外伝”

第１６章 途中退社は残された者がつらい

第６４７話 唐突な組織編成は常日頃の人選と”交流”が必須、

「報告は受けただわさ。全部忙しすぎだわさ。」
　そう、私が帰った直後、各ダンマスに例の変更点メールが舞わされ、鳥海の名で緊急招集がかかった。召集された翌日、部下に化け、私が桜を見る会の中に潜入した。どうもダンマスを集め、交流会を開くという名の、ダンマスの実働数調べと、鳥海は読んでいたが。全員と書かれたいたのでドランの部下たちを招集させ、撮影させた。
そこで、手渡しで手紙を渡し、どうにか…ドランの部下に連絡を付けた。そしてもう一つ、
「まず報告するのは…ドランの部下にどうにか連絡が付いたと同時に…ヨミがダンジョンを去ったらしいだわさ。但し、部下はバランに憑依させていったから油断はできないだわさ。」
　当然、残存の部下を残していったが連絡員程度なのだろう、当然コアには見破ることができた。そしてタブレットに道具を送り込む形式で指示を伝え、やっとドランのダンジョンが起動することができるようになった。但し、ドランの部下はまだ弄ることができない、千鳥万花とのつながりがばれてもらっては困るのだ。
「やっとじゃの。」
「これに関してはみんな感謝だわさ。そして水木の報告で…まずいことが分かっただわさ。」
「はい、どうも、草原同盟と、山岳同盟の敵対関係が解消されていた模様です、その為、現在の草原同盟は小規模の中立扱いになっています、」
　それまで、亜人に敵対的で、最悪接触してでもこっちがたずなを握ろうかと思った草原同盟が中立扱いだったことになると、変にパルマキアで領域を広げると、先んじて私たちが草原同盟と敵対してしまい、戦線を広げる羽目になる、オウルの調査だと、いくつか６つ前後と思われる、モンスターの領域を見つけており、そこにダンジョンがあるのではないかとの報告だった。となると、草原同盟への調略を今急ぐ必要がなくなってしまった。むしろ動き過ぎると向こうをあおる、
「中央山地は変わらんの。となると、しばらく全員停滞かの。」
「その可能性が出て来たな。」
　そう、ムーア村の周辺のデータと照合すると、消えた４０人近いダンマスはそのまま全部その能力を保持したままインスタンスダンジョンとなったっぽい。という事が分かった。但し分布は不明。そうなると、ザガートン南部は中世の皮をかぶったポストアポカリプスな戦場となり、北部も、国境の鉄鋼の町が一個”ダンジョン”で消滅する可能性が出てきた。最悪野良ドワーフの大軍に占拠され…ザガートン国から独立の可能性がある、そこに山岳同盟は２名しかダンマスが残っていない。
「そうなると、結構世が荒れるだわさ。」
　この辺は平和だが他の地域では野良ゴブリンが出始め、最悪モンスターが闊歩する世界となってしまう、かなり不味い。
「そして、魔王国側は、どうも、一個残った独立ダンマスの領域と”通商許可条約”を結んでいた扱いになっているようだだわさ。事実上の魔人連合の配下だわさ。」
　そう、魔王国側の西部に元は３人の反魔人連合の集団がいた、そこに時山田もいた。が時山田が消え、一人となり、中立都市となった商業連合の都市はそのまま魔王国と不可侵条約と通商条約を結んだらしい。単純に食うに強いても太らせてからという、考えらしい、となると魔王国への警戒も深めないといけない。
「儂は一度領土に帰るのじゃ、そうしないと不味いのでの。」
　そう、こうなってくると、地味に怖いのが元ダンマスのインスタンスダンジョン捜索だ。当然偵察部隊も行っているが、経験値などが絡むので、できればドランは部下を動かしておきたいらしい、
「儂もかのぉ、」
「俊三さんは研究をお願いします、」
「そしてもう一うあるだわさ、井原しかできないだわさ。」
「ん？」」
「東方辺境伯軍創設だわさ。」
「それか…。」