魔界建築家 井原 ”はじまお外伝”

第１４章 下部組織は基本押し付け

第５６５話 ストレートすぎると盲点に見える、

　一応、正々堂々の口は封じたものの、魔のファクターは地味に得る者が少なすぎた。流石、初期が獣を超える万能だ。しかも魔のファクターの１が下位ではない時点で、相当ショボい。他のダンマスは大抵１／４にかなりいいおまけまでつく。それに対して魔は何にもつかなかった。但し初期は非常に有利である。これは地味に今後の作戦や…どう侯の一部が予想できる。鳥海を呼び出し、今後の展望を話す。今回は田園地帯の背景が夜。シードル片手に飲みながらだ。
「…確かに可能性は高いだわさ。」
　そう、予測とは、妖のファクターは大方、サブファクターに手を出すのが一番の有利と判断するだろう、ただし…。
「ただし、魔のファクター…大方魔法関連スキルが多い気がしている。」
　そう、魔法関連上位は”攻撃””防御””弱体”など、魔法の文字が付かないのだ。しかもかなり個性的な魔法ばかり。はっきり言って、かなり…ファンタジーから化学を思わせる魔法だ。
「…となると。」
「一度落ちて、再起する。そう言う作られ方をしているか…。」
「…なんだわさ？」
「…他との連合を狙う、”ファクター共通化”狙いだ。」
「あ！」
「大方、これに気が付いた奴は。妖の２－５に何もない事が気が付く、ファクターをもう一行選ぶ権利を得れば…大方選ぶのも一番早いのが妖だ。但し中位ファクターに気が付かない可能性が一番高いのも妖だ。」
　そう、ファクターコインが欲しい状況になるのは投資しがいのある相手がいる時だ。その条件で言うと一番ミスリードを受けるのがこの妖だ。
「でもこれをどうするだわさ？」
「大方、黒川はもう２－５のどれかになる程度のDPは使ってあると思う。そして、初心者の勧誘を始めた。」
「…考えられるだわさ。」
「ただし、セカンドファクターは取ってないと思う、大方、悩むはずだ、どのファクターがいいのか、データが欲しいはずだ。」
　一応中位を知らないなら、レベル４までとはいえ、いや妖のレベル５には何もなかった。だからサブを他にするのが当たり前。そう思う筈だ。魔のファクターは文字通りのトラップファクターだ。”魔”の文字通りの悪魔なつくりだ。
「でも…。魔のファクターは。」
「こっちでも使える、さらに半額だ。スポナー量産は可能だ。中位の確認をしているが”シングルとレベル上限が５０”のモンスターを除くすべてだろう。」
「となると、結構優位だわさ、ある意味。」
「だが、これを見て、他人のファクターの成長を見たら…。」
「内心あせるだわさ。」
「だからこそ…魔人は…。」
「リストをちらっと見ただわさ。確かにの妖ファクター持ちが一人しかいないだわさ。黒川以外は。」
「そういう事だろう。」
「でもこれは…。」
「そう、大方、もう少しで全員が立ち位置を考える大連合が生まれるだろう。気が付くはずだ、数は正義だと。」
　それまでに抑え込む対策をしないと…大方狙われるのは、羊の皮をかぶった我々だ。

「でだ、どういう事だ？」
「全員に動議を持ちかけたのは、そこの書類に書いてある通りだ。」
　そう、私はある意味焦りを覚えた。ただ場所は、パンダの隣国だが、実は大森林南部は、非常に大きい木があるだけで、境界線付近以外DPの無駄なので、領域を取得せずインズタンスダンジョンの餌場にするつもりで放置してきた。だが、考えてみればそこに前衛基地を作った場合はこっちが攻められる。となると…確保したほうがいい。
ではなくて、一応今後の交渉の為に、ファクターのどれか一個でいい、９にする必要がある。という提言だ。
「…でも確かに９にしたことはないだわさ。今後の領地経営を考えると、確かに知っておきたいだわさ。」
「でも高すぎるのぉ。」
　そう、最後のファクター進化に欲しいDPは２５６億DPだ。ついでに一か月の我々の収益の大体２倍だ。そうなると、よっぽど貯金するしかない。これを６で割ったのが一人当たりの収益だ。結構多いが、後は個人収益をタミさんやオウル、ミヨちゃんに頼んでDP貯金してもらって賄っている、だが、２５６億DPはどうあがいても無理だ。
　ついでにここには敵もいない上に食肉ダンジョンは黒字になるように調整しているので、支出はほぼないと言っていい。
「そこで、しばらく半額にして積み立てたい。そうすれば一人分は賄えるだろう。」
「確かに…ではこれでは動議の意味がないではないかのぉ？」
「いや、実験台になるやつは誰だ？って事だ。」
「あ…。」
　決めたいのは誰のファクターを９レベルにするかだ。一人を昇格させるに４か月が欲しいなら、順番問題が出る。本来ならリーダーが良いんだろうが、地味に鳳が派手なだけで地味に中身がない。それに２５６億DP？って事になる。それに私には首が三つある。その上タミさんもいる。私があるとこの４倍が欲しい。リアルな国家予算規模のPDが欲しくなる。当然自分の物を強化したい。
「確かに…だが…。」
「ここで決着も問題だわさ。」
「そうよ！私が…。」
　陽華も頷いているが、これは一度は経ないといけない試練みたいなものだ。誰が最初に美味しい目に遭うか。論旨褒章って奴だが、これが地味に組織で分裂のきっかけになりやすい、ある意味企業の難問の一つだ。ある意味頭脳戦の始まりだ。水木は除外されている。彼女のファクターを進化させると、大方亜人同盟でも不味い事になる。目立てば死ぬ。だからこそ。今回の件は除外する。

　結局例の件は、くじ引きの上で私が選んでいい事になった、ただ奥原が言っていた”ファクター所有者全員が引くべき”という意見で引かせたのだが。私が４回（タミさんの分含み）引いたからあ