魔界建築家 井原 ”はじまお外伝”

どたぬき

文字の大きさ
上 下
638 / 1,309
第16章 途中退社は残された者がつらい

第632話 暇は急に降って来る

しおりを挟む
 こちらとしては旧魔王軍含め、戦力の最適化中…鳥海が魔王軍に呼び出された…どうもドランの事らしい。
「向こうがようやくじれ始めただわさ。」
「そっちは任せた。今回は。3人のダンジョンのひな型から作りたい。
 今回はミヨちゃんに瞬間的にダンジョンを閉めさせてもいいから…いつでも開設できるように、防衛ライン付きダンジョン”ガードライン”の制作をしたいので、
「ふむ…わしか…。」
一応ドランは千鳥万花の戦闘担当にして…裏の存在だ。できれば隠れている生活自体はやめておきたい。帰って…又は戦況を動かせるように…そう言えばサブファクターの剣を断ったのもこれが理由だ。バランは今は乗っ取られており、魔王ヨミがその場に居座っている、その為帰ることができない。そしてどの手色の情報能力か不明だが、
ダンジョンアラームを鳴らさずに侵入してきた以上。相手の考えはドランの抹殺の疑いがある、その為、ドランは動けなかった。
「ふむ、ついにパンダが同盟になって、亜人が動いたって所か。ドランの不在は知っているとみていい。」
「だわさ、どう相手にばれないで、司令を渡すだわさ?」
 問題は、今の指令は”ダンジョン待機”である、バラン一人なら、どうにか5人がかりで抑えれる、が今出ていくと…応援部隊がいて補足される可能性もある、その上こっちに飛んで向かわせる手も考えたが、当然それが補足されれば…憑依先の変更と、思考を読まれ…こっちの命さえ危うい。なので、動けないのだ。但し、郷愁はよっぽどでドランは、毎週放送配信されている”ドラゴンレビュー”を毎回みている、ついでにそれを鳥海がツッコミを入れて…ドランの評価を伝えている、
「でものぉ。」
 その裏にあるのは、言っては悪いが部下を傷つける事への恐怖だ。実は一度部下を囮にして領域内の外に出し、そこをバランに襲わせ…尻尾を出させる焚き付けをもくろむという事も打診した。こうすることで、当然追い払えるからだ。もし抹殺されても、ドランが生きている限りダンジョンは再生できる、が、これを認めなかったのは
ドランだ。
「どうするだわさ。流石に…この状況だと、せめて部下を動かさないと、まずいだわさ。」
「なんかいい方法がのぉ。」
「ふむ、私の浅知恵でいいなら、一個ある、あえて原始的に手紙を渡すのはどうだ?」
「はい?」
 一応ダンジョンも誤魔化せる、その上、ダンジョンが物を読んだりするには取り込んでスキャニングするしかない。しかも憑依でないとダメで、鑑定ではアイテム名に手紙の内容は出ないはず、地味に手紙は原始的ながら”ダンジョンやモンスター対策”付きの方法と言える、ただし、当然ばれればダメだ。そしてもう一つの盲点がある、
「手紙なんてべたなのじゃ。」
「いや、よく考えてみろ、この世界、地味に紙さえないんだぞ、ダンジョンが出さないと。:
「「あ…。」」
 そう、ダンジョンや魔法でしか今は紙が作れないのだ。そうなると、手紙という手段を外見から想像することは難しい、それは名刺の扱いからしてそうだ。当然効果のある内容だろう。ただ…。
「でも、どうするのじゃ、内容は。」
「そこはそっちで詰めてくれ。」
 欠点もある。手紙がまだないという事は当然ドランの字による”筆跡鑑定”もない。なので、手紙を渡してそれがドランであるという保証はない。
「分かっただわさ。まあ、ドランはせめて部下を動かせるように少し細工を依頼しておくだわさ。」
しおりを挟む
感想 4

あなたにおすすめの小説

劣悪だと言われたハズレ加護の『空間魔法』を、便利だと思っているのは僕だけなのだろうか?

