魔界建築家 井原 ”はじまお外伝”

第１４章 下部組織は基本押し付け

第５６７話 ファクター召喚の検証（龍）

　しばらくして、正々堂々からコインの売買の話が出て、規定の値段である２千万DPで購入した。そしてこれで行うのはルーム実験である。
「でもこれ…いいのだわさ？」
「一応、今回は竜のコイン、龍のコイン、魔のコイン、妖のコイン、花のコイン、知のコイン、亡だ。」
「なんか、コイン召喚にすると不味い気がするだわさ。」
　今回の実験は一応暇だったドランと奥原たち、そして鳥海だ。
「行くだわさ！コイン召喚！」
　最初に出したのは…竜のコインだが…。今回はいつもの実験である”ログハウス”を用いている。
「見た目は…代わっておるの？本当にこれかの？」
　そう、見た感じ木の性質が南国特有の節目に代わり、屋根も何故かヤシの葉で覆った感じの物に代わっている。
「入ってみるだわさ。」
　全員で中に入ってみるが…あまり変化がないな。
「ふむ、何かマイナスイオンたっぷりじゃの。」
「は？」
「感じないわよ。そんなもの。」
「大方これは…ドラゴンとかの住みやすいって感じだろうな。」
「だとするなら…やっぱり召喚コスト半減だわさ、この部屋。」
　ふむふむ…。
「では次に行くぞ、次は龍の部屋だ。」
　次に出したのは龍の…龍の…。
「ものすごい自己主張だわさ。」
「だよね…。」
「………悪趣味…。」
「いや、儂のせいじゃないのじゃ。」
　外見を言うなら、あらゆるところに、龍がモチーフの何かが飾られたログハウス。…なんかヤンキーが注文した感ある。
「内部はそんなに…。」
「儂は感じるのじゃ、エナジーの集約を！」
「ちょっと待て、試してみる。。」
　ちょっと感覚にピリッと来たというか…。魔石を作ってみる。あ…。
「ちょっと待て、これ、MPの回復が多いぞ、」
　外に出て、…確認してみる。
「なんかすごい事だが…。サンテ！」
『はっ。』
「このエリアと、草原エリアのＤＰ収益の統計を頼む。」
『了解しました。』
「どういう意味じゃ？」
「関連性を調べているがこのファクターコイン、地味に”ＤＰ収益＋ＭＰ回復アップ”の可能性がある。」
　意外とこの収益アップはありがたいかもしれん。
「これは龍のコインは集めるのかの？」
「それが微妙なんだ。逆に龍のコインは使い道が多すぎるんだ。」
　竜のファクターは当然ドラゴン系に使える。ドラゴンは大きい上に高コスト、その上龍の成長の加減で、レベル関連も高コスト。全部乗せしたくなる中でファクターコインは重要資産だ。これより使い道のある要素はやたら多い。そうなると、これはかなりきついだろうな、この要素に使うのは…。
「でもこれ…。」
「ちょっと思っただわさ。作ってみるだわさ。」
　とりあえず、コイン召喚を解除して…して…。すっごい趣味の悪い赤塗りの建物が出てきた。
「何だこれ。」
「…中国の縁起の良い生き物に鳳凰と竜がいるだわさ。そこでお互いのコインを足してみただわさ。」
　中に入ってみるとあずまやという感じだが。鳳凰の絵柄と、龍の絵柄が双方ある。しかも色塗りだ。
「２枚づつ、使ってみただわさ。派手だけど…」
「確かに収益がアップするかもしれんが…。少し待て。これ派手過ぎて目が痛い。」
　赤も目が痛い配色で、到底人間が住む場所には見えなかった。よく見ると龍が金色だ。