魔界建築家 井原 ”はじまお外伝”

第１５章 オペレーション：ハッピードライブ

第５８３話 人をだますにはまず衣装から

　ダンマスの一団は、主要幹部及び今回の作戦で使う人間に変装可能なモンスターたちを連れてぞろぞろと表れた。
「まずはようこそ。まずは全員こっちで一般的な服を用意した。これに着替えてくれ。今夜にはパーティが開かれる、パーティに行くメンバーはそれまでにこっちで、後は衣装を変えた後は好きにしろ。」
　ジャンと防具屋のシルキーたちが一斉に川で作られた服を人数分手渡していく。
「資金はどうするんだよ。」
「ギルドにDP突っ込んで、金に換えろ。無いなら貸してやるが、”クエスト”を使った借金返済させるからな。」
「そんな事が！」
　その間にも全体の…どよめきが広がる。外は進んだファンタジー文化である”１６世紀パリ市街”の町並みを持つ”聖都リンシュメルトである。その立派でかつ整えられた市街はファンタジーのイメージを越さない範囲で威容を誇った。
「お前ら、この街歩くんだからな。呼ばれる先はもっと豪華な…王級だ。」
　こういう背景には実は地味に…このリンシュメルトでは”ダークマター”を含む魔法が使用できないことになっている、ダークマターは攻撃魔法扱いとなっている。なので、ダークマターで服を作って外に出ようとすれば・・・裸となる。その言葉に全員が覚悟を決めた顔をしている。
「でだ、各ダンジョンマスター一人に道案内のシルキーを用意した。こいつに聞いてくれ。後、この建物を出ると、魔法が基本使えねえ。生活魔法でも一部使用できない。」
「そんな事が？」
「ああ。回復系は可能だが、それ以外は基本使えなくなる、だから今のうちに準備して、着替えたら、即出る事、午後３時の”鐘が二回鳴る午後３時の合）にはこっちに来て…ドレスコードに合う服を買ってくれ。パーティの潜入の際には当然…この店…イーハ商会の幹部として王級に入る。衣装がダメなら入れねえ。…最悪ばれるからな、それで、分かったか！」
　ジャンの怒号が響く。それには黒木も頷いている。　素早く着替えると…全員が駆け出すように慌てて出て行った。いつもは接客でいるはずのシルキーたちが今は一人もいない。
「我々はもう準備してあるが…。本当だろうな…。」
「一応魔界で作った金カードを持っていればこっちで、家を借りられる、で…騒動後に南と契約すれば、最悪俺達の名前を出していい。そうすれば領域も借りられるはずだ。」
「そう聞いて、昨日から美玖に家を探してもらっているが…これがリンシュメルトか…。」
　ゆっくりと洞気が外に出てみる、いくら魔王国が発展しているとはいえ…五階建ての市街地ができるほどの人数はいない。そして、その税然里活気ある街並みは…彼の見た度の都市よりも発展していた。
「ああ、そうだ。でも稼ぐって言ってたな。」
「ああ、もう術中にはまってるんだよ、連中は、一人も聞かなかったからな。」
「…海川もそうだな。ただ聞いた話、連中は勇者を飼っているはずだが？」
「こっちの様子を見た語っただけだ。どうも正々堂々の連中が…ばれたらしく、抱き込まれるふりをして、誘い込んだらしい。が罠に気が付かないとはね。」
「…気が付くのか？」
　よくよく考えてみれば魔界一日チケットは当然”一日”しか効果がない。麻にこっちに来たのなら…次の日の朝までにここに戻る必要がある。そしてその時間をずらすべくあえて”魔界で説明会を行い、酒宴を開いた”一日の感覚をずらすためだ。これにより連中は”帰れなくなる”こっちに頼み込んで帰る方法があるがダンジョンバトルは移動には使えないので、相手のダンジョン領域を貸してこっちが出入り口を作るか、ギルドに大金は炊いて”ゲート”を開いてもらうほか、帰れない。そうすることで。千鳥万花は連中に”金を貸せる”。回避方法は当然あるが、そうなると今度は亜人同盟に頼み込むしかないが…当然勇者持ち出しはできなくなる。そうすれば各団体に恩を売り、契約で縛ることになる。騒動後という欠点があるが、チケットを使うにしても向こうのダンジョンコアに連絡して”一日チケット”を使ってもらいこっちでも使う方法なら帰れるが、これで買えるには１２００万DP以上の金額が欲しくなる、しかもこれは勇者によって買い上げてもらった…。
「でもあくどいな、勇者が願いを叶えたら”いなくなる”可能性を言わないんだからな。」
「そういう事だ。俺達も慈善事業じゃないんだ、この程度、気が付かない方が悪いんだよ。」
「一応、エージェントと、魔人たちの部隊はもう配置済みだ、ちゃんと言われた範囲の森で待機させてある、」
「おっちは頼んだが…あんたはお祭り視ないのか？」
「…目立つんだよ、視線とかな、だから私も森林で襲撃犯に混ざるつもりだ。」
　そう言うと、背を向け、黒きは護衛達と去っていった。
「やりにくい…が、必要だな。」