はらくろ
ファンタジー
海と交易で栄えた国を支える貴族家のひとつに、 強くて聡明な父と、優しくて活動的な母の間に生まれ育った少年がいた。 母親似に育った賢く可愛らしい少年は優秀で、将来が楽しみだと言われていたが、 その少年に、突然の困難が立ちはだかる。 理由は、貴族の跡取りとしては公言できないほどの、劣悪な加護を洗礼で授かってしまったから。 一生外へ出られないかもしれない幽閉のような生活を続けるよりも、少年は屋敷を出て行く選択をする。 それでも持ち前の強く非常識なほどの魔力の多さと、負けず嫌いな性格でその困難を乗り越えていく。 そんな少年の物語。

側妃に追放された王太子

基本二度寝
ファンタジー
「王が倒れた今、私が王の代理を務めます」 正妃は数年前になくなり、側妃の女が現在正妃の代わりを務めていた。 そして、国王が体調不良で倒れた今、側妃は貴族を集めて宣言した。 王の代理が側妃など異例の出来事だ。 「手始めに、正妃の息子、現王太子の婚約破棄と身分の剥奪を命じます」 王太子は息を吐いた。 「それが国のためなら」 貴族も大臣も側妃の手が及んでいる。 無駄に抵抗するよりも、王太子はそれに従うことにした。

お爺様の贈り物

豆狸
ファンタジー
お爺様、素晴らしい贈り物を本当にありがとうございました。

婚約破棄の後始末 ~息子よ、貴様何をしてくれってんだ! 

タヌキ汁
ファンタジー
 国一番の権勢を誇る公爵家の令嬢と政略結婚が決められていた王子。だが政略結婚を嫌がり、自分の好き相手と結婚する為に取り巻き達と共に、公爵令嬢に冤罪をかけ婚約破棄をしてしまう、それが国を揺るがすことになるとも思わずに。  これは馬鹿なことをやらかした息子を持つ父親達の嘆きの物語である。

冷遇妻に家を売り払われていた男の裁判

七辻ゆゆ
ファンタジー
婚姻後すぐに妻を放置した男が二年ぶりに帰ると、家はなくなっていた。 「では開廷いたします」 家には10億の価値があったと主張し、妻に離縁と損害賠償を求める男。妻の口からは二年の事実が語られていく。

『王家の面汚し』と呼ばれ帝国へ売られた王女ですが、普通に歓迎されました……

Ryo-k
ファンタジー
王宮で開かれた側妃主催のパーティーで婚約破棄を告げられたのは、アシュリー・クローネ第一王女。 優秀と言われているラビニア・クローネ第二王女と常に比較され続け、彼女は貴族たちからは『王家の面汚し』と呼ばれ疎まれていた。 そんな彼女は、帝国との交易の条件として、帝国に送られることになる。 しかしこの時は誰も予想していなかった。 この出来事が、王国の滅亡へのカウントダウンの始まりであることを…… アシュリーが帝国で、秘められていた才能を開花するのを…… ※この作品は「小説家になろう」でも掲載しています。

ゲームの悪役パパに転生したけど、勇者になる息子が親離れしないので完全に詰んでる

街風
ファンタジー
「お前を追放する!」 ゲームの悪役貴族に転生したルドルフは、シナリオ通りに息子のハイネ(後に世界を救う勇者)を追放した。 しかし、前世では子煩悩な父親だったルドルフのこれまでの人生は、ゲームのシナリオに大きく影響を与えていた。旅にでるはずだった勇者は旅に出ず、悪人になる人は善人になっていた。勇者でもないただの中年ルドルフは魔人から世界を救えるのか。

「魔道具の燃料でしかない」と言われた聖女が追い出されたので、結界は消えます

七辻ゆゆ
ファンタジー
聖女ミュゼの仕事は魔道具に力を注ぐだけだ。そうして国を覆う大結界が発動している。 「ルーチェは魔道具に力を注げる上、癒やしの力まで持っている、まさに聖女だ。燃料でしかない平民のおまえとは比べようもない」 そう言われて、ミュゼは城を追い出された。 しかし城から出たことのなかったミュゼが外の世界に恐怖した結果、自力で結界を張れるようになっていた。 そしてミュゼが力を注がなくなった大結界は力を失い……

処理中です...