上 下
560 / 1,247
第14章 下部組織は基本押し付け

第555話 仕事の合間合間に別案件が挟まるのは仕事的には普通。

しおりを挟む
『数時間後にそっちに向かうです。例のあれ、受け取りに良くです。』
 それはちょうど、正々堂々の訓練計画ができあがり、出かけようと、タミさんを呼び出す直前だった。
「…厄介な時に…。」
「どういう事じゃ?」
 最近開発された”ぽたぽたエルフ醤油の片焼きせんべい”をかじりながら見送りに来た。
「あのエレノアだ。」
「あのか…。」
 一応ドランも面識があるが、あれはまだ”逃避行前”だ。
「あの空中歩きの御仁か。」
 そう、柳田がもろ手を挙げて解析不能とし、あの数百万ステータス…ではないなもっとあったはずのコクヨウを屠った謎の”不可視攻撃”と、空中浮遊の謎である。MPを使わない、エネルギーの動きも画像に無いという…移動方法と攻撃方法。初見殺しもいい所で…あれが城で普通に暮らしているというだけで、頭がおかしいという初代魔王である。
「行っていただろ?」
「確か、幻のファクターコイン別荘じゃの?」
「そうだ、一応作っておいた。しかも…神様打診で、制限がアップしている。」
「何じゃと?」
「フロア生成DPが100倍になり、大体一ルーム60万×(コイン数が最大ルーム数)になる。しかも空間中は魔石を”自動消費”状態になる。」
 神様の言葉を借りるならデバッグ作業だそうで。補填は、格安で作った初代幻ルームをそのままにすることだそうだ。維持費は変更していった。
「どういう事じゃ?」
「マナバッテリーを設置すればその補充でごまかせるが、確か維持にフロア面積立法メートルと一緒のMPを消費する。その分を魔石が優先で、その次に”存在している生命体のMP”を回収する。この時MPが0ならHPも吸収する。施設の停止をすれば維持費は安くなるが、その変更にもDPが規定フロア性成分と一緒のDPが必要になる。ただし…。」
「なんとなくわかってきたのじゃ。加わっておるのじゃな。」
「そう、その幻のダンジョンマスターが持っている、ルームのデータ限定で、ルームの変更が可能となった。」
「凄いのぉ。」
「ついでに、維持費が表示されるようになっている。扱いやすい。ただその書き方によると、…内部でリアル建築をした方が維持費が低い。」
「へ?」
「そこで、数日掛けて、…建築していた。」
 中で気を組み、白いあの大森林を分かつ山脈にある白い岩を砕いで塗料にした壁を作り、外壁を建築、リアルだと材料探すだけで辛い。ただこれにも欠点がある。この”リアル物体”が設置されたフロアはそれを地上から撤去するまで”ルーム変更不可能”にする効果が付く。その代わり維持費は建物に存在しないが劣化はする。それを使い、まずはこっちで建築して、それをダークボックスにしまって専用エリアに設置。自然も多めにして維持費をできるだけケチった。そこに魔道具も起動できる配線型家具を設置…そこにルーム変更兼補充口を設置。かなりいい仕上がりになった。とりあえず、ドランには、急いでコアルームに行ってもらい、こっちは会議室に行く。
「こちらです。」
 モアレが言うには、玄関先にいたので、連れてきたという…エレノアが来ていた。
「今回はいくつか要件があるのです。」
 厄介なことが無ければいいが。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

初夜に「君を愛するつもりはない」と夫から言われた妻のその後

澤谷弥(さわたに わたる)
ファンタジー
結婚式の日の夜。夫のイアンは妻のケイトに向かって「お前を愛するつもりはない」と言い放つ。 ケイトは知っていた。イアンには他に好きな女性がいるのだ。この結婚は家のため。そうわかっていたはずなのに――。 ※短いお話です。 ※恋愛要素が薄いのでファンタジーです。おまけ程度です。

娼館で元夫と再会しました

無味無臭(不定期更新)
恋愛
公爵家に嫁いですぐ、寡黙な夫と厳格な義父母との関係に悩みホームシックにもなった私は、ついに耐えきれず離縁状を机に置いて嫁ぎ先から逃げ出した。 しかし実家に帰っても、そこに私の居場所はない。 連れ戻されてしまうと危惧した私は、自らの体を売って生計を立てることにした。 「シーク様…」 どうして貴方がここに? 元夫と娼館で再会してしまうなんて、なんという不運なの!

愛された側妃と、愛されなかった正妃

編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。 夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。 連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。 正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。 ※カクヨムさんにも掲載中 ※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります ※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。

(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」

音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。 本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。 しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。 *6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。

王が気づいたのはあれから十年後

基本二度寝
恋愛
王太子は妃の肩を抱き、反対の手には息子の手を握る。 妃はまだ小さい娘を抱えて、夫に寄り添っていた。 仲睦まじいその王族家族の姿は、国民にも評判がよかった。 側室を取ることもなく、子に恵まれた王家。 王太子は妃を優しく見つめ、妃も王太子を愛しく見つめ返す。 王太子は今日、父から王の座を譲り受けた。 新たな国王の誕生だった。

婚約者が王子に加担してザマァ婚約破棄したので父親の騎士団長様に責任をとって結婚してもらうことにしました

山田ジギタリス
恋愛
女騎士マリーゴールドには幼馴染で姉弟のように育った婚約者のマックスが居た。  でも、彼は王子の婚約破棄劇の当事者の一人となってしまい、婚約は解消されてしまう。  そこで息子のやらかしは親の責任と婚約者の父親で騎士団長のアレックスに妻にしてくれと頼む。  長いこと男やもめで女っ気のなかったアレックスはぐいぐい来るマリーゴールドに推されっぱなしだけど、先輩騎士でもあるマリーゴールドの母親は一筋縄でいかなくて。 脳筋イノシシ娘の猪突猛進劇です、 「ザマァされるはずのヒロインに転生してしまった」 「なりすましヒロインの娘」 と同じ世界です。 このお話は小説家になろうにも投稿しています

【完結】捨て去られた王妃は王宮で働く

ここ
ファンタジー
たしかに私は王妃になった。 5歳の頃に婚約が決まり、逃げようがなかった。完全なる政略結婚。 夫である国王陛下は、ハーレムで浮かれている。政務は王妃が行っていいらしい。私は仕事は得意だ。家臣たちが追いつけないほど、理解が早く、正確らしい。家臣たちは、王妃がいないと困るようになった。何とかしなければ…

【完結】20年後の真実

ゴールデンフィッシュメダル
恋愛
公爵令息のマリウスがが婚約者タチアナに婚約破棄を言い渡した。 マリウスは子爵令嬢のゾフィーとの恋に溺れ、婚約者を蔑ろにしていた。 それから20年。 マリウスはゾフィーと結婚し、タチアナは伯爵夫人となっていた。 そして、娘の恋愛を機にマリウスは婚約破棄騒動の真実を知る。 おじさんが昔を思い出しながらもだもだするだけのお話です。 全4話書き上げ済み。

処理中です...