魔界建築家 井原 ”はじまお外伝”

第１４章 下部組織は基本押し付け

第５４６話 トラップを仕掛ける時は、よく考えて、あえて単純に

　ハーリスは、丸い水晶玉をどこからか取り出し、テーブルにを置くと、じっとこっちを見える。
「まず、私が依頼したいことは、４８人の勇者からの物です。学校に今勇者たちが生活を始めているのは理解していますね。」
「ああ。」
「どうも、そこの教師たちが言うには”社会科見学”などの学校独自の目玉について言及がありました。」
「修学旅行という奴か。」
「３か月なら、どこからのダンジョンなどの実習研修を一回。一念なら、他国・・・できれば依頼の現場を見せる物がいいと。」
「ふむ」
「南含め、学校にはテコ入れが欲しい所でした。そこで、あなた方に…。」
　…これは難しいな。
「まずダンジョンへは引率でいいだろうし、四季ダンジョンでいいだろう、が…。それ以外はこっちの手に余るぞ。」
「どういう意味です？」
　すました顔で言うハーリスにこっちは、カードは少ない。
「まず、ダンジョンは普通に考えれば危険だ。場所によっては殺しに来る。それは分かっているな？」
「そうです、この話を向こうにしたところ、そう言うダンジョンの恐怖を教える場所が欲しいと。初心者ダンジョン以外で。」
「私たちのダンジョンを見た事は？」
「…おっしゃってる意味が理解できません。」
　まずわがダンジョン”食肉ダンジョン”は無理だ。又鳥海の”マルワール帝国”も無理だ。お互い国歌一個分、大体地球の地図で言うならチリ一個分・・・といった方がいい面積のダンジョンい
フィールド型。内容見ても四季ダンジョンと大して変わらん。そんな場所見てもだれた楽しいんだ？
「…一応上は通すが、これに関しては、君たちの四季ダンジョンに潜るのと変わらないと言っておく。」
「…分かりました。」
　少し悔しそうだが…。
「では、取りあえずの打診お願いします。これはお持ちください。後このオーブ一個だけ欠点がありまして。」
「なんだ？」
「接続がキレる場合があるので、ダンジョンの中にだけ入れないでください。ダンジョン内でネルが生成した場合はいいのですが。」
　…は？これ運ぶのに、ダンジョンが使えないのか。ネルが作る場合は…よく考えてみたらリューネもいる、オーブがダンジョン潜れなくても隣の大陸に運ぶことは可能だ。
「わ、分かった、では運んでおく、」
　私は、ギルドオーブを手に取り、踵を返す。
「で、では。」
「よろしくお伝えください。では。」
　これは、難題だな…そして、向こうは試しているのが分かった。思い過ごしかもしれんが。素早く商業ギルドを出て、歩いて、商店に戻る。
「凄いですね…さすが…。」
　今回の案件にわざと、ザガートン国の支店ではなく、こっちの”本店”を使ったのはザガートン国への配慮だ。事情を知る亜人同盟の誰かが噂は報告をすることが一番怖い。が、これを逆に疲れた…というべきか、それともミスか…。こいつをダンジョンに通すことができない。これが一番の問題なのだ。ただ、渡るだけなら簡単なのだ。ミヨちゃんを呼んでオーブを運んでもらい、我々は悠々帰還でいいのだ。
「どうしました？」
　これはある意味の挑戦状であり、意味は”お前らがここに来た経路を家らに見せればくれてやる”であろう。そうでないなら、過失…即ち貸しによる相殺だ。あの人の絡む交渉とはいえ流石だ…。代償がえぐすぎる。
「いや、何でもない、そうだな、今日はこのままここの観光をするか。」
　メールで、連絡し、案件終わり次第ミヨちゃんを召喚しておく。そこまで極まった緊急性が無い時はこれだ。
「いいんですか？」
「オーブ搬送はこっちに任せて、こっちでお土産を買ってお姉ちゃんを喜ばせようか？」
「は、はい。」