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第15章 オペレーション:ハッピードライブ

第578話 勇者相手に勝ってはならない。

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「お前からの依頼…ある程度の支援を基に…分かるな。」
 黒川と、秘書、および娘を伴った3人と、今回のプロジェクトに対する基礎情報の共有を行っていた。説明な鳥海だ。
「分かっているだわさ。まず、今回の計画において、倉川の手腕にほぼ全部関わっているだわさ。」
「…言われた通りにばらまいておきました。」
「で、どうするつもりだ?」
 こちら千鳥万花側は作戦担当のジャン、そして鳥海と私が今回のプロジェクトとなる。
「今回、改めて、作戦の概要を説明するだわさ。」
 そして、プロジェクトモニターには”ハッピードライブ作戦”の概要が示された。
「…なんだこの作戦は?」
「卿が初出汁だわさ、向こうが緊急で入れ替えが無いように今日も南に再確認させただわさ。連中の仕掛ける…48勇者”帰還作戦”だわさ。」
 今回の骨子はこの単純明快な”勇者帰還プロジェクト”に妨害を行い、嫌がらせをしつつ儲けを得る事だ。
「これは日本に帰れるのか?」
「帰ると言えば帰れると聞いているだわさ。」
 その言葉に全員がたじろぐ・・・ジャンもだ。
「本当か?」
「ただ、どういう形でとか、聞いてないだわさ。が勇者が魔王を討伐すれば勇者は簡単な儀式の後…証言によるとその日の睡眠時に…願いをかなえてもらう白い部屋に行くことができるだわさ。そこで願い事を言えば、どんな願いでも叶えられるだわさ。」
「それは本当か?」
「これに際し南が言うには、教授は3階願いをかなえてもらう…というよりも願いを保留しただわさ。南はダンマスになって、イケメンに囲まれたい。と言って今の地位を手にしているだわさ。」
「それが本当なら…。」
「最低でもこの世界での願い事は100%裏無しでかなえられる公算が高いだわさ。」
「でも魔王って…。」
 美玖も気が付いたようだ、魔王なんてこの世界で聞いたことがない。
「アチシが知っている魔王は二人。”黒い服の女・ヨミ”と”原始の魔王エレノア”だわさ。後、魔王バトルの結果が本当なら”竜血鬼コクヨウ”も魔王だわさ。」
「魔王…そう言えば”鬼王”も魔王だったな。」
「証言だと、まだもう一体…月光が戦ったという”黒騎士”がいるだわさ。」
「魔王、多いですわね。」
「そうだわさ。全員が一癖も二癖も…いや画像を見てもわかると思うけどまともに戦えば勝てる見込みのない魔王たちだらけだわさ。」
「こんなのに勝つの?」
「そこで出てくるのが南だわさ。」
「は?」
「今回家の計画の骨子は、”敗北する魔王を自分で用意して、負けてもらう事”だわさ。」
「「はぁ?」」
